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「楽しさ」共有してますか?Fun/Done/Learn によるふりかえりのすすめ|PROBASE アドベントカレンダー DAY4| スペシャルゲスト金谷直樹

こんにちは! 今日はPROBASEチームのお隣りから、スペシャルゲストとして呼んでいただきました。IT推進室の金谷がお送りします。

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私の所属するチームでは、IT投資の企画推進、情報セキュリティ、業務システムの開発保守、ネットワーク、各種SaaS導入管理、ITヘルプデスク機能、事業に付随して出てくるIT諸課題の解決支援などなど…8名のジュニアからシニアに至る多様なメンバーが様々なミッションを持って日々走っています。

IT推進室のメンバー

そんな、IT推進室に所属するメンバー8名が共通で持っている価値観は「楽しむ」です。
チームビルディングの一環で「ドラッカー風エクササイズ」を行い、「自分が大切に思う価値はどういうものか?」という問いに対して、全員が「楽しむ」という付箋を貼りました。(楽しむ、ともに楽しむ、みんな楽しく など)

事業や会社のITを広く支える過程で、時に折り重なるようにシビアな瞬間が続いたり、難題を前に停滞感を長く味わうこともありますが、常に「楽しむ」ことを忘れないでいたい。そういう仲間が集まっています。

しかし、急成長&急拡大フェーズの真っ只中にある私たちは、組織の成熟よりも業務の拡大が先行し、現実には仕事の属人性もやや高い傾向にあり、「ともに楽しむ」ことは容易ではありません。
「ともに楽しむ」どころか、お互いの仕事の中身を知らず、困っている同僚を助けることも難しい状況になりやすい。それはつまり、チームというより形だけの集団となってしまいます。組織マネジメントを担う私として望む姿ではありません。チームメンバーも、相互作用が少なく寄り合いとしてのチームなら、長く居てはくれないでしょう。

「楽しむ」ことをともに共有しながら相互理解を深め、刺激し合い、徐々に連携度合いを高めていく。それを実現する手段として、「Fun/Done/Learn」によるふりかえりを実施しているよ!ということを今日はご紹介いたします。

Fun/Done/Learnとは?

私たちのFun/Done/Learn

「Fun/Done/Learn」を初めて聞いたよという方は、私の説明よりも最初に提唱されたやっとむ(@yattom)さんのQiita記事「ファン・ダン・ラーン(FDL)ふりかえりボード」をぜひご覧頂きたいところですが、私たちのチームも元記事の手法をベースにしつつ、多少のアレンジを加えて以下の流れで進めています。(2週間に一度、1〜1.5時間ほどかけて実施)

  1. オンラインホワイトボード「Strap」上に、3つの円を一部重なるように置き、それぞれの円に「Fun」「Done」「Learn」と書いておく

  2. 各自、2週間の出来事をふりかえりながら、書いた付箋を「Fun/Done/Lean」のふさわしいと思える場所に貼っていく。(FunでありLearnであったことは、2つが重なるエリアに)

  3. 出し終わったあとは同僚の貼った付箋を眺め、質問形式で同僚の付箋の内容を聞いていき、相互理解を深めていく。

  4. ざっと一巡したのちに、今回はどういう2週間であったかを総括する(Fun寄りだった?Done寄りだった?など)

  5. 次の2週間で改善できそうな話題を探し、あれば改善アクションとして定義する。最後に感想をそれぞれ交わして、その場はおしまい。

こんなイメージ

「Fun」「Done」「Learn」の定義はあえて厳密な定義はしていません。その分、「Doneってなんだ?」、「なにがFunと言えるんだ?」とその時のチームの暗黙的な感覚を言葉に例える会話も時折生まれます。

翌日以降、朝会や定例MTGなどでふりかえりボードを眺め直し、改善機会を促しつつ、2週間後のふりかえり開始時に、改善アクションに対する検証を行います。(改善できたかどうか、阻害要因は何であったか、継続するかどうかなど)

KPTやYWTを経てFDLへ 

Fun/Done/Learn に行き着く前は、KPT(Keep/Problem/Try)であったり、YWT(やったこと・わかったこと・次にやること)、タイムラインによるふりかえりなどを試行してきました。(今でも、気分転換や新たな発見を狙ってKPTに立ち返るときもあります)

