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《メカorクオーツ》腕時計の基礎知識

こんにちは!シチズン時計 採用担当の梅山です。

皆さんが日常的に身に着け、生活に密接に関わる腕時計。しかし、その技術や専門用語について詳しく知っているという方は、案外少ないのではないでしょうか。

この記事では、そんな腕時計の基礎知識について解説いたします。

メカ or クオーツ

機械式ムーブメント(駆動装置)

今回ご紹介したいのが、腕時計の“動く仕組み”について。時計の心臓ともいえる駆動装置は、大きく分けると「機械式」「クオーツ式」の2種類に分類されます。

まず一つ目が「機械式」。これはゼンマイを巻き上げた際、ほどける力を使って動く時計のことで、通称「メカ時計」とも呼ばれます。時計の起源は、この機械式です。

機械式時計を使い続けるには、ゼンマイの巻き上げ作業と定期的なメンテナンスが必要なため、少し手間がかかります。しかし、そうやって手をかけて使い続ける点や、複雑な機構の美しさなどが、時計ファンからの根強い支持に繋がり、スイス製のいわゆる高級時計のほとんどがこの機械式時計となっています。

ではもう一つの「クオーツ式」とは?クオーツ(水晶)時計は、簡単にいうと電気回路で動く時計のことを指します。現在のオーソドックスな腕時計の大多数を占め、機械式よりも正確な時を刻むだけでなく、面倒なメンテナンスも少なくて済む、という利点があります。

ちなみに両者を見分ける方法は簡単です!時計の秒針に注目してください。秒針が一秒ごとに止まって動いてを繰り返していたら、クオーツ式。流れるように連続して動いていたら機械式。皆さんの時計はどちらでしたか?

《時計の歴史》クオーツショック

クオーツ式ムーブメント(駆動装置)

ここからは時計の歴史を交えながら、詳しくお話していきます。

1500年代にゼンマイで動く時計が誕生して以来、機械式が時計界の常識でした。しかし1969年に業界に衝撃を与える大事件が起きます…!

それは、クオーツ時計の誕生です。機械式時計が平均的に日差±10秒(1日に10秒ずれる)というのが当たり前であったのに対し、クオーツ時計はなんと月差±15秒(月に15秒ずれる)という高い精度を実現したのです。

更にゼンマイを巻く手間もなくなり、一度電池を入れれば放っておいても一年以上動き続けるなど、当時の時計の常識を覆す衝撃的なものでした。結果、クオーツ時計はあっという間に市場を席巻。機械式時計の製造を主としていた多くのスイスメーカーが倒産したり、吸収されたりと大打撃を与えることになりました。

この出来事は通称「クオーツショック」と呼ばれています。では、その時当社がどのような状況だったかといいますと、シチズン時計はこれからクオーツ時計の時代が来ることをいち早く察知し、開発・生産をクオーツ時計に一斉にシフトしていきました。その結果、全く様相が変わってしまった時計業界において、クオーツ時計の良さを生かした新たな機能を次々と打ち出し、その地位を強固なものにしてきたのです。

《時計の歴史》メカの復活

内部のムーブメントが見えるよう裏側が透明になっているシースルーバック

クオーツショックの後、しばらく苦難の道を歩んでいた機械式時計ですが、1990年代から復活の兆しを見せるようになります。

クオーツが当たり前となった世の中で、電池を使わずにゼンマイの動力と歯車の大小だけで動く機械式時計が、工芸品として、また時を楽しむツールとして再び評価され始めたからです。その証拠に、時計の世界的な展示会では様々なメーカーが趣向を凝らした複雑時計を発表しています。

一方のクオーツ時計もそれに負けることなく、光発電機能による電池交換不要の時計や、人工衛星から位置情報を受信して自動的に時刻とカレンダーを修正してくれる時計などが発表されています。また近年は、最先端の技術が搭載されたスマートウオッチが次々と開発されるなど、時計の可能性は広がり続けています。

あなたは時計に“実用性”を求めますか?それとも“ロマン”を求めますか?

Caliber0200

Caliber0200(キャリバー0200)が搭載された、The CITIZEN(ザ・シチズン)

ここまでご紹介してきた「機械式」と「クオーツ式」について、シチズン時計では、現在もそのどちらについても日々追及と挑戦を行っております。

2021年には約11年ぶりに、「Caliber0200(キャリバー0200)」という新型機械式ムーブメント搭載の時計を発表しました。
シチズングループ傘下のムーブメントメーカー、スイスのラ・ジュー・ペレ社との協業により製作されたこの機械は、平均日差−3〜+5秒(1日に3~5秒ずれる)という高い精度を達成したと共に、力強さとシャープさを併せ持つ前衛的なフォルムなど、豊かな審美性も実現しました。

おわりに

いかがでしたでしょうか。
皆さんが腕時計を購入される際の参考にもしてみてくださいね ♪

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