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【デザインの役割】問題解決か価値創出か

デザイナーの役割とは

インハウスのプロダクトデザイナーは、昔から家電や精密機器の見た目を美しくするという役割を担ってきました。
現在の自分の仕事もまさに昔からの工業デザイナーという感じです。

しかし、現代に求められているデザインの役割は見た目をキレイにすることにとどまらず、新たな価値を生み出すことだと思っているし、大学でもそう教わってきました。

日本のメーカーで良い例を挙げるなら、やはりバルミューダでしょう。バルミューダの製品は、代表でありデザイナーでもある寺尾玄さんや、最近だとクリエイティブチームのメンバーが作りたいと思ったものを生み出していると、HPやインタビュー等に記載されています。(実際にはとてつもない苦労や努力があるでしょう)
簡単に言えば、従来の企業のように顧客分析やニーズ抽出を行ってそこに対して問題解決を行うのではなく、ユーザがまだ気づいていない価値を生み出しているとも言えます。


人は自分が欲しいものが分からない

かつて自動車を開発した方が、「人々に欲しいものを聞いたとしたら、彼らはもっと速い馬が欲しい、と答えただろう。」と言っていたという話がありますが、これがとても本質を突いた言葉だと思っています。

例えばスマートフォンで言えば、毎年発表される製品は、「画面が大きくなりました!」「処理速度が2倍です!」「カメラの画質が向上しました!」「バッテリーが増えました!」などなど、もとのスペックが従来機種や他社機種より優れていることを売りにしますが、その結果、無駄にサイズが大きくなったり、カメラがやたらと飛び出していたり、オーバースペックになって価格が高くなったりします。

ある程度まで性能が向上して、問題が解決されると、一部のユーザを除き、人々はそれ以上の性能を求めなくなります。

今、人々が求めるもの

ここ十数年ほどで、あらゆる便利なものが生まれ、むしろ便利すぎるくらいになった現代では、何が求められるのでしょうか。

少なくとも、BtoCの製品サービスにおいては、問題解決ではなく、新たな価値創出が求められていると思います。

ただ、同時に未知のものは簡単に受け入れられないというのも事実だと思います。経済状況や、タイミング、トレンド、カルチャーなど、あらゆることが絡み合ってそれが完全にマッチした時に、革新的なものが生まれるのかもしれません。

続きはまた今後の記事で書いていきたいです。



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