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1929年アカデミー作品賞「つばさ」

第1目標「アカデミー賞受賞作品を短期間で観尽くす」

先日、映像テクノアカデミアの体験授業に参加し、講師の林完治先生がおっしゃっていたこと。
どこの学校でも同じことを言われると思う。
私が初めて映像翻訳の学校に通ったのは14年~15年ほど前だが、その時も「アカデミー賞受賞作品を観なさい」と言われた。
字幕翻訳を仕事にしたいならとにかくたくさんの良い字幕をインプットするのがどれだけ大切で基本的なことか、今は理解できる。
でもこれを言われて実行できる人がどれだけいるだろうか…?
どうしても好きなジャンルの映画に偏って観てしまうし、三度の飯より映画好き!くらいの映画オタクでもない限り、受賞作品全部観るなんて相当キツい。
実際私は当時このアドバイスを聞いたにも関わらず観なかった。数本は観たけれどそれも自分が好きな映画ばかり…
字幕のインプットよりも仕事につながる字幕の作り方が知りたい!という気持ちが強かったからかもしれない。

そして15年ほどの年月を経て…
あたらめてこの課題にチャレンジすることに決めた。
昨年離婚して、自分の力で子供3人を育てて生計を立てられるようになろうと決意。そのために映像翻訳の仕事に復帰したばかり。
以前は乳幼児を抱えて子育てとの両立ができず、泣く泣く辞めた仕事だったが、今は一番下の子が小学生。以前と比べて手がかからなくなってきた今なら翻訳者として働けるはずだ。
そう考えて業界最大手の東北新社を母体とする映像翻訳学校、映像テクノアカデミアのWeb講座で字幕を学ぶことにした。
吹替翻訳者としても登録したいけれど、とりあえずすぐにWebで学べるのは字幕のコースだけだったため字幕からスタート。
昨年11月に編入試験を受け今年1月から学び始めた。

今度は頂いたアドバイスをすべて素直に聞き入れてまっさらな頭と心で学習を続けようと誓った私。アカデミー賞受賞作品を片っ端から観ることに決めた。

古い作品から見ることに… 第1回作品賞受賞作品は「つばさ」

邦題:「つばさ」 原題:「WINGS」 監督:ウィルマン・A・ウェルマン

アカデミー賞受賞作品を観るために調べると第一回はなんと1929年。ここから2023年までさかのぼると思うと気が遠くなる。
そして1929年の作品賞を受賞した「つばさ」という映画はサイレント映画だった。サイレントなら字幕の勉強にならないのでは?この作品は飛ばしていいかな?と思ったけれど、せっかくだから1作目から観ることに…

観始めてすぐに気づいたが、字幕はあった。
サイレントでセリフは聞こえないものの、時折英語の文字で説明やセリフが画面いっぱいに映る。そして縦右に日本語字幕が出る、という方式だった。
字幕がいつ誰によってつけられたものなのかは不明。サイレントだが全編を通してにぎやかなBGMがついている…

内容は戦争ものでパイロット同士の友情の描写に重点が置かれていた。
100年近く前の作品で正直つまらなそうだな・・・と覚悟して観始めたのだが、実際は今観ても思わず惹きつけれられる映画。テンポも良くとても見やすかった。空中でも戦闘シーンも迫力があり見ごたえがあった。
主人公ジャックとデビットがそれぞれイケメンで、二人が恋するシルビアも美人!
一途にジャックを想うメリーは美人ではないけれどすごくいい子で行動力もあって応援したくなるキャラクター。
愛する息子デビットを戦場へ送り出す母の心情など、女性の描写もきちんとされているところがいい。
(デビット出征の時、母親とキスをしていたのには驚いた…)
一番の見どころはやはり最初はシルビアをめぐって敵対していたジャックとデビットが兵士として共に過ごす中で友情を深めていくところ。
やはりアカデミー賞を獲った作品ということで退屈したりはなかった。このような作品があり、このような字幕があると知ることができ、1作品目から勉強になった。


ー気になった表記メモー

カッコウがついた
洗濯女 washwomen
8の字飛行

ー印象的なセリフー
”Luck or no luck, when your time comes, you’re going to get it!"
その時が来たら
運なんて関係ないのさ

(先輩パイロットの最後の言葉)

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