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ドイツ留学5か月経過、生活の変化と気持ちの変化

こんにちは。

ドイツ・ミュンヘンにて留学生活を送る大学生、桜です。


今日でちょうど、ドイツに入国して5か月が経ちます。

家族以外の知り合いには全く知らせず始めたnoteも早4か月目。
今日は、ドイツ留学5か月間で私に起こった変化、最近感じることや思うことをここに残しておこうと思います。




ニュースを追うようになった


本当に自分はニュースを見ていなかったんだな、そう思い知らされたのはドイツに来てからの事でした。

飲み屋でビールを飲んでいたりすると、隣の知らないドイツ人と話すことがよくあります。
また、電車でもドイツ人は普通の声で会話しているので耳に入ってくることもよくあります。

彼らはしょっちゅう政治のことを話します。
この間一緒にビールを飲んだ社会人の方とも、ドイツの税率の話や台湾有事の話、アメリカ大統領の話などをしました。

その時感じたのが、社会情勢への関心が自分に不足しているということ。
例えば「ドイツ全土で抗議デモが行われます」と大使館からのメールを受け取るまで、ドイツの極右政党が布く移民政策とそれに対する民意を知らなかったり、
ドイツのショルツ政権の財政手続きに違憲判断が下されていた過去を知らなかったり。

つまり、ドイツに住んでいる者としての自分の“無知”を痛感させられたのです。

そして「ニュースを見なければ」と思いました。
ドイツ語勉強の手段として、サッカーのニュースなどを選り好んで見ていたドイツのニュースサイトのトップニュースを毎日チェックし、YouTubeで毎日ニュースを見るようになってからは、リアルタイムで世の中の流れを知ることができ、ものの見方も変わりました。

また、広い視野で外から日本を見つめることで、日本の政治報道の遅れ(日本のテレビがいかに政治を報道していないかと言うこと)にも気づきました。

日本の報道を見ているだけではわからなかった世界のことを、BBCやCNNなどを見ることで補わなければならないと知りました。

本を読むようになった


ニュースを見ていると、ニュースや世の中を理解するための根本的な知識が私には不足していると気づきました。

戦争が起きているニュースを見て、宗教の知識や民族学、地政学の知識が足りていない
日本がドイツにGDPで抜かれたニュースに対しては、なぜ日本の円安は止まらないのか、労働力補填で移民を受け入れるメリットデメリットについてよくわかっていない

など、
世の中のを知るための必要最低限の知識を補わなければ、ニュースの根本を理解できず出来事をより長期的な目線で見ることができないと気づきました。

そして、本を読むようになりました。


もともとフィクションが好きで文学が好きな私にとって、いわゆる「社会の勉強」のための読書は未知なものでしたが、
本を読めば読むほど分からなかったモヤモヤがクリアになっていく感覚を感じ、まだまだ勉強しなければと感じることが増えました。
(それでもやっぱり文学を読むよりは楽しくない…)

ドイツに来たからにはドイツ語の本を読まなければ、という意気込みで自分の勉強の範囲を無意識に狭めていたことに気づかされ、
どこにいても学ぶべきことは同じだと思い知らされました。

ドイツにいる私はKindleで本を読んでいます。

人間はスマホの画面の文章は文字としてでなく情報として処理するそうなので「活字」の定義は曖昧ですが、
私は電子書籍は携帯一つで際限なく活字を読むことのできる最強のツールだと思っています。

同じことを勉強するにしても、YouTubeで動画を見るよりはるかに能動的ではるかに自分のペースで進められる気がするのです。

留学から帰っても、Kindle有料プランは契約し続けると思います。


ちなみに今日は、小川洋子さんの『猫を抱いて像と泳ぐ』を読みました。

暖かかったので外で読みました



コンビニの脅威を知る


ここからは生活の話。

最近の私は、外国の人が日本のコンビニに驚く気持ちを嫌と言うほど理解できるようになりました。

というのも、ドイツには勿論コンビニなんてものはありません。
スーパーも夜8時には閉まるし、日曜日はそもそも開いていません。
スーパーの中にも、パンやカップラーメンのようなものがあったりしますが、即席のお惣菜は少ないし、あっても味は日本のコンビニ惣菜の足元にも及ばない。
(しかもドイツは外食も高くて不味い。)

