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年末だし、キャブ・キャロウェイのおっさんのスキャットでも聴こうや

もう年末だし、面倒な話はやめよう。
余計な言葉は不要ということで、一緒にスキャット唱法でも聴こうよ!

以前、私の一番好きな映画『ブルース・ブラザーズ』愛も絡め、R&B記事を投稿した。

『R&B聴かない?』

同記事をきっかけに『ブルース・ブラザーズ』をご覧いただいたフォロワーさまもいらっしゃるようで、嬉しい限りである。
私は小学校2年生のときから、本作の信者である。

いつぞや、フォロワーさまから「あの『はりはりほー』のおっさんが最高!」みたいなコメントをいただいた。

映画『ブルース・ブラザーズ』の主人公は、タイトルのとおり、ジェイク・ブルース(Jake Blues)エルウッド・ブルース(Elwood Blues)ブルース・ブラザーズ(The Blues Brothers)である。

作品の中でブルース・ブラザーズがライブ会場になかなか現れず、痺れを切らした観客たちが「早くライブ始めろよ!」みたいに騒ぎ出すシーンがある。

そのときに(作中で)ブルース・ブラザーズの面倒見役であったおっさんが、バンドのメンバーに場繋ぎのために「よし、『ミニー・ザ・ムーチャー』やろう!」と提案する。

『ミニー・ザ・ムーチャー(Minnie the Moocher)』とは曲名であり、実にムードのある味わい深い曲である。

そして、場面がパッ!と変わり、その面倒見役のおっさんが、そのままステージで踊り始め、『ミニー・ザ・ムーチャー(Minnie the Moocher)』を歌い始めるのである。

因みに、このおっさんは『キャブ・キャロウェイ(Cab Calloway)』という人なのだが、皆さま、ご存知だろうか?

この人をどう紹介したらよいのか悩むのだが、まあ歌手であってバンドリーダーであるのだが、踊ったり、コミカルな動きや表情やズート・スーツという奇抜なファッションとかで観客を笑わせるコメディアン的な要素もあり、かと思えば音楽なしの映画とかも出て俳優業もやったりしている総合エンターテイナーである。

系統的に映画『キャノンボール』とかに出てたサミー・デイヴィスJr.とも、ちょっとかぶる?気がするのだが、あの人も歌ったり、ドラム叩いたり、タップダンスしたりするけど(年齢は20歳くらい離れているようだが)。
サミー・デイヴィスJr.も、子供の頃にスキだった『エド・サリバンショー』の再放送で楽器とかダンスとか見て、カッコイイな~と思っていた。

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話をキャブ・キャロウェイに戻すが、この人は『スキャット唱法』を得意としている。

「知ってる? 知ってる?」って連発するとウザがられそうなので……。

『スキャット唱法』とは、ジャズとかで聴いたことがあるかもしれないが、「シャバダバ  シャバダバ~♪」とか「ドゥビドゥビ  ディドゥッドゥ~♫」みたいな「歌詞とも呼べない、意味のない音」を組み合わせ、メロディーに乗せてアドリブで歌うといった歌唱法である。

略して『スキャット』とか呼ばれたりもするが、とりあえず、「はりはりほー」『ミニー・ザ・ムーチャー(Minnie the Moocher)』オフィシャルの音源を貼るので、聴いていただきたい。

サビの部分で、ちょっとスキャットっぽく歌っている。
1番と2番はキャブ・キャロウェイが普通に「はりはりほー」やってる訳だが、3番で少しテンポアップしてオモローな展開になり、恐らく「クスッ」としてしまうので、聴いてみてほしい。

『Minnie the Moocher)』 by Cab Calloway

楽しんでいただけただろうか?
この「意味のない訳の分かんない音の組み合わせ」だけど、「すごくメロディーとリズムに嵌まっててクール!」というのが、キャブ・キャロウェイのスキャットの魅力である。

因みに、私が10代の頃にビッグ・ジャズバンドで演奏していた楽器はテナー・サックスなのだが、この『ミニー・ザ・ムーチャー(Minnie the Moocher)』に限って言えば、アラン・ルービン(Alan Rubin)のミュートのトランペットが最高にカッコいいと思う。

最後の『Poor Min'~♪ Poor Min'~♫ Poor Min'~♫』とかも大好きである。

youtubeにキャブ・キャロウェイオフィシャルのチャンネルがあるようだ。

キャブ・キャロウェイは、そのまま『ハイデホー・マン(Hi De Ho Man)』とか呼ばれてたりして^^; これまたまんまの『Hi De Ho Man』という曲があるので貼る。

