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モンブランはお好きですか?

先日テレビ朝日系列『ザワつく金曜日』で、究極の2択クイズがシュークリームVSモンブランでした。シュークリームと比べられるなんて、モンブランもずいぶんメジャーになったと思いました。

子供の頃、ケーキといえば不二家のショートケーキでした。お誕生日をいちごのショートケーキでお祝いしてもらうのは、子供たちの憧れでした。

さて、フランス菓子の一大クラシック《モンブラン

19世紀後半にヨーロッパで生まれたといわれています。
今では世界中で愛されていて、日本でも定番ケーキといっていいでしょう。

モンブランとはフランス語で「白い山」の意味ですが、実際にフランスとイタリアの国境にそびえている山の名前でもあります。

この山は、フランス側から見ると優しいドーム型、イタリア側から見ると鋭く尖った険しい形をしています。これはお菓子の形にも反映されています。

モンブランは、イタリア・ピエモンテ州の家庭菓子が原型で、はじめは栗のペーストに泡立てた生クリームを添えたデセール(冷菓)だったようです。

これをベースに、1903年創業のパリ1区リヴォリ通りの老舗カフェ『アンジェリーナ』は、クリームをメレンゲ上に搾り出した形に発展させ、モンブランは看板メニューになりました。

アンジェリーナのモンブラン(ミニサイズ)

『アンジェリーナ』は1984年に日本進出しました。1号店の銀座プランタンにはサロンドテもありましたが、閉店。今は常設店は日本橋三越本店のほか4店、催事店として全国のデパートに出店しています。

定番モンブランや小さいデミサイズ、濃厚なチョコのモンブランなどのバリエーションを展開しています。

21世紀のパティスリー界を先導する第一人者ピエール・エルメは、モンブランの 3要素を
①ふんわり軽やかなクレームシャンティイ(生クリーム)
②さくさくした歯ごたえのメレンゲ
③まろやかな口当たりのマロンピューレ
と定義しています。

ピエールエルメのモンブラン

『ジャン=ポール・エヴァン』のモンブランも同じ構成です。
①たっぷりのシャンティイ
②さくさくとしたアーモンド風味のメレンゲ
③風味豊かでコクのあるマロンクリーム

ジャン=ポール・エヴァンのモンブラン

これがフランスの王道モンブランでしょうか。

イタリアではモンブランは、モンテビアンコといいます。
(モンテが山、ビアンコが白という意味)

こちらは池尻大橋の『L’atelier MOTOZO(ラトリエモトゾー)』のスペシャリテ・モンテビアンコ。

モトゾーのモンブラン

イタリア産とフランス産の栗を絶妙なブレンドで合わせたマロンクリームに、風味豊かなホイップを重ねたものとなっています。

リストランテASOのモンブラン

日本では、自由が丘にある1933年(昭和8年)創業の『モンブラン』が、モンブラン発祥の店とされています。初代店主の迫田千万億氏が1933年にフランス・シャモニーを旅した際に、つくる許可を取ったのだそうです。

『モンブラン』のモンブランは、土台がカステラ、中に栗の甘露煮とカスタードクリームが入っていて、バタークリームと生クリームとマロンクリーム。一番上には、万年雪をあらわすメレンゲが乗っています。

モンブランのモンブラン

秋の味覚の代表でもある「栗」は、もともと日本でも和菓子に使われるように馴染みの深いものだったので、その後一気に人気が広がりました。

栗の産地である小布施や岐阜の恵那などでは、和菓子の技術を使った和風モンブンも登場して、予約困難なほどです。

小布施堂のモンブラン「朱雀」

今の一大勢力としては、京都の『紗織』から人気に火がついた、お客様の目の前でモンブランクリームを絞る”生搾り”モンブランです。

和栗専門 紗織~さをり~の錦糸モンブラン

また、栗の品種にこだわったり、クリームの絞り方も工夫されたモンブランがあって、モンブランのおいしい世界はどんどん広がっています。

Drawing house of hibiyaの和栗のモンブラン
モリヨシダのモンブラン

ショートケーキと比べると、モンブランって大人のお菓子だと思います。華やかなショートケーキが陽だとしたら、色味がシックなモンブランは陰。

あなたもモンブランの世界にいらっしゃいませんか?


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