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ハンドサインとインド式リズムカウント法

Ta Ka
Ta Ki Ta 
Ta Ka Di Mi

まるで呪文のようなこのことば。一体何か、ご存じでしょうか?
答えは、リズムの数え方です!

先日、シンガポールでとある合唱のワークショップに参加しました。そこで登場したのが、タイトルにあるハンドサイン(音感を身につける方法)と、Ta Ka Di Mi(リズム感を身につける方法)です。

正直言って、音感もリズム感もない私。ある音の三度上や半音上の音を出そうとすると、たいてい間違ってます。算数(かけ算や割り算)のセンスもないので、裏拍や付点音符、旗の多い音符、変拍子など、少し複雑だと頭はパニック状態。頭で理解できないので、リズムを理解したうえで自分の体でそれを表現するなんて至難の業です。楽譜から音階とリズムを読み取る力が弱いので、新しい曲の練習にはいつも苦労しています。このワークショップは、そんな私にとって、とても為になるものでした。

ハンドサイン

これを読んでいる合唱好きな方は、ハンドサインをご存知でしょうか?

私は日本にいるときに、ハンドサインを用いた練習を何度か受けたことがありました。合唱指導者たちが、時おり練習に取り入れてくれていたのです。

ハンドサインは、ドレミファソラシドの各音階を表すハンドサイン(手の形)を見て音を認識する方法です。ハンドサインを出す位置や手の形で、視覚的に音の高低を理解しやすいです。また、楽譜を読めなくても何の音か理解することができます。

ハンドサインについては、さくら舞さんがわかりやすくnoteで紹介しているので、よかったらこちらをご覧ください。

シンガポールの合唱の練習で、ハンドサインが登場したときには驚きました。でも、こちらの記事を読んで納得です。ハンガリーの作曲家・音楽教育家であるコダーイが発案した指導方法なのですね。それが日本やシンガポールの練習で用いられているのだと思うと、合唱で世界各地がつながっているんだなぁと不思議な感覚になります。

今回のワークショップでは、指導者に合わせて自分でもハンドサインを出しながら歌ったり、少人数のグループに分かれて交互にハンドサインを出す担当になり、その人が出すハンドサイン(大きなジェスチャーなら大きく、スピードもハンドサインに合わせて)に合わせて歌うことで、即興で作曲者・指揮者気分を味わってみたりと、とても楽しかったです。視覚的・身体的にドレミファソラシドの音階を認識するようになるので、音感をつかみやすいなと感じました。

日本にいるときから苦手意識を持っていた移動ド唱法も、この練習で登場。移動ド唱法で全パートを全員で一通り歌ってみると、やはり音の感覚がぐっとつかみやすくなるので、はじめて取り組む曲もばっちり音がはまるようになりました。

Ta Ka Di Mi

Ta Ka Di Miとは、リズムのカウント方法。

2拍ならTa Ka、3拍ならTa Ki Ka、4拍ならTa Ka Di Miと言ってリズムをカウントします。一定のリズムで手をたたいて拍をとりながら、楽譜ではなくTa Ka, Ta Ki Ka, Ta Ka Di Miの組み合わせだけで表現されたリズムの表示を見ながら、「Ta Ka, Ta Ki Ka, Ta Ka, Ta Ka Di Mi…」と口ずさみます。

こちらも自分の手と口を動かすので、リズムの感覚をつかみやすいです。何パターンかリズムの表示を見ながら練習しているうちに、自信がついてきます。身体を動かしながら、身体にしみこませるって大事なんだなと思いました。基礎がない私のようなタイプは、頭で考えていてもわからないので、身体を使うのが大事なんだなぁと実感する経験でした。

どちらもトータルで32拍だけれど、その内訳の2拍、3拍、4拍の組み合わせは違う、という2つのリズムの指示を、2人の人がそれぞれ口ずさむ、なんて練習もしました。32拍ぴったりで2人同時に口ずさみ終えると爽快!考えれば当たり前のことだけれど、目と耳と手と口を使ってみると、実感が全然違います。

練習のあと、Ta Ka Di Miって有名な方法なんだろうかと思って検索してみると、どうも南インドのリズムカウント法のようです。”takadimi method", "takadimi rhythm system”を紹介するYouTubeやWebサイトがいろいろ出てきました。日本語で解説しているブログ記事があり、おもしろかったのでご紹介します。

このなかの、Dr. LevinのYouTube動画がおもしろくて為になりました。Ta Ka, Ta Ki Ta, Ta Ka Di Mi以外にも、数え方があるのですね。インド音楽、うーん奥が深そうです。

おまけ

シンガポールにはLittle Indiaという街があります。インド食材店に生活雑貨のお店、インド料理店などがあり、インド系のひとたちが多く集まる街です。

Little Indiaには花飾りの屋台が多く、あたりにはジャスミンのいい香りが漂っています。一度、私も花飾りを買ってみました。
Little Indiaにあるレストラン。ナンがおいしかった!
本場のように、葉っぱがお皿になっていました。

今月10/24は、ヒンズー教で新年を祝うディパバリで、シンガポールでは祝日です。今年もそろそろLittle Indiaが、ディパバリのイルミネーションでカラフルに彩られるころです。

2021年のディパバリのイルミネーション

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