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髙見山がクリスチャン新聞に載っていた

クリスチャンにはあらゆる職業の人がいるので、クリスチャン新聞記者(私は1985-2000在職)も守備範囲が広いということを書いたことがあった。

今回は相撲の力士で、またテレビの人気者でもあった髙見山がクリスチャン新聞に載ったことがあるという話題をお届けします。載ったのは1968年6月30日号3面(下にスクラップ画像あり)。まげに和服で教会の前に立つ写真入りで、「クリスチャン力士 高見山を囲んで」「読むのは英字新聞と聖書」と見出しが踊っている。

教会の前に和服と髷の姿で立つジェーシー・髙見山

記事の書き出しは、「幕内の人気力士ジェーシ・高見山(24)が去る六月十六日(日)午後、千葉県の船橋バプテスト教会(船橋市宮本町一~一九七〇、中条儀助牧師)を訪ね、誕生日祝会をかね教会員と楽しい交わりのひとときをもった」と始まる。

髙見山大五郎氏の帰化前の本名はジェシー・ジェームス・ワイラニ・クハウルア(Jesse James Wailani Kuhaulua)さん。帰化(84年の現役引退以降)後は渡辺大五郎さん。
米国ハワイはマウイ島出身である。1964年、高砂部屋に入門した。72年、外国出身力士による幕内最高優勝を果たした。幕内連続出場1231回という記録を残し、最高位は東の関脇(関脇は横綱から数えて第3の地位)。

「もともとアメリカンフットボール選手だったものがハワイ巡業中の横綱大鵬(の)一行に認められ高砂部屋に入門。角界随一のけいこ熱心で知られている」とクリスチャン新聞も記す。

「高見山はハワイ、ワイルックの生まれ、八才の時から教会学校に通いはじめ十五才で受洗、教会では聖歌隊に入っていた。二人のお姉さんもワイルルックのバプテスト教会の教会員」である。

入門に際し、パンアメリカン航空から送られた
まわし。渡しているのは、元来相撲ファンで、
千秋楽のとき独特のガイジン口調で、
「ヒョーショージョー」と観衆を沸かせた
デビッド・ジョーンズさん

名物だった「ヒョーショージョー」(おまけ)

そんな高見山だが「日本に来てからは日曜日にもけいこがあるためなかなか教会に出られなかった」が今回、「船橋バプテスト教会のE・ホートン宣教師の招きに応じ、(日曜)午後の交わり会に出席したもの」という記事である。

クリスチャン新聞は、他のメディアは伝えないであろう人気の出つつある力士の別の側面を伝える。
「日本語があまり読めないため、読みものといえば英字新聞かハワイを出るときお母さんから送られた聖書だけで、聖書によって多くの慰めと力を得ていると語った」

その後、日本社会で人気者となった髙見山をその初期の頃、クリスチャンの友情が支えとなったとしたらこんなに嬉しいことはない。

テレビのCMなどでも人気ものになった


週刊「クリスチャン新聞」1968年6月30日号

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