学校が終わって、バイトが終わって、疲れた~と思ってその日の夜ごはんになるものを買うなんてこっちに来てから全くできていません。


それが悪いことのように語りましたが、そのおかげで格段に自炊力がつきました。

少しだけお惣菜や冷凍食品に頼ったりできなくなった今、自分が満足する味のものを、食材を買うところから作れるようなりました。
日本で一人暮らしをしている時は自炊なんてたまにするくらいだったのに、人間の適応能力の高さと“追い詰められればできるようになる”習性には舌を巻きます。

あと、やっぱり自炊をすると安い!
いかに日本のコンビニに月の食費を吸い取られていたかと思うと恐ろしいです…


Spotifyを聴かなくなった



音楽を聴かなくなりました。

そう言うと少し語弊があるかもしれませんが・・・

日本にいた頃は、街中に人が多くて電子音が多くて、言ってしまえばそれらを自分の世界から遮断するために、耳にイヤホンをねじ込み惰性でSpotifyを開いて適当な曲を流している、
それが私の生活の中で“音楽を聴く時間”のほとんどを占めていました。


ドイツはよっぽど観光シーズンの中心部でない限り、街中に人が少なくて電子音が無くて、
私の家の近くでは、朝から鳥がさえずり犬がじゃれあい風が吹き抜け、自然の音にあふれています。

音楽で周りの人工音を遮る役割は必要なくなり、雨の日にはその音に耳を傾けたくなるようになりました。
雪の日には、自分の足が雪を踏みしめるキシキシという音に耳を傾けるように。

そういえば、雪が降りしきる「しんしん」という音は日本人にしか聞こえないそうですね。


そのうえで、音楽を聴いたほうが気分が上がるなってときは音楽を聴く、音楽そのものを楽しむためにSpotifyを開くようになりました。


人が少なくて音が少ないことがこんなにも心の余裕を生んでくれるなんて知りませんでした。

イヤホンを家に忘れた日は一日中乗り気じゃなかった半年前と比べて、今は風の音を耳で感じながら立ち止まって深呼吸する機会が増えました。
なんとなく、四六時中イヤホンで耳をふさいでいると呼吸も浅くなる気がするというか。

ドイツが好きだなあと思う瞬間の一つです。


夜、星を見るようになった


日本で住んでいた場所はどこもある程度の都会で、夜も町の光が消えないような場所でした。

学生証で安く入れるプラネタリウムに行って、よく星座の解説を見たものです。


ドイツに来てからというもの、私の住むミュンヘンは建物が低く郊外は町の光も少ないので、寮の裏の原っぱから空を見上げると簡単にたくさんの星を見つけることができます。

北海道よりも高緯度に位置するドイツから見える北斗七星は日本で見ていたものより高くにあり、そのほかにも小さな恒星が目視でたくさん見え、

星座早見表を検索しては夜空と見比べていると、次第にいくつもの星座を見つけることができるようになりました。


ちょうど昨日撮った写真があるので載せておきます。



ドイツの冬は日本よりも晴れが少ないので晴れた日は陽の光に満ち足りた気持ちになりますが、星座観察が楽しくなってきた最近ではその日の夜空のことを想像して胸が躍ってしまいます。



もうすぐ春休み


もうすぐ学期が終わって長い春休みが待っています。

旅行の計画も、少しずつ着々と立てています。


最近になってやっと、留学とは何か分かってきている気がします。

取り巻く環境に馴染み初めて感じる違和感に対応する。
そして、そこで自分なりの生き方を見いだす。
今までは見えていなかった身近なものに目を向ける機会を得る。
そこに私なりの考え方で価値を見出す。

それが勉強でもそうでなくても。


ここでの生活も折り返し地点を迎えようとしているなんて、早すぎる時の流れに置いて行かれそうですが、

これからも着実に自分のペースで、留学生活を頑張りたいと思います。


ここで一つ、先日祖母と電話したときの私の愛猫を置いておきます。

裏庭のバードウォッチングに励んでいました


それではまた!



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