でも、Fun/Done/Learnは、「楽しい」が共有しやすいという一点で私たちの価値観に見事にハマるのです。どこか疲労感や悶々とした出来事が続いたなと感じる2週間だったとしても、「Fun」なことがなかったか?と頭の中を巡らせてみると、「あの出来事はFunであったと言えるな」や「あそこにはLearnの要素があったな」と忘れかけていた視点を思い出しますし、同僚の「Fun」を聞けることは素直に気持ちが上向きます。チームに定着してくると、日常的にも「Fun/Done/Learn」が思考の習慣として溶け込んでくることを私たちは経験しています。(個人的には経験をタグ付ける感覚に近いです)

無人島に一つだけふりかえり手法を持っていって良いと言われたら、私たちのチームはきっと「Fun/Done/Learn」を選ぶことでしょう。(どんな状況でしょうね)

ひと目でわかるチームのコンディション

毎回、付箋が貼られるエリアには偏りが生まれます。それによって、チームのコンディションや悩みが見えることも多く、その分かりやすい例をいくつか挙げておきましょう。

要注意①:付箋がDoneに偏ってるとき。やりきった2週間だったな、でも...正直ちょっと疲れてるかも

こんな2週間だと、付箋がDoneに偏りがち
・大きめのリリースを行い、予想外の不具合も多少ありつつどうにか一山乗り越えた。
・突発的なトラブルシューティングが続き、事象を解決することに追われてしまった...
・目の前の開発タスクを終わらせることだけに集中し、新たな取り組みなどは殆ど後回しにしてしまった...

こうなったら、次の2週間はどうする?どうしたい?
・一旦、後回しにしたことを改めて調べる時間を作り、ドキュメントとしてアウトプットする
・いま押さえておきたいテーマについて学び、定例ミーティングのLT枠で発表する
・休みを積極的に取る!

多くのDone(Deliver)があったことを讃えつつ、次の2週間はリフレッシュや気分転換を意識した方がバランス良いかなと思います。

要注意②:FunやLearnはしっかりあるが、Doneが少ないとき

こんな2週間だと、付箋がFunとLearnに偏りがち
・やることはやっているのだが、、成果を味わえるようなものが少なかった。
・思った以上にある調べごとに没頭しすぎてしまった。
・タスクの切り方が大きすぎて、2週間で完了したものが少なかった。

こうなったら、次の2週間はどうする?どうしたい?
・タスクの切り方を見直す。(タスクの完了の定義や目的・効果などをより言葉や数字で明瞭にする)
・偏った時間の使い方に陥らないよう、自身で時間的なキャップを設けてみる。
・タスクの見積り力を上げるため、過去のチケットを例に見積りと実績のギャップを話し合う。

ここまで要注意ケースを2つ挙げましたが、では、「これは良い傾向かも?」と思えるふりかえり会はどんな状況でしょうか? それは言うまでもなくですが、Fun、Done、Learn が適度に分散しつつ、付箋がたくさんある状態だと「良いね!」と思えます。
とくに複数要素が重なる中央エリアが多いと、さらに良い調子に思え、次回もこんな2週間を継続したいねと話します。

楽しさを共有した先にあるものは?

サーキュレーションの初代ベストチーム賞を受賞したPROBASEチームは、隣りで見ていても一体感溢れる「いいチーム」であり、さらにこれから「強いチーム」となり、よりプロダクトの成果や事業成長を高めていきたいと、事業責任者むーさんは語っています。(相互フィードバックを重ね、各個人が専門性を高めるインプット/アウトプットを徹底できているチームでありたい)

一方、IT推進室の私たちはと言うと…目指すチーム像はまったく同じです!私たちはまだチームビルディングの真っ只中で、まずは「いいチーム」をつくる過程にあります。
現状は属人性が高く、専門的なテーマやスキルを求めるタスクが、それぞれチームを成すほどのボリュームではまだない。しかし、全員で相互理解を深め、フィードバックや質問を密に重ねることで確実に良い判断、新たなチャレンジが生まれる状況になってきており、定期的なふりかえりを行う価値をメンバーも感想コメントで残してくれています。
(下の画像は、先日、チームに新たなプロ人材が加わり、新体制で行った初回ふりかえり時の感想コメントの抜粋です)

今後、社内のエンジニアリング組織であるPROBASEチームとIT推進室が、
それぞれのチームで体得したことを循環していけると、さらに理想のチームに近づいていくことと思い、今日は私たちのチーム模様を紹介させて頂きました!

両チームで知のめぐりをよくしていきたいです!
最後までお読みいただき有難うございました。
次回PROBASEチーム、CSのこばちゃんこと小林さんです!
お楽しみに。