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「Fear&greed index」を解説!米国株を割安&適切なタイミングで買うための指標

こんにちは、CIOです。
今回は、「米国株を買う前に必ずチェックしたい指標」についてお話しします。
先にお伝えしたいのですが、投資判断の際、これさえ見ておけば投資は間違いない!という指標は存在しません。
様々な指標を見て、その上で株価は今割安なのか否か、今投資して大丈夫か等を判断します。
ですので誰しも株価の予測は不可能ですが、投資をすべきタイミング、避けるべきタイミングは存在します。
今回は、その一指標についてご紹介します。

🔽動画はこちら


【Fear & Greed Index】

私が米国株投資で必ず参考にするのが、CNNが算出するFear & Greed Indexです。

この指標は、現在の市場が恐怖を感じているか、貪欲かを示します。
恐怖が大きければ株価は割安である可能性が高く、買いのサインと言えます。
貪欲な相場では株価は割高である可能性が高く、投資タイミングには向いていません。
 
なぜこの指標が有効かというと、株価は投資家の感情に大きく左右されるためです。
株価を決めるのは、主に「企業業績」と「金利」、そして「感情」です。

業績と金利だけであれば、投資は今よりずっと簡単になります。
市場予想より業績が伸びそうなら投資する、金利が下がりそうなら投資すれば良いからです。

しかし、投資家は非常に感情的な判断をします。
よって、業績と金利から求められる理論株価に対して、実際の株価は割安になったり割高になったりします。過度に楽観的で期待だけ大きくなる相場では、適正な価格をはるかに超える株価になります(バブル)
また、米国株は終わりだ、といった悲観相場では割安な価格となります(〇〇ショック)

ただ、理論株価は無意味なわけではなく、いずれはそこに回帰します。
これは学術的に実証されています。
過去を振り返ると、PER60倍で異常だった日本のバブルは崩壊しましたし、米国株はリーマンショックで割安になりすぎた底値から5倍となっています。

株価はいずれ適正な価格に落ち着きますが、残念なことにそのタイミングは誰にもわかりません。
正確には予測できないのが前提ですが、Fear & Greed Indexは一つの参考としてとても有効です。

皆さんがいつこの動画をご覧になられているか分かりませんが、現在(2023年10月初旬)の指数は、1年ぶりの恐怖の大きさで、この指標を参考にするならば買い時です。


指数は0〜100ポイントで、25以下の最も恐怖が大きいextreme Fearから、75以上の最も貪欲なExtreme Greedまで5段階に分類されます。
撮影時点では、指数が18のExtreme Fear、極めて悲観的な相場ということがわかります。
前回この指数が25を大きく下回ったのは22年の10月で、ちょうど1年ぶりです。


昨年の10月というと、長らく続いた米国株の下落がちょうど底をつけたタイミングでした。

私は、この指数が18をつけて大きな悲観相場になっている点と、最近の株価下落で米国株の投資割合が減少していたため、S&P500やナスダックに追加投資しました。

もちろん指数が25を下回ってもなかなか株価が回復しないこともありますし、この指数で株価を予測できる!とまでは言えません。
しかし、一つの参考指標として、今の米国株相場は割高なのか割安なのか、投資のタイミングとして適切か判断することができます。


【Fear & Greed Indexの算出方法】

続いて、Fear & Greed Indexの算出方法についてご紹介します。
最終的な指数だけ参考にしたい方は、次のチャプターへお進みください。

Fear & Greed Indexは7つの個別指標の合計で計算されています。
重要な指標について解説していきます。

S&P500の株価と125日移動平均からの乖離

一つ目は、S&P500の株価と125日移動平均からの乖離です。

長期の移動平均としては200日移動平均も重要とされていますが、この指標では125日の移動平均を使用しています。
一般的には、移動平均の上を推移している間は強気相場、下の場合は弱気相場と解釈します。
Fear & Greed Indexでは、移動平均線を大きく超えるとExtreme Greed、大きく下回るとExtreme Fearとなります。
現在は、昨年12月ぶりに移動平均を明確に下回っているため、Fearと表示されています。
ただし、ほぼ移動平均と同じ値ですので、特段割安でも割高でもないと解釈できます。


株価の強さ

二つ目は、「株価の強さ」の指標です。


これはニューヨーク証券取引所に上場する企業のうち、52週(約1年)高値をつけた企業と安値をつけた企業の割合で計算しています。
現在は、0%を下回っており安値をつけた企業の方が多いことがわかります。
こちらの指数も昨年以来の低水準となっており、最も悲観的なExtreme Fearとなっています。

