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整の場所

コラム : ClafT 事務局 山科達生


今回の街歩きの舞台は国立。Clap!では初めての場所です。
空が広く、駅から南に真っすぐ伸びる「大学通り」の風景が綺麗です。国立に来ると「整っている」という印象を受けます。また、子育て環境が良さそうだといつも思います。

大学通りを歩きます。
通りには大きな桜の木が伸び、所々にベンチが有ります。ベンチに座って、木の葉を屋根に一息入れると、気持ちが良さそうです。木陰では、こどもとお母さんがお弁当を食べています。

木の幹は不思議な模様のように、複数の細い幹が取り込まれたかのような表情を見ることができました。

古い建物が並ぶ一面がありました。それぞれの建物も、お店も個性的です。
古着・骨董屋さんや、美容室や、そば屋さんのようです。骨董屋さんは何軒か並んでいます。
そこにある一軒のお店は、ガラス戸に王貞治さんや、長嶋茂雄さんのパネルが掛けられていました。野球好きの私にとってはお宝です。店内に入らせていただくと、昔の野球カードや、写真もありました。沢村栄治さんを発見。
店内は野球のものだけではありません。野球に関する物は一部で、多くは古着が並んでいました。お着物や、生地のような物も。ジーンズもありました。他に気になった商品は、タバコを吸う煙管のセットです。煙管セット一式だったかと思います。ここはとても好きな雰囲気のお店でした。

通り沿いには一橋大学があります。敷地が広く、木々も多く、歴史を感じさせる建物を通りからものぞくことができます。建物のいくつかは、有形文化財に登録されているそうです。大学の横を歩いていると、幾つかの大きな石が。すごい存在感です。これは何だかアートの種のような気がします。石に感じる存在感って何なんでしょうか。大きいから目に留まったのか?それだけではないように思います。

大学通りをしばらく歩いた後、富士見通りに入り散策していると、少し通りを折れた所に一軒の和菓子屋さんを見つけました。水琴窟のような、とても綺麗な音が中から聞こえてきます。
外のガラス面には「麦手餅」と書かれた紙が貼ってあります。農村の麦刈りの季節に、畑仕事の合間に食べられていたものらしいです。はじめて聞いたお餅の名前に興味が沸き、一つ食べてみることにしました。素朴で、強い甘みも無く、美味しかったです。柔らかい食感が印象的です。わらび餅やくず餅の様。麦焦がしが振りかけられているそうで、これも初めて食べたものでしたが、胡麻のような風味でした。農村の風景が思い浮かぶ中で食べる、良い体験になりました。

御菓子調進所 一真菴さん

国立駅の近辺は、大学通りを中心に商店街、住宅街と、雰囲気も含めとても整っているように感じました。次の機会では、矢川駅や谷保駅をこえて、緑地や水田に行こうと思います。


Center line art festival Tokyo(中央線芸術祭)2023 は「The time to sense.」をテーマとし中央線沿線地域で美術展示やパフォーマンス、ワークショップ、トークイベントなどのプログラムを開催します。
市民生活へと深く浸透する芸術創造の場を創出し、東京中心部における文化圏を西東京地域に緩やかに拡大してゆくためのプラットフォームとして継続することによって、地域コミュニティ、民間を主体とした文化創造を促進してゆくことを目標におきながら、西東京地域から全国に向けた発信を市民とともに行ってゆきます。


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