ReoNa ONE-MAN Concert Tour 2023 “HUMAN” 大阪公演レビュー
ReoNaデビュー年。地元で行われたアニメイベントのフリーライブ以降、熱心に応援しているReoNa。「Wonder1284ツアー」から「Nakedツアー」までは2人の娘の受験や資格試験などのフォローもあって身動きとれなかったものの、就職が決まり進路も決まったことで推し活も復活「De:TOUR」で初参戦
これで見事にやられてしまいドハマリ…いや以前からハマってたとはいえLiveの良さを痛感し直したのが「De:TOUR」でした
今回は大阪国際交流センターということでキャパは1000人ほど
ソールドアウトも納得の熱気
ステージは大阪会場ではあるものの地方会場っぽいコンパクトサイズ。
しかしステージは光の演出が際立っていた。
ReoNaが立つメインポジションを光の道と光の柱に見立ててそれに対比するように天井にもLEDによる2本のラインライトで演出。
LEDの光るパターンも多種多様にすることでお歌とのマッチ感と点滅ラインを前後に動かすことでライブに華を添えることに成功しているといえる。
さらに収束ビーム型のピンスポットライトがステージ場を上下から照らす。これがとても効果的で、心の内面を拘束する光の鎖に見えたり、ステージについた赤い傷にも見えたり。
その光源ライトを歌詞に合わせてムーブさせることで、心の開放であったり、運命を切り開く武器になるといった演出は神がかっていたと言ってもいいだろう。
そういったステージにおける光の演出は歌詞とのリンク感に関しては言うことなしだった。1000人規模の会場でもここまでできるというのを感じたものです。
セットリストも素晴らしいものでした
オープニングはソードアート・オンラインの
「Weaker」
でアップテンポな曲調で会場全体を熱くさせる
続いて
レーザー光線と合わせたPVが印象的な
「生命線」
ドラムアレンジが秀逸でバスドラムとスネアドラム、フロムタムの追加アレンジで歌詞が持つ世界観の奥行きを感じさせてくれた
そして
「ないない」
へ。こちらもLiveに合わせたキーボード&ギターアレンジがまたCDとは違った心象を与えてくれる。
歌詞の内容の朗読的MCから
「Alive」
と「Alive」収録曲で全編英語の
「Numb(ナム)」
で会場はしっとりとした雰囲気に変化。
この2曲はシングルセットされているということで、連続して聞くことで世界観が最大限に広がっていく感があった。
特に「Numb(ナム)」は英語歌詞というのがポイントだろう。
そしてノスタルジックにさせる
「FRIENDS」
で落ち着いた雰囲気に。
大人になったことで変化したとしても忘れてはいないことを友人に伝える歌詞にグッと来る人も多かったかもしれない
そしてAメロのおもちゃピアノ、トイピアノだからこその音色が印象的な
「絶望年表」
ライブでのアレンジも加わって、これも聞き入ってしまう
以前からこの曲はLiveでの必須曲だと思っているので、気持ちがさらに静かに燃え上がる曲でもある。
続けて今回のツアーでの泣かせ曲が2曲続く
「さよナラ」
「一番星」
「さよナラ」は固定観念にとらわれないことの大切さや命の重さ。残された側と旅立った側の悲しみに心が震える。
そして「1番星」は遠くに旅立ち星になった友人を思うお歌だが、この年令になるとそういった友人もいるわけで……
このお歌「一番星」は聞く度に辛くなるのだがLiveで「さよナラ」と続けて聞くことで、旅立った友人を忘れることが無いように改めて誓いを思い起こさせるお歌に聞こえる。
これはReoNaのもつ歌唱表現の美しさゆえだろう。
そしてNHKみんなの歌&配信の
「地球が一枚の板だったら」
をライブでフルで聞くことができたのも、会場に足を運んだファンへのお土産ともいえるだろう
そして聞く度になぜか前向きになれる
「ライフ・イズ・ビューティフォー」
絶望系アニメシンガーともいえるReoNaからの応援歌でもあり、すべての人生における
「当たり前だけど忘れがちになること」
『止まない雨はない』『雨があるからきれいな虹が見える』
というワードは胸に刺さるものである
