見出し画像

山は私のスーパーバイザー

   仕事を午前中で切り上げて。午後に東京駅から新幹線に乗って、山に向かう時の感覚。

   上手く言葉にできないけれど、仕事で人と対峙して、そして余暇に自然と対峙して、その繰り返しの中で、ソーシャルワーカーとして、山にスーパーバイザーになってもらっているように思う。

   山の厳しさと優しさと強さ。

   冒険家の石川直樹さんの著書『全ての装備を知恵に置き換えること』を読んでいると、余計な装備は要らないのだという言葉にはっとさせられる。

    登攀スキルに乏しい身としては、なんとも痛いところをつかれた気分。

   確かに、高いお金を出して、装備を買いそろえれば快適な山行ができるかもしれない。でも、それは、何か違う気がする。山の素晴らしさや厳しさと優しさ、その両方を包含しての自然との時間なのだと思う。

   山行で失敗もたくさんある、もっと良い装備があれば、楽だったかもしれない。ただ、過保護になれば、山と向き合う時間は、減ってしまうし、山を傷つけてしまうかもしれない。私たちは、考える葦、だから、思い感じ考え気を配り、心を使って、山と対話していきたいと私は思う。

    いろいろな考え方がある。答えはない。

    それでも、自然が大好きだから。植物も岩も空も空気も雲も、土もコケも木々も太陽も。ここに還ってきて、大きく深呼吸をすると、山に対しても仕事にも家族にも友人にもとにかく、森羅万象、全てのモノに「ありがとう」とそう伝えたくなる。

    mont-bellの靴とオルトボックスのザックとGORE-TEXのジャケット、経験も装備もないけれど、この最低限の装備で、私のスキルと判断力と身体力、身の丈にあった山に、今日も登りにいく。

   コロナかでなかなか会えないけれど、小さい頃、山に連れていってくれた両親に感謝の念がふっと涌き出る。

    山の夜と朝は早いから。一足早くおやすみなさい。

    

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?