アメリカに越してきた5日間で知った、障害のある人の”可能な限りの自立”を追い求める大切さ

今日のnoteは、昨日のnote【発達障害の子は困らせる子じゃなく「困ってる子」って知った、アメリカ生活1日目】の続編です。

ーーーアメリカ生活5日目:IEP会議ーーー
アメリカの小学校に入学した翌日から、3日間の息子の行動観察とアセスメントが取り急ぎ各専門家によって行われたんだよね。で、学校生活5日目にして早速、通例より数日早く初回IEP会議が開かれた。

参加メンバーは、校長先生、支援コーディネーター、支援級の担任、普通級の担任、英語を母国語としない子達の為の英語クラスの先生、スキルズトレーナー(息子専属の支援員さん)、セラピストを代表して作業療法士(OT)、発達心理士、ソーシャルワーカー、通訳、そして私。
そうそうたるメンバーが大きなテーブルを囲み、分厚いIEP案(個別支援計画書の下書き)を手に会議が進められたんだよね。

渡米前、日本で入学予定の地域の小学校の校長先生に息子の入学について話し合いの場を持っていただいた時には「学校としては何も支援はできません」と突っぱねられたんだけど、その光景とは雲泥の差だった。

でもね、IEP会議の時のなんとも言えない居心地の悪さは今でも忘れない。なんせIEP会議の冒頭から「チャビ君は○△ができます」「○△が得意です」の説明が延々と続いたから。そんな風に息子を見てもらった事が日本ではなかったから、IEP案に書かれてる事は、私の知っている息子のようで息子ではなかったんだよね。

アメリカのIEP(個別支援計画書)は1ページ目に子供の長所の記述から始まり、弱点が続きます。長所は困難・弱点の2倍以上述べられるんだよね。それは障害のある子を「できない子」と捉えるんじゃなく「○△という方法でなら出来る子」という視点で見てるからこそ長所に基づいて指導計画が組まれるから。その子の分かる方法で伝えるのが支援教育の基本なんだよね。


ーーー障害を「自己責任」にしないアメリカーーー
入学から4日間、英語も話せず教室から逃走を繰り返す息子に「手を焼いてます」ってさんざん愚痴られるのを覚悟して参加したIEP会議。

でも現実は、『Can not doではなく、Can do with ○△』っていう風に、「○△という方法で出来る子」って関わっていきましょうね。お母さんも一緒に今までの関わり方を変えていって、みんなで楽になれる方法を見つけていこうね、って言ってもらえてホッとしたのを覚えてる。

息子の事はもちろん、私のことも責められなかった。そんな会議や話し合いは、初めてだったんだよね。日本では、小さくなって「すみません」って言い続けて話をきくのが通常だったから。

障害があるっていう事は、障害の特性によって他の人と同じ事が同じように出来ないっていう事。当時の日本は障害を「その人のもの/その人の責任でどうにかするもの」として見ていたと思う。

一方「だったら他の人と違う方法/その人が出来る方法を皆で考え見つけましょう」って共有するのがアメリカの考え方だと思うんだよね。

例えば、足に障害がある人を「歩けない人」ではなく「車椅子があれば出歩ける人」とアメリカでは考えるんだよね。そうする事で「じゃあ、階段の代わりにスロープが必要だよね」に結びつく。

バリアフリーっていうのは本来、そういう個々が抱える困難を皆の物として受け止めましょうっていう心のバリアフリーから始まるんじゃないかな。


ーーー障害のある人の”可能な限りの自立”を追い求める大切さーーー
大切なのは障害のある人を「何か出来ない事があっても、別の方法で出来るポテンシャルを持ってる」って考える事だと思う。アメリカでは障害のある人と関わる時「Independence・Autonomy」(自立・独立・自律)をその人の能力の最大限可能にする事を目標に考えるんだよね。それは「出来る」部分を見てるからこそ可能なんだと思う。

日本では障害のある人を「Dependent(誰かに頼らなければいけない人)」って見がちじゃないかな。

でもね、「できる面」から見方を変えれば、障害のある人はもっともっとIndependent(他者に依存しなくてもできる事がある人・自分の意志で生き方の選択やヘルプを求める事ができる人)になれるんだよね。

だからこの発想がもっと大切にされてほしいなって思う。

そして、障害のある人のヘルプにうまく応えてくれる人が多ければ多いほど、障害のある人の”可能な限りの自立を追い求める事”が守られるってことに理解を示してくれる人や、賛同してくれる人が増えて行ってくれたらいいな。

こんな今の私の考えの土台になったのが、アメリカに越してきた5日間の経験。たった5日。されど5日。この5日間があるから今の私、そして今の息子がいる。そんな大切な事だから、書き留めておきたかった、昨日と今日のnote。誰かの心に響いてくれたら嬉しいな♪


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チャビ母

アスペルガー症候群と診断された息子チャビの母です。 「このまま日本にいたら息子に明るい未来はない」と一念発起し、障害のある子にとってより良い支援環境があるアメリカに移住してきました。障害のある子の母として支援者として、私から見た息子やアメリカの支援について書き残して行こうかなと。

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発達障害(自閉症・学習障害・ADHD)の理解をできるだけたくさんの人にしってもらいたいチャビ母の願いが込められたnoteたちです。
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コメント13件

sachiさん、こんにちは。コメントいただきありがとうございます。
娘さんの自立、娘さんへの理解があるsachiさんがそばにいらっしゃることで、娘さんも心強いでしょうね。
人それぞれ、持ってるパワー・エネルギーの量も違うし、同じ作業をしても消費するエネルギー量って違うんですよね。そういう意味で娘さんは燃費が旦那様よりも効率的でないから、旦那さんは自分との違いに戸惑って心配されてるんでしょうかね。
少しづつ、娘さんのペースで、娘さんに合った自立が実現に近づきますように。
アスペです。子作り中ですが、自分の子供もアスペだったら嫌だなぁと思ってます。困らせる子ではなく困っている子という認識はこれまで無く、為になるお話だなぁと思いました。ありがとうございます。
素敵な考え方で生きやすい
私はアメリカへ留学した経験がありますが、障害者に対してだけではなく、普通の学校もそうだと思います。
日本では「英語が出来ない」「数学がダメ」と言われていたのに、アメリカへ行ったら「絵がうまい」「手先が器用」などと、誉められる場面がグッと増えました。
一つの事で自信が持てると、他の事にチャレンジする勇気も沸くので、誉めて伸ばす教育っていいな~と思っています。
お大事に~!(^^)!
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