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〈87〉親になるということは②

他人のことばかりに目を向けず、自分は如何ほどの親なんだということも記しておこうと思います。


筆者は子どもを産んだその時に、テレビや雑誌で見るような感動なんてものは全く無く、「産んでしまった」と思いました。

家族計画はあったものの、自分自身子どもが好きだったわけでもなく、母性看護の講義で人形の赤ちゃんを本気で可愛がる学生達にドン引きし、母性看護の実習で向き合えない、自分の母性の無さに泣いた日々。

そんな自分が子どもを産んだ。引き返せない。この子が大人になり自立するまで育てる重責が自分にあるんだと思って恐ろしかったです。

産後うつにもなりかけたし、育児書片手に頑張りすぎた。

20代半ばで親になったけれど、子どもが子どもを産んだという感覚が数年間抜けませんでした。

子どもの後ろ姿の可愛らしさを見ながら、将来への漠然とした不安に泣きました。

晩婚化、高齢出産も当たり前の時代。周りは一回り歳が上の親ばかり。そんな簡単に親しくなれるもんか。

親しくならねばと強迫観念のようなものにかられると視野が狭くなり、大事なことを見失う。

進学するにつれ、自分の学力や考え方と似たような人と関わることが当たり前だったのが、親になった途端に色んな人間がいる現実をまざまざと見せつけられる。

意地悪に心折れ、苦しかった日々もある。

そんな日々の中で、今いる学童保育の世界の中で、様々な親子とその家庭環境に触れる中で、親になるってどういうことだ?人を育てるって?教育って?モラルって?と考えるようになりました。

きっと一生考え続けるものなのではないでしょうか。

介護される時がきたって、親子って何だろう?と思うのかもしれません。

筆者真面目すぎ。本当生きづらい。


親になると、"自分が育てられたようにしか子どもを育てられない"と"自分がされたようなことは子どもにするまい"というジレンマに陥ります。

そして嫌でも自分の成長過程を振り返るのです。

これが人によっては本当に苦行です。

どうにもならない境遇やどうにもならない環境がある中で、子どもを育てていかなければならない。

これを乗り越えられたら、自分自身を抱き締めて一緒に泣いてあげたいくらい。


親なるって、人間を育てるって、本当に難しい。

産んで終わりじゃない。

子どもの人生と自分の人生と、家族の人生がかかってる。


…こんなことばかり考えるものだから、楽観的だったり放任主義を受け入れにくく、保護者対応に苦労する日々。

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