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『おおらかなまち』

コラム:Clafters 永山樹


はじめての街歩きの参加。
ゆっくり西荻窪を歩くのははじめてなので、街歩きを通して街の空気感を知れたらいいなと思い、全部とはいかないけれど、できるだけいろんな範囲を歩いてみることにした。

まずは、線路の北側を、伏見通りを中心に住宅街に入ってみたりしつつ西のほうへ歩いた。
昔ながらのお店や住宅が多い印象で、地域の人の暮らしの息づかいを感じた。

古いビルが立ち並ぶ通りで、配管がファサードに取りついている建物も多い。きれいに配管が整えられたビルもきれいだけれど、街並みにひと匙を加える配管もかわいらしく、味わい深いと思った。

むき出しの配管
地上から生える配管

伏見通りを歩いていると飲み屋さんでクマとサメが楽しそうにおしゃべりをしていた。お客さんが来る前のブレイクタイムを楽しんでいるのだろうか。

おしゃべりをするクマとサメ

古いクリーニング屋さんの看板にビンがおかれていた。寂しげに立つ姿が健気だった。

看板の上に置かれたビン

このあたりは古い建物と新しい建物が混在しているので、景色が多様で、歩いていて常に新しい発見がある。
カラフルな建物、登ってみたくなる階段…
様々なものが街並みに彩りをあたえていた。

抽象画の様なマンションの風景
登ってみたくなる階段

このあたりでお腹がすいてきたため、お昼を食べるために駅のほうへ戻ることにした。

海のぼんという素敵な日本料理屋さんで海鮮定食を食べた。盛り付けや使っているお皿も彩り豊かで、とても美味しかった。今度は日本酒を飲みに行きたいなと思った。

お腹と心が満たされたところで、今度は北銀座通り周辺を歩いてみた。

昔ながらのブティックや飲食店がおおく、こちらも地域の人の日常を感じるエリアという印象を受けた。

一本住宅街に入ってみたところで、宙に浮いた不思議な階段を見つけた。
色んなことを想像せずにはいられない、余白の感じる光景だった。

バルコニーにぶら下がる階段

街を歩いていると、鏡面張りの仕上げ、ガラス面、カーブミラー、水たまり…など、さまざまな鏡がある。
そこに移る人、風景はその時限りで、見る人、時間によっても見え方は様々である。

八百屋さんの隣にあった鏡には工事現場の仮囲いが映っていた。
数年後に映る景色はきっと全くの別物で、今この瞬間にしか見られないアートだと思った。

建物の立面と道路向かいの景色が並ぶ不思議な光景

今度は線路の南側のエリアを歩いてみることにした。
飲み屋さん、お菓子屋さん、雑貨屋さん、古着やさん…など、新旧問わずさまざまなお店が立ち並んでいる。外から訪れる人も多い、にぎやかなエリアという印象を受けた。

飲み屋さんの通りでは小さい建物が立ち並んでいて、さまざまな個性が街にはみ出していた。
幅の狭いシャッター、道にはみ出す生活用具…
個性がぶつかり合い、共存し、素敵な景色を作り上げていた。

間口のせまいシャッター
暮らしがはみ出る路地裏

東に向けてすこしあるいていると、かわいい立面を発見。
半円と四角と三角。コーンがいい味を出していた。

〇△□

今回の街歩きを通して、西荻窪はおおらかな街という印象を受けた。

小さなお店が多く、ゆったりと時間が流れている街。
そこに住んでいる人も、訪れる人も、心地いい時間を過ごせる街。

またゆっくり訪れたいと思う、素敵なひとときだった。


Center line art festival Tokyo(中央線芸術祭)2023 は「The time to sense.」をテーマとし中央線沿線地域で美術展示やパフォーマンス、ワークショップ、トークイベントなどのプログラムを開催します。
市民生活へと深く浸透する芸術創造の場を創出し、東京中心部における文化圏を西東京地域に緩やかに拡大してゆくためのプラットフォームとして継続することによって、地域コミュニティ、民間を主体とした文化創造を促進してゆくことを目標におきながら、西東京地域から全国に向けた発信を市民とともに行ってゆきます。

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