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2022年冬季限定「Kumitteチョコレート」思いっきりハピネス!にリニューアル発売

みなさん、こんにちは。中央軒煎餅 商品開発チームのタケイです。
秋晴れの気持ちのよい季節になりました。冬の到来もまもなくですね。
当社では2022年11月3日冬季限定「Kumitte(クミッテ)チョコレート」がリニューアル発売されます。素材と素材を組み合わせた人気商品「Kumitte」の冬季限定品です。
今年の夏にリニューアルした「Kumitte夏」に続いて冬もチャレンジします。

【RGB】kumitteチョコレート_13FE_パッケージ中身 - コピー
2022年リニューアル「Kumitteチョコレート」


この冬は「思いっきりハピネス!」に変身

2022年のKumitteチョコレートは売場で出会った時、心が躍って思わず手に取りたくなるようなカラフルなパッケージにリニューアルしました。
日本画家の栗原由子さんがアクリル絵具を使って水彩画のように素材(カカオ、いちご、ゆず、アールグレイ)を色鮮やかに描いて下さり、そのモチーフをパッケージ全面にデザインしました。
前年のダーク系の茶色から一新して、明るいベージュを地色に使い、カカオ(茶色)、いちご(濃いピンク)、ゆず(黄色)、アールグレイ(緑色)を楽しげに、踊るように配置しました。

【RGB】kumitteチョコレート パッケージ - コピー
思いっきりハピネスなパッケージデザイン


2つの食感「サクッ × とろっ」の調和が特徴

「Kumitteチョコレート」その名もチョコレートで包まれたKumitte(おかき)。
ポイッと口に入れて一気に食べてしまうのではなく、ゆっくりと2つの食感を楽しめるようにふた口サイズにしました。
口に入れると舌の上でチョコレートが溶け始めるような優しさを感じながら、ひと噛みするとおかきに到達「サクッ、サクッ」。その間にチョコレートが「とろっ」と溶けていく。再び噛むと「サクッ、サクッ」「とろっ」、ひと言で表現すると「サクッ × とろっ」ですね。
口どけのよいチョコレートとおかきが口の中で調和して、2つの食感と幸せな香りに満たされます。

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Kumitteチョコレート3種の味


華やかな香り「アールグレイ × ミルクチョコレート」

開発担当者が生み出した素材と素材の掛け合わせは、爽やかで甘い香りの食材とそれぞれ相性のよいチョコレートの組み合わせでした。

まず、「アールグレイミルクチョコ」から紹介します。
フレーバーティの代表格「アールグレイ」は柑橘系のベルガモットの香りをつけた紅茶。ベルガモットは柑橘の爽やかさと花のようなフローラルな甘さの両方を持った華やかな香りです。
紅茶おかきは以前にも製品化したことがありますが、なかなか難しい食材です。もち生地に練りこむ場合、おかきを焼いてしまうと「紅茶なのか?緑茶なのか?ほうじ茶なのか?」こうばしい香りからは区別がつかなくなってしまいます。
そこでKumitteチョコレートでは、ベルガモットの香り「アールグレイ」を使うことにしました。

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ベルガモットの果実           アールグレイ茶葉

ベルガモットの果実は苦味が強いため、食するのは適していないようで皮を絞って抽出します。
確かに、甘くて花のような香りは女性が好きな華やかな印象で幸せな気分にしてくれそうです。アールグレイをもち生地にたっぷりと練りこみ、こんがりと焼きあげてから、ミルクチョコレートで包みました。乳製品を加えて作るミルクチョコレートはフルーティな甘い風味がするため、アールグレイの柑橘の香りと相性がよいです。


アールグレイおかき × ミルクチョコレート

恐るべし「ユズノン」パワー × ホワイトチョコレート

次に「柚子ホワイトチョコレート」ですが、柚子のあの爽やかな香りは「ユズノン」と呼ばれる香り成分。愛くるしい名前も覚えやすいですね。

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柚子の南半球しぼり

柚子の生産地・高知では柚子を「南半球しぼり」で絞るらしいです。
なに?南半球しぼり?って。
まず、柚子を真横に二つに切り、切り口が上、皮が下になったまま絞る。
地球に例えるとしたら下半分の南半球の向きで絞るのがコツ。ユズノンは皮に含まれるつぶつぶのカプセルに潜んでいるので、それをつぶすと17倍もの香りが出てくるとか。すごい!それを知ってから我が家でも「柚子は南半球しぼりで!」
当社でも昔から、おかきの味つけに柚子を使っています。「ゆず七味」という商品がその一つ。今年の3月に発売した新商品「いねの音色でそのゆず七味が復活しました。柚子の陳皮と国産七味唐辛子を混ぜて味つけしたもので、ピリッとした爽やかな香りのしょうゆ味が、私の大好きな味の一つです。

話を柚子チョコレートに戻しますね。日本が誇る魔法の香辛料「柚子の香り」は、和食だけではなく、いまや世界でも人気があり、スイーツでも多く使われています。そこで昨年、Kumitteチョコレートの開発時に柚子 × ホワイトチョコレートの新しい組み合わせにチャレンジしました。苦みが少なく甘みを強く感じるホワイトチョコレートは柚子のほんのりとした苦み・酸味とうまく調和し、とても相性がよいです。「サクッ × とろっ」の心地よい食感、プラス柚子の爽やかな香りに包まれるとリラックスした幸せな気分になれそうです。

