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読書感想文『トマス・アクィナス 理性と神秘』 山本芳久

本書を読んで勝手に考えていた事

勝手な思い込みではあるが神学と他の学問との親和性があると思ったことはこれまでなかった。
絶対的な創造主がすべてを決めているというのは新しい発見と相反するものであると思っていたからだ。
ぱっと思いつくものだと「天動説と地動説」や「進化論」といったものはキリスト教的な考えと相反している科学と敵対していたイメージがあった。
しかし、そんなイメージは本書によって多少変わったような気がする。

新しい発見をした際、それが事実であるなら受け入れるべきだろう。しかし、宗教はそう簡単ではないのかもしれない。
例えば進化論は人類がどこから来たのかという問いに対して革新的な発見だっただろう。事実であろう要素が多いの受容すべきだが進化論がすべて人間がどこからか来たものか答えてくれるわけではない。
まだまだ宗教やそれに近い思想が根本的な疑問の回答をしてくれるのだろう。
その時に否定ではなくどうすべきなのか。
この考えは実際に生きる上でも有用だろう。
変更することが出来ないものがある上でどうやって新しい考えを取り込むことが出来るのかというのは日常でもある気がする。

本書の感想

アリストテレスとの戦い

アリストテレスという天才とキリストという絶対的な天才の間に挟まれたもう一人の天才というのがトマス・アクィナスという人物な気がする。
アリストテレスも認めたうえで絶対的な存在であるキリストの考えをいかに伝えることが出来るのかというのはかなり難しい作業だっただろう。
未完に終わったという神学大全だが時間があるときに読んでみたいと思った。
実際、神学大全の内容として紹介されていた文章には私のこれまでの印象とかなり違ったものも多かった。

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