第1回 [54字の宴] ~肝試し~ エントリー作
先日告知したとおり、本日は「54字の宴」に招待されている。
お題は「肝試し」。
本日、主催者から私宛てに連絡が来た。
宴の会場に行く前に、私自身が1人で「肝試し」をしなければならないとのこと。
薄気味悪い森の奥にある「お寺」の壁に括り付けられた「お札」を取ってこなければ、宴の会場に入れないとの話であった。
、、、というわけで、今ちょうど、いわくつきの森に来たところなのだが、想像していたよりも随分と恐ろし気な場所だな。。。
「ハミングバードさん?」
うわっ! ビックリした。
(振り返ると長身で青白い顔をした美女が立っていた)
「先日の宴の告知記事を読みました。今からこの森の奥にあるお寺に1人で行かれるのですね?ハミングさん、、、肝試しには「行き」と「帰り」があるのをご存じですか?そして、それはハミングさんが無事に帰って来ることができればという条件付きであることも。。。」
「はぁー、、、あのー、失礼ですが?」
「私のことは『アヒル口の麗子』とでも呼んでください。」
「何か聞いたことのある名前ですね。。。アヒル口の麗子さん、あなたは何か恐ろし気なことを言ったような気がするのですが。。。」
「この森の霊力をとても強く感じます。ハミングさんとフォロワーさんに、もしものことがなきよう、お守りとして私が作成した『肝試し54字』(10作)をお渡しします」
「アヒル口の麗子さんも54字を作成されたのですか? あの、、、私も自分で10作用意したのですが、、、」
「『行き』は、私の10作を道に撒きながら、お寺を目指してください。ハミングさんを守ってくれる筈。『帰り』は、、、ハミングさん自身の『54字』(10作)で戻って来る必要がありますが。。。」
「わ、わかりました。。。計20作ということは、道中長いですね。。。本記事をお読みの皆さんには、いっそのこと『行き』は今日読んでいただいて、『帰り』は明日に読んでいただいた方が、、、」
「道の途中でネタが途切れると、、、何が起こるか分かりませんよ。。。お気を付けて。。。」
「、、、」
それでは皆さんも私の無事を祈りつつ、「往路(10作)」と「復路(10作)」の「肝試し 54字物語」をお楽しみいただきたい。。。
(往路)- 麗子の「正統派」な10作
おっ! お寺が見えて来たぞ。
ここまでの道中、、、怖かった~。
無事に辿り着けたのは、アヒル口の麗子さんの10作のお陰かな。
さあ、お札を探そう。。。
さあ、お札も見付けたし、入口まで帰ろう。
『帰り』は、私の10作を道にばら撒きながら戻ろうか。
(復路)- ハミングの「トリッキー」な10作
やったー!
ついに達成したぞ~!
出口に戻って来た私を「アヒル口の麗子」が出迎えた。
「ハミングさん。無事に戻って来られたようで、おめでとうございます。」
「いや~、往路はアヒル口の麗子さんのお守りが役に立ちましたよ~」
「それは良かったです。私を生み出してくれたことへのせめてものお礼、、、」
「えっ?何ですか?」
「フフフ、いえ、何でもないわ」
それにしても緊張した~。
人生において、これほど『肝試し』という言葉をあれこれひっくり返した時期もなかったと思う。
本記事の投稿後、親愛なるnoter仲間さんたちの待つ『54字の宴』会場に急ごう。
最後にもう1度、アヒル口の麗子さんにお礼を言おうか。
「アヒル口の麗子さ、、、」
、、、振り返ると、そこには人っ子1人おらず、暗く静かな夜の森が横たわるだけであった。。。
、、、そして注意深く見ると、、、真っ暗闇の中、10メートルほどの多羅葉樹の一番下の枝から少し離れたあたりの空中に、、、顔も体もない「アヒル口」だけが、、、月の薄明りに照らされ、ぷかぷかと浮かんでいた。。。
、、、ぷかぷか、、、ぷかぷか、、、
、、、ぷかぷか、、、ぷかぷか、、、
、、、本記事は『54字の斬り込み隊長』こと櫟茉莉花さんが主宰する「第1回 54字の宴」へのエントリー作品である。。。
、、、ぷかぷか、、、ぷかぷか、、、
、、、最後までお読みいただいた皆さま。
心よりお礼申し上げる。。。
、、、ぷかぷか、、、ぷかぷか、、、
お腹いっぱいで、当分、『肝田飯』は食べられそうにない。。。
、、、ぷかぷか、、、ぷかぷか、、、
、、、ぷかぷか、、、ぷかぷか、、、
ぷか、、、、、、、
(完)
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