柚子おかき × ホワイトチョコレート

甘みの強いベリー「イチゴチョコレート × 白ごま」

最後は「白ごま × イチゴチョコレート」。和洋菓子で何と言っても人気なのがイチゴですが、もち米でつくるおかきとはなかなか縁がない食材でした。「おかきにイチゴって合わなそう!」それを解決してくれたのがチョコレートです。
女性に人気のベリーの中でイチゴは最も甘いベリーで、砂糖の甘さや乳製品と組み合わせると更にイチゴの風味が際立ちます。そこでバニラの風味が強くて、甘みのあるホワイトチョコレートにフリーズドライのイチゴを練りこんだ「イチゴチョコレート」をおかきの上にとろ~り、とろ~りと厚くかけました。

前半はホワイトチョコレートのようなクリーミーな味ですが、途中からイチゴの酸味が口中に広がります。
イチゴチョコレートになぜ白ごま? そんな疑問の声が聞こえてきます。
白ごまの役割は粒粒の食感とロースト感です。イチゴはナッツのロースト感との相性がよいと言われています。またホワイトチョコレートはカカオ含有量が少ないため苦みが少ない。そこで、もち生地に限界まで練りこんだ「白ごま」が程よいロースト感を加えてくれてイチゴチョコレートが一層おいしくなります。
白ごまだとわからなくてもいい!生地の中の粒粒感を楽しんでください。

白ごまおかき × イチゴチョコレート

「アールグレイミルクチョコ」「柚子ホワイトチョコ」「白ごまイチゴチョコ」の3種の味には更に隠し味が施されています。それは、塩。
もち生地の中に微量の塩を添加することで、甘みや酸味をより引き立ててくれます。
ふた口サイズのKumitteチョコレートだからこそ食感もそうですが、それぞれの食材の風味や移り変わる香りを楽しむことができます。


実は、昨冬「Kumitteチョコレート」も成功せず!

8月にnote記事で紹介しましたが、昨夏「Kumitte夏」を新発売し、大失敗に終わりました。

冬の「Kumitteチョコレート」も11月に新発売致しましたが、あまり好調ではなく、途中販売計画数量を約20%減らすことになりました。発売1か月経過した頃売場にヒヤリングを実施し、急遽試食・商品説明チラシを配布したり、売場のPOPを変更したりと手を打ちましたが減産を止めるまでには至りませんでした。
問題点はいくつかありましたが、1番の要因はパッケージデザインにあると考えました。売場からは「パッケージが茶色一色で目立たない」「デザインが地味、暗い」「シンプル過ぎる」の声が複数上がってきました。
そこで、冒頭で紹介しました売場で出会った時、心が躍って思わず手に取りたくなるようなカラフルなパッケージをめざしました。
他にはパッケージの形状や価格帯も変更しました。
味に関しては「アールグレイ+ミルクチョコの珍しい組み合わせが美味しかった」「柚子が強すぎず子どもにもあげられる」「ホワイトチョコレートは苦手だけど柚子が入っているから甘すぎなくて良い」などのうれしい声をいただきました。
開発担当者は、更においしくなるには?で改良試作を行い、「アールグレイの香りをもう少し強めたい」「白ごまの存在感を少し増やしたい」ともち生地への練りこみ量の調整を行いました。


当社では発売前に最終品の検査(妥当性確認)を行っていますが、先日Kumitteチョコレートも無事に検査を通過し、発売の承認を得ました。
今、私はその時の3種の中身を持ち帰り、もう一度噛み締めながらこの記事を書いています。昨年より更においしくなりました。これでリニューアル完成!!

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クリスマスにもぴったり!


チョコレートおかきは14年前から。

2008年に初めてチョコレートがけのおかき「チョコdeおかき」を発売しました。当時は既に市場ではチョコのおかき・あられは販売されていました。

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2008年発売「チョコdeおかき」

ふっくらとしたおかきにチョコレートがけしたものや柿チョコなど。いろいろと購入して自社の設計を決めていきました。自社ではチョコレートがけはできないため、協力してくださるチョコレート業者さんも探しました。
前述した生地に微量の塩を練りこんでいる話ですが、当時生地に何も味つけしない素焼き、醤油味、塩味など幾通りか試作を行いました。チョコレートとおかきの配合はざっと 60%対 40%(重量比)。
味つけなしの素焼きだと味が物足りなく感じました。かといって醤油だとうま味が強すぎて複雑な味になってしまう。結果、塩の量を数種類試して、味つけを決めました。
厳密に言うとチョコレートは60%以上。食品表示上は「チョコレート」の分類になり、パッケージ裏面の一括表示欄の名称部分にはチョコレートと表示されます。これも当時の開発担当者がいろいろ試した結果、この60%対40%を私たちの黄金比として配合を決めました。

その後、4回ほど商品をリニューアルしました。中身のサイズを変更したり、商品名やパッケージデザインを変更したり、戻したり・・・アレコレと時代とともにチャレンジしてきました。

■2012年10月「うすかきチョコレート」

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■2016年11月「チョコdeおかき」

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■2021年11月「Kumitteチョコレート」

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14年間の歴史を経て、2022年11月「Kumitteチョコレート」はリニューアルします。振り返ってみるとリニューアルは約4年の周期でやってくるみたいですね。
今回は1年でリニューアルという超速ですが・・・。
多くのお客様に思いっきりハピネス!そんな時間を楽しんでいただけると信じています。みなさまも是非、お楽しみください。

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2022年リニューアル「Kumitteチョコレート」左から1,300円、650円、350円(本体価格)