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  • ライトノベルの賞に応募する

    ⭐︎現在(27)まで⭐︎ ライトノベルの賞に初めて応募する為に書いています。 ラノベの定義もわからず、小学校高学年から若い層に向けたもの、という事なので、主人公を小学五年生の男の子に設定しました。長い文章を書くのはモチベの維持が必要不可欠ですが、1人で戦っていると、今自分がどこに立っているかわからなくなる瞬間があります。そこで、公開する事でハート古事記をしてモチベの維持に役立てたいと思っています。章の最後まで読めたよ、という心優しき方はハードル低めにハート押していただけたら、幸いです。 (1)から、読んでいただけると嬉しいです。コメントも嬉しいです。 コメント残すの恥ずかしいよ、という方は「sederi@eripo.net」まで、一言でもください。「続き読みたいから早く書けよ」の一言で一万字くらいは走れます! メンタル豆腐以下なので意地悪しないでください🥲 ゴールが見えてきた。頑張る。

最近の記事

ライトノベルの賞に応募する(27)

一覧はこちら↓  午後は高瀬さんに誘われて、アニーのDVDを見た。かなり古そうな映像だった。僕と同じ11歳の女の子、赤毛のもしゃもしゃ頭のアニーが主人公だった。アニーは幼い頃に孤児院の前に捨てられて、そこで育つ。大金持ちの丸坊主頭のウォーバックスさんに拾われて、現実の両親を高額な懸賞金をかけて大騒ぎで探すけど、孤児院のオトナたちはアニーの両親がすでにこの世に居ないことを知っていた。アニーが持つ唯一の両親の証拠、ロケットのハートのペンダントの片割れも持っていた。ウォーバックス

    • ライトノベルの賞に応募する(26)

      一覧はこちら↓  食堂に入ると配膳はもう済んでいた。僕は昨日と同じ席に着く。パラパラと人が増え、いただきますの号令と一緒に食べ始める。いつものように早々に食事を終え、手持無沙汰にしていた。話しかけられてもあんまり具体的なことは言わなかった。食べながらおしゃべりをする口元を見るのが嫌なのだ。とりあえず口の中のもの飲み込んでから話してくれ。そう思ってしまう。  朝食の下膳が終ると、朝の会が始まった。学校とさほど違いはなかった。一日の予定の確認と、事務連絡事項の共有。今日は土曜日

      • ライトノベルの賞に応募する(25)

        一覧はこちら↓  お風呂を上がってから、洗面所でドライヤーで頭を乾かしていると、後ろから、 「お前、男のくせに、ドライヤーすんの?」  と、声を掛けられた。大富豪のメンバーの一人だった。 「だっせー。」  僕は固まってしまった。そういえばお風呂から大富豪に戻って来たメンバーは、みんな髪が濡れたままだった。  男がドライヤーを使うのは、ダサいのか?   今まで考えもしなかった疑問が、僕の中に残る。確かに僕も短髪だし、ドライヤーしなくても困ることはないかもしれない。でも習慣とし

        • ライトノベルの賞に応募する(24)

          一覧はこちら↓  夕食の後、自由時間ということだったが、何をしていいかわからなかった。勉強道具はないし、ピアノを弾くのも目立ってしまう。外に出てはいけないと言われたからサッカーをするわけにもいかない。お風呂も一人で入るように指定された。8時15分から30分まで。着替えを入れてわずか15分。食事を作ることも、あと片付けをすることも、洗濯することもない。手持無沙汰だった。家に居れば今頃家じゅうを回って、何かをしている頃だ。 「うるせー!」 「馬鹿!」 「死ね!」  そういう単語

        ライトノベルの賞に応募する(27)

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        • ライトノベルの賞に応募する
          27本

        記事

          ライトノベルの賞に応募する(23)

          一覧はこちら↓   僕と成田さんが部屋を出ると、掃除の時間はもう終わっていた。庭でスポーツをする時間ということなので、入って来た入口とは違う、庭への出口へ靴を持って移動し、そこから外に出た。自由に玄関から一人で出かけることもいけないことだと言われた。僕の安全を守るためということらしいが、入って来た時には感じなかった玄関の扉が、ずっと重そうに見えた。僕の後ろで「ガチャッ」と大きな音を立てていたのを思い出す。行きは何とか帰りは恐い…。そんな歌を昔聞いたような気がする。玄関の扉っ

          ライトノベルの賞に応募する(23)

          ライトノベルの賞に応募する(22)

          一覧はこちら↓  お昼は、カレーとサラダとフルーツポンチだった。すでに机に配膳が済んでいて、僕は何もすることがなかった。指定されたのは、ミワとかなり離れた席だった。僕の背中側にミワが居て、食事中ミワの様子を伺い知ることはできなかった。なぜミワから離されるのかわからなかったし、心配だったけれど、ミワは食事は自分でもできる。給食のような雰囲気で、おかわりをしていいとのことだったので、僕は少しおかわりをさせてもらった。最初に配膳された量では、僕には足らなかった。僕と同じ席に着いた

          ライトノベルの賞に応募する(22)

          だすか?

          これ出すか。 これまで書いたの、複数応募可なら、アップしてあるのにタグつけたらええだけやん。賞金少しだけど、協賛がすごいから、ええなあ。

          だすか?

          ライトノベルの賞に応募する(21)

          一覧はこちら↓ 目が覚めた時、僕は混乱した。いつもの風景と違う。最初に浮かんだのは、ここはどこだ? ということだった。眠りから意識がはっきりするにつれて、昨日の記憶が蘇って来た。そうだ、僕は警察から、なんだかよくわからないところに連れて来