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赤ちゃんのいる体で生きる

PCに向かって仕事をしている時。
おいしいものを友達と食べている時。
ひとりで本を読んでいる時。
好きな音楽をかけて車を運転している時。
布団の上で寝転がっている時。
そんな何気ない日常生活の1シーンで赤ちゃんは突然、存在感を現す。
もこん、めこん、とお腹の皮膚を内側から押される感覚。

これが胎動なのか。
そう分かるようになって一か月が経とうとしている。
これまでの生活が一変していくことを、赤ちゃんの足踏みが私に教えてくれる。
これからの生活を、私を、夫を、新しい色で塗り替えていくことをきちんと予告してくれている。
私はそのたびにそっとお腹を撫で返す。

この記事ではじめてお伝えする形になるのだけれど、私は人生はじめての妊娠生活を過ごしています。
現在妊娠6ヶ月で秋頃に出産予定です。

妊娠・育児という話題の繊細さ

この話題をnoteで扱うか否か、随分悩みました。気が早いですが、妊娠する前からいつかその日が来たらどうしたいかすでに悩んでいたほど。
だけど、この日々を書き残したいという私の素直な気持ちを尊重することにしました。

書き残すことに悩んだ大きな理由は、妊娠・出産は本当に繊細な話題で、受け取り手を傷つける可能性を大いに秘めているからだ。話している本人にその気は全くなくても、知らず知らずに誰かを傷つけている。そういうジャンルの話題なのだと痛感している。

私自身、子どもを授かるまでに半年ほど時間がかかった。一般的に20代後半女性が1年以内に妊娠できる確率は78%くらいらしい。(ネット記事によって違うけど大体これくらい)
結果として私も1年以内に妊娠が出来たわけだけど、周囲の同年代夫婦にはもっと時間がかかって苦労していたところも何組かいたし、私は本当に幸運だったのだと思う。

だけどそれでも、子どもを授かれなかった半年間は精神的に追い込まれていた。
これまでは、職場の女性たちが育児や出産の話をしていても別の星の出来事を聞いているような気持ちで穏やかに過ごしていた。ところが妊活をはじめてすぐには授からないと分かると焦りから心に新しい闇が生まれた。

何気なくテレビでおむつのCMが流れてきた時、私の人生にはこういう瞬間が訪れないのかもしれないなと悲観的な気持ちになった。
職場で子どもの愚痴をこぼす母親たちを見た時、自分の希望で子どもを作ったのにどうしてそんな酷いことを言うのかと咎めたくなった。あなたたちの愚痴はこの上ない幸せを手にした前提で成り立っているんだよ、と言いたかった。(人が悩んでいることには変わらないのに、失礼な発言ですよね。口に出さなくて本当に良かったと思います。)
友人がSNSで自身の子どもに関する投稿しているのを見て、素直に「いいね」を押せなかった。
SNSに流れてくる育児漫画も、アルゴリズムで流れてくるベビー服などの広告も全部が私を暗い気持ちにさせた。

私は短絡的な性格のですぐに成果が出ないと落ち込みやすいし、年齢の焦りもあり過敏な方だったと思います。
でもだからこそ、同じようにこういう話題は読みたくない人がいたら、傷ついてしまう人がいたら本当に申し訳ないと思います。
この記事が目に触れて嫌な気持ちにさせてしまったらすみません。
noteではひとつのマガジンとして妊娠・出産に関する記事をひとまとめにしていきますので、読みたくない方は別のマガジンを楽しんでいただけたら幸いです。

妊活をはじめてから知ったことだけど、世の中には私と同じような二十代後半の年齢で不妊治療に励み、日々一喜一憂している人がいるし、流産を繰り返して涙を流している人もいる。私は運が良かっただけ。終わりの見えないところで頑張っている人達に寄り添う心をいつまでも忘れたくないと思います。

それでも書き残したいのは

その一方で、この妊婦生活に起こった出来事や感情の変化を書き残したいと思ったのにも理由がある。
それは、胎動を感じるたびに胸を渦巻く「無事にこの子を産むことが出来なかったらどうしよう」という恐怖と手を取り合うためだ。

妊娠が分かった2月頃からずっと抱えているこの不安を溶かすには、一瞬一瞬をしっかりと書き留めることが私の最適解なのかなと思った次第です。

妊娠6ヶ月目になり、いよいよ外見にも変化が出てきた。お腹が膨らみ始め、周囲にも気付かれるほどになった。前回の健診で赤ちゃんの体重は300gほどだと教えてもらった。
お腹の中に赤ちゃんがいること、日々成長してくれていることが実感できて、本当に嬉しい気持ちでいっぱいだ。

ここまで来るまで、色々なことがあった。はじめての悪阻、切迫流産と安静生活、おなかの張りや耳管開放症などのマイナートラブル。
赤ちゃんと一緒に私もこの短期間で随分と濃厚な日々を過ごし、乗り越えてきた。
考えたくないことだけど、もしもこの先、出産を迎えるまでに流れてしまうことがあったら。今お腹の中にいる赤ちゃんとの思い出はここまでの妊婦として過ごした生活だけになる。そうなってしまっても後悔のないように、小さなひとつひとつを書き残していくこと。忘れないようにすること。それが私を守ることでもあるように思うのです。

実は今も妊娠報告できていない友達の方が多い。やっぱり無事に出産できたという事実が出来るまで、伝えるのが怖いのだ。それだけ妊娠中というものは繊細で、いつ何が起こるか分からない。

だけどnoteではそういう可能性も受け入れて、素直に綴っていけたらなと思います。
あまりまとまりのない文章になってしまいましたが、これからもよろしくお願いします。


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