この曲に合わせてステージの光の演出が暖色系にまとまり温かい雰囲気に。光の演出がここでも遺憾なく発揮してくれた瞬間でもあった。
そしてお待ちかねともいえる
「シャル・ウィ・ダンス?」
で会場全体がダンス。
シャドウダンサーの2人もキュートでReoNaとの相性もバッチリ。
衣装がDe:TOREのときとは違って白と黒のツートンでシャドーハウス感もあってよかった
そして会場全員が一糸乱れぬダンスで観ている側も楽しませてくれる時間に。
また席が狭いから左右に広げられないゆえのダンスアレンジもよかった
そしてラテン語で「死を想え」「必ず死ぬことを忘れるな」という意味をもつ
「メメント・モリ」
「背負うには重くて、投げるには軽くて」という矛盾した歌詞が印象的だが、絶望のど真ん中にあり身動きが取れない中、なんとかして動こうとしているのに動けない…だからこそ!と感じる曲で個人的に大好きな1曲
そしてアップテンポがつづき、ソードアート・オンラインのゲームの主題歌
「VITA」
で再度OPにも似た盛り上がりを見せてくれる
歌詞にある「忘れない」という部分や「背負っていく」「まだ終われない」というワードがSAOにマッチした神曲ともいえる
そして
「ALONE」
神崎エルザ時代の曲が1曲入っているのが旧来ファンへのサービス。新規ファンには世界を広げる選曲だろう。
この曲も素晴らしい。今回の「ALONE」を始め、「ピルグリム」「Independence」といった神崎エルザ曲は聞きたい人も多かったのではないかと思う。
個人的にはReoNaのアナグラム(文字をいくつか入れ替えることによって、全く別の意味にさせる言葉遊び)でもある「Rea(s)oN」も聞きたかったところだが「ALONE」も好きなので満足満足
ライブのラストが近いことを感じさせるMCの後に、
アルバムタイトル曲の
「HUMAN」
この歌詞がまた秀逸で
「人を遠ざけて 一人になりたくて 独りは寂しくて」
というのはまさに多くの人がいっときは持つ感情と感覚の一つだろう。
そこに胸を打たれた立場としてはたまらなく、ReoNaの歌声が胸を穿つ歌詞であり胸が締め付けられ涙腺が緩みそうになる。
余談だが、うちの奥さんもまさに、リアルに
「人を遠ざけて 一人になりたくて 独りは寂しくて」
という人だったのでこの「HUMAN」はなぜかふとしたところで奥さんのツンデレ時代を思い出したりするものだったりする
ラストナンバーは
「SACRA」
メロディラインが美しく、聞き入ってしまう曲が最後…ということで、会場の方も微動だにせず歌声を聞き入った…という人も多かったのではないだあろうか?
歌詞の半分近くが英語になっているが、英語ならではの直接的な表現
As time goes on, things forgotten
(時間が経てば経つほど忘れ去られるもの)
Remember me tender, remember my pain
(私の優しさを覚えておいて、私の痛みを覚えておいてください)
これらの繰り返されるフレーズは英語だからこその余韻だともいえる
そういった部分でいうと、新たなReoNaの世界がここから広がっていくかもしれないことも感じさせられる曲で締めくくられた
会場への挨拶もていねいで、レフト、ライト、センターそれぞれに挨拶をし
「じゃあな」
というおなじみのワード。
そしてステージの光の道と光の柱が徐々に消えていく演出で終演。
全てにおいてパワーアップ
魅力がますますアップしたReoNaのライブでした。
まさに最高であり最高以外の何物でもなかった…。24時間経過したいまでも余韻にひたれるのはすごいと思う。
蛇足的にあれこれと……
自分のように地方で1回だけライブに参加するのが精一杯の人と
ツアーで一緒に回っている人や同窓会のように再開している人との温度差…というか盛り上がり方の違いも痛感。
そこは羨ましい部分が多々あるが、こればかりは仕方ない…とはいえ、
その輪に入りたい気持ちと、
そこまで知識量を持ち合わせていない自分が入ることを希望していいのか?
馬鹿にされるのではないか?
というジレンマもあったりしますし、そもそも
こちらから気軽に声がけをしていいのか?
といつも躊躇してしまいます
なので、よかったら自分のようなライト気味なファンもウェルカムな人がいれば嬉しい限りですし、門戸を開いてくれれば…と願ったり…
もっともライトファンがもっと動かないとだめかもしれないが、熱烈なファンの熱量は尊敬するレベル。
あと、自分の場合 目の病気。眼瞼痙攣の関係で紫外線が強かったり強い照明がある場合、目が開けられない(例えばイオンモールのようなショッピングモール)のでサングラスなしでは外も歩けないのです。
そのため入場するまでサングラスはかけっぱなし、ロビーでも外でも異質な存在(と自覚)でしたが、見た目に関係なく2名の方(RyoNさん、佐保姫れんげ(さほひめ れんげ)さん)にコミュニケーションを取っていただけたことと、お2人から素敵なお土産をいただけたのはReoNaファンの素晴らしさを感じました。
あと観客側のモラルやマナー。応援スタイルの違いがTwitterの一部炎上しているかと思いますが、こればかりは難しい問題です。
それぞれの応援スタイルがあるので一概に片方を「悪い」とは決めつけられないところがあるかと思っています。
立つ、立たない
に関して言えば、
・妊婦さん
・膝や腰が痛む人
という身体的状況によってできるできない。立ち上がるのに苦労する場合もあるし、昨日の大阪国際交流センターの場合、席のスペースが前後幅が狭いため立ちづらかった人もいるのではないかと思うところ。
さらに曲によって立ち上がる、立ち上がらない…というのは判断も難しい。
トランスした感じで曲を聞きSTAGE上に向かって熱意を伝えたいから立ち上がる…という気持ちは十分理解するが、着座がメインだった昨日の会場の場合立ち上がるのが正解かどうかは判断は難しい。
立ち上がると後ろの席の人は見えなくなる…のを考えるとなんでもかんでも立ち上がってLiveを楽しむのが正解とは言い切れないところもありますから。あとアップテンポの曲などでヘッドバンギングするのも判断が難しいところです
このあたりは日常生活でもそうですが、
「周りの人に迷惑をかけない」
をベースとして音楽を楽しむ…というのが前提になりますが、この「周りの人に迷惑をかけない」も解釈の度合いにもよるし、周りに配慮しすぎて自分が楽しめない…となるとそれはそれで…と思う人もいるでしょう
あくまでも一般論としてですが、
今回のツアーは
「ReoNa ONE-MAN Concert Tour 2023 “HUMAN”」
なっており、コンサートツアーとオフィシャル表記されています。このオフィシャル表記を踏まえると
今回の公演はコンサートであり、
「音楽鑑賞を楽しむイベントで、基本的に観客は声を出さずに聴く」
のが主な楽しみ方となる…ので、着座し、着座の中でできる楽しみ方。手拍子などをおこなう…というのがひとつの解釈になります。
これが
「ReoNa ONE-MAN Live Tour 2023 “HUMAN”」
であれば、ライブになるので、パフォーマンス重視で、ステージと一緒に歌ったり踊ったりして会場全体の空気も含めて楽しむ
となるとスタンディングやヘッドバンギングもふくめての「ステージ上のパフォーマンスをふくめて観客側も楽しむ」が含まれる…となります
が、ここまでくると言葉のアヤ的な部分もありますので、さっきも言ったように「一般論」として踏まえてもらえれば…と思います。
ただ、オフィシャルサイトには
「全国7都市をまわるライブツアー『ReoNa ONE-MAN Concert Tour 2023 “HUMAN”』の開催が決定」」
と書いてあるからなんともいえないところです。PRテキストのツアーはライブだけど、本タイトルはコンサート…という、アンビバランス的文章になります。
ただ本タイトルが「コンサート」明記なので、着座をベースにし「シャル・ウィ・ダンス?」のように「主催者側がスタンディングを求める場合」は立上得る…のでよかったのではないか?と思ったりはします
とはいえ、
おそらく、立ち上がる、立ち上がらない…は永遠のテーマになるとは思いますが、
「周りの人に合わせる合わせないに関係なく、お歌を楽しんでほしい」
というReoNaのインタビュー記事が過去にあった…ことを考えると、座席指定のコンサートでも立ち上がるのもありだし、着座してたのしむのもありだと考えられる…
とはいえ「自分が楽しめるならなんでもOK」ではいかがなものか?とも思うし、着座している人も「ステージ上のReoNaは観たい…」というのも気持ちがあるのを前提として、スタンディングで楽しむのがどうなのか?はすこし考えて観ると良かったのかもしれない
また「その曲に合わせての手拍子はいかがなものか…」というのも一部でありました。
例えば「絶望年表」の歌詞は読み込めば読み込むほど、絶望に寄り添うお歌であり、リズムに乗るものではない…と個人的には解釈をしています。
しかし音楽をリズム重視で楽しむ人もいるかもしれませんし、歌の解釈も人次第なので全面的な否定はできません。
でも、それでも、やっぱり「絶望年表」というお歌は、そういった人や状況にもしも遭遇した場合に、寄り添える心の優しさを持つことの大切さも表現しているので、やはり手拍子はいかがなものか…と思っていたり…します
あくまでも個人的感想と解釈ですが…
今回のLiveで以外(? というかあると思ってい曲が歌われなかった部分。
それは
「forget-me-not」
「ANIMA」
の2曲が含まれなかったこと。
この2曲はどちらかがコンサートやライブの定番になりそうな雰囲気もあっただけに、個人的には以外でした。
そのぶん「シャル・ウィ・ダンス?」がライブ定番曲になったのかもしれない…と思う一方で、次のツアーはベストアルバム発売し、その記念ツアーになるのかな?と勝手に妄想し、それであれば、神崎エルザ曲を含めて
18曲のコンテンツになるのかな?
いや ベストアルバムだとしたら2枚組だろ!
とか勝手な妄想と期待をしてしまうところですが、これは別のお話しです
最後に
大阪公演セットリスト
記憶が間違ってたらごめんなさい
Weaker
生命線
ないない
Alive
Numb
FRIENDS
絶望年表
さよナラ
一番星
地球が一枚の板だったら
ライフ・イズ・ビューティフォー
シャル・ウィ・ダンス?
メメント・モリ
VITA
ALONE
HUMAN
SACRA
...
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