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災害と公務員

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記事一覧

公務員と災害 vol.1

公務員と災害 vol.1

”災害”と対面した新潟県中越沖地震

僕と災害の関わりが始まったのは、今から15年前の2007年7月に発生した新潟県中越沖地震。新潟県では、更に3年遡る2004年に最大震度7を記録した中越地震が発生していて、多くの方がその記憶の新しい内に被災するという短い間隔での地震でした。

2007年の中越沖地震では、母方の祖父母が暮らす柏崎市に大きな被害が出たので、大学生(≒ヒマ)だった花岡少年は一人旅つい

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公務員と災害 vol.2

公務員と災害 vol.2

これが首都直下地震か、と本気で思った

2011年3月11日
この日を、僕は杉並区のシステム課で迎えました。

テーマとは全く関係のないことだけど、この日は2011年4月1日の人事異動の内示が予定されていて、システム課は1年で最も戦々恐々とする日です。
(今は違うかもしれないけれど)システム課では、内示が出た直後に人事課から渡される人事異動のデータを元に、庁内の各システムに異動を反映させるためのデ

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公務員と災害 vol.3

公務員と災害 vol.3

初めての「災害時の公務員」

「首都直下地震が来てしまった」と思った後のことはあまり鮮明に覚えているわけではないけれど、区役所のシステムのお世話に忙殺され、震源が東北であることを知って驚愕し、計画停電の報道に慌て、異動内示を出す・出さないで翻弄され、多くの帰宅困難者対応にあたり、一息ついたのは2日後くらいだったと思います。

当時は実家暮らしで、母親も家にいましたがほぼ連絡せず、家がどうなったかも

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公務員と災害 vol.4

公務員と災害 vol.4

公務員も「市民」であり「被災者」である

僕が南相馬市を訪れるまでもなく、当然のことですが、災害(特に地震や水害)は広範囲の人々に分け隔てなくダメージを与えます。
それこそ職業にも左右されず、否応なく。

震災当日から僕が初めて南三陸町へボランティアに訪れるまで、少なくとも半年は経っています。杉並で数日間役所に缶詰になるのとは比較にならないほど長く続く災害対応というものを目の当たりにして、公務員と

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公務員と災害 vol.5

公務員と災害 vol.5

令和元年度東日本台風から3年

日本各地で甚大な被害が出た令和元年度東日本台風(2019年10月)から3年が経ちました。南相馬市でも市内で大きな被害が出て、夜通し市役所に詰め、情報収集や被害状況確認を行ったことを覚えています。

この災害対応においては、南相馬市で1名の若い同僚が命を落としてしまいました。市にとっての損失は勿論ですが、何よりご遺族の方の想いは計り知れません。
昨日、市でも黙祷が捧げ

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