この指標は米国株の動きと整合的です。
今年の米国株は上昇してきたイメージがありますが、それはハイテク株の割合が大きいSP500とナスダックに限ります。
ナスダックと比較して伝統企業が多いNYダウについては、年初から上昇が見られません。
一部の企業のおかげで株価指数は上昇していますが、銘柄数ごとに見ると下落している企業の方が多いです。

VIX指数

三つ目は、VIX指数、いわゆる恐怖指数です。
VIX指数の計算方法は割愛しますが、一般的に20を超えると市場の恐怖が大きいとされます。


現在は20を下回る水準が続いており、判定はNeutralです。
こちらは移動平均と同様に、株価が割安であるシグナルは見られません。


オプション取引

四つ目は、少し難易度が高いですが、「オプション取引」による指標です。
オプションはデリバティブ(金融派生商品)の一種で、簡単に言うと、あらかじめ決められた価格で商品を買ったり売ったりできる「権利」を売買しています。
プットオプションは売る権利、コールオプションは買う権利です。

ちなみに現在(2023年10月)は、買う権利に対して売る権利を保有する割合が上昇しており、Extreme Fearとなっています。


売る権利が人気になるということは、投資家が恐怖を感じており、将来大きな下落があるかもしれない状況を表しています。
あらかじめ決められた価格で株式などを売却する権利を持っておけば、大きな下落が来ても損失を小さくできるためです。
オプションの世界では、プットオプションの割合が3月の銀行危機以来の水準まで高まっており、比較的恐怖が大きいことがわかります。

Fear & Greed Indexでは、以上に加えて債券を対象とした指標が3つあり、合計7つの指標で算出されています。

中身を見ると、株式はそれほど割安とは言えない状況ですが、全体としては1年ぶりの恐怖水準です。
ウォーレン・バフェットさんは「周りが貪欲な時は恐る恐る、怖がっているときには貪欲に」と仰っていました。
長期投資家であれば、現在のように悲観ムードが大きいときには、いつもより積極的に投資するチャンスだと思います。


【注意点】

最後に最も重要な注意点です

現在のように恐怖が高まったとしても、すぐに株価が上昇に転じるとは限りません。
株価にはトレンドがあるので、短期的(長くて数ヶ月)には株価の下落が続く可能性はあります。
また、いつ株価が回復するかは誰にもわかりません。
ただ指標を参照することで、現在が割安か割高か、ある程度判断できますし、株価がいずれ適正な価格に落ち着きます。
この前提で長期投資をするならば、今後下落の可能性があったとしても、割安なときに多めに購入するのが投資の本質です。

繰り返しになりますが、株価の底は誰にもわかりません。
昨年末から年初にかけて、大半のプロ投資家や専門家は米国株の下落を予想していました。
しかし、今年前半の米国株は予想外にも上昇を続けました。
一方、好調な米国株を受けて見通しを転換する専門家が増え始めた頃、米国株は下落に転じました。
優秀なアナリストであっても、いつ上昇するか、下落するか、は予測できません。
タイミングよりも、割安か割高か、バリュエーションに注意するべきだと思います。

最後に、今回ご紹介したFear & Greed Indexはあくまで指標の一つであり、万能ではありません。
確かに感情的な側面では1年ぶりの割安局面で、投資を増やす根拠として適切です。
一方、アメリカの金利は更なる上昇を続けていますが、十分に株価に織り込まれているかは疑問です(十分に下がったか、という意味)。
さらに、業績面から見たバリュエーションでは、S&P500のPERは19倍で過去平均を上回っている上、現在の金利水準を踏まえると割安とは言えません。
個人的には、Fear & Greed Indexだけを頼りに大幅に買い増すには根拠が足りないと感じています。
Fear & Greed Indexに加え、金利や業績、その他の指標(PER、イールドスプレッドなど)を参照し、投資判断を行ってください。


最後に

今回は、米国株投資でチェックしたい指標について解説しました。
現在の市場は悲観的か楽観的か、自分の感情との比較としても活用できると思います。
今回もありがとうございました。

参照
https://edition.cnn.com/markets/fear-and-greed

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【免責事項】
このnoteは、有価証券への投資を勧誘することを目的としておらず、また何らかの保証・約束をするものではありません。投資に関する決定は視聴者様ご自身のご判断において行っていただきますようお願い申し上げます。


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