『Hi De Ho Man』 by Cab Calloway

まあ、やってることは、ほぼ同じである^^;

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そう言えば、スキャットと言えば、『スキャットマン・ジョン(Scatman John)』という人がいて、私が10代の頃に日本でも少し流行った。
この人の方が知ってるという人が多いかもしれない。

この人も名前の通り「スキャット」をやっている訳だが、子供の頃から吃音症に悩まされていたことが、彼のスキャット唱法の背景にあるらしい。

恐縮ながら、このスキャットマン・ジョンのほうは、あまり聴いたことないのだが、多くの人が聴いたことのある『ビ~バッバ  バドッポッ♪』の人である。

オフィシャルの音源を貼る。

『Scatman (ski-ba-bop-ba-dop-bop)』 by Scatman John

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因みに、「スキャットと言えば?」で、キャブ・キャロウェイのほかに出て来るのは、サッチモこと『ルイ・アームストロング(Louis Armstrong)』という人もいるかもしれない。

ただ私の中では、断然『エラ・フィッツジェラルド(Ella Jane Fitzgerald)』である。

この姐さんも説明の必要ないかもしれないが、ビリー・ホリデイ(Billie Holiday)、サラ・ヴォーン(Sarah Vaughan)と並ぶ20世紀のレジェンド女性ジャズシンガーである。

エラ姐さんもかなりスキャットを得意としており、この人も結構笑かしてくる^^;
ほぼ丸ごとスキャットみたいな曲もあるが、ちょっとした理由もあり、私のスキな『How High the Moon』のオフィシャル音源を貼る。

テンポアップして体を激しく揺らされ始めるのが「1:05」あたりからで、スキャットが始まるのは「1:35」あたりからである。

『How High the Moon』 by Ella Jane Fitzgerald

さあ、『How High the Moon』を貼ったら、これも貼らなきゃならない。

私と同じ『バード(Bird)』ピヲピヲ🐦ことチャーリー・パーカー(Charlie Parker)の『Ornithology』(鳥類学 ^^;🐦)である。

私のために作られた曲である。嘘だが。

チャリパクではない!
「チャーリー・パーカー♪  見付けたよ~♪  僕を~忘れたかな~♫」のチャーリー・パーカーである!
みんなチャーリー・パーカーが大好きなのだ!

話が逸れるが、チャーリー・パーカー"Now's the time"という「ダーガダーガダー♫」とちょっと「ダサカッコいい曲」があり、ビッグバンドにいたときメンバーの間で、色んな曲のアドリブにこの"Now's the time"のテーマを当てるという遊びをしたことがある^^;

『Ornithology』のほうが『How High the Moon』という既存曲のコードに異なるメロディーを当てて、ジャズの替え歌的なコントラファクトとして作られた曲であり、聴いていただければ分かるが、一部サビの部分が同じメロディーなので聴き比べて楽しんでいただきたい。

『Ornithology』 by Charlie Parker

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冒頭の『ブルース・ブラザーズ』繋がりで、エルウッド・ブルース(Elwood Blues)のスキャット的な『ラバー・ビスケット(Rubber Biscuit)』も貼っておく。

「ハバババ  ショバババ!」な曲であるので、一度聴くと耳に残る。

エルウッド……というか、ダン・エイクロイドって何か色々と器用な人というイメージである(ちょっとタモさんぽい?^^;)

エルウッドもあまり歌わないが、たまにこの曲とか『ローハイド』とか、素敵なことをやってくれる。

『Rubber Biscuit』 by The Blues Brothers

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アル・ジャロウ(Al Jarreau)が亡くなったとき、ショックだった。

この人を知ったのは、中学生のときに音楽の授業で初めて観た"We are the World"のLPだった。

"We are the World" 歌ってるときはさほど響かなかったのだが、合間にハリー・べラフォンテ(Harry Belafonte)にみんなでバナナ・ボート(Day-O  The Banana Boat Song)歌ってるときに、この人が途中でリードしてて「おっ!ちょっとカッコいいかも🦆」とか思ったのである。

そして、何年か経って、アル・ジャロウがエルトン・ジョン(Elton John)の"Your Song"歌ってて、それでまた響かなくて^^; っていう……。

ただ、後からこの人は凄い!面白い!と知ったのである。

この人をスキャットと言ってしまっていいものか、たまに楽器化しているのだが、下のライブとか面白い。
最初、「ん? どうした? この人、大丈夫か?」となるのだが、最終的に「すげ~!」となる。

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スキャットの名人たち、何も意味のあるメッセージを発していないのに、こんなに繋ぐって凄いね。
もう言葉なんて要らないの? なんて思いつつも色々と書いてしまった。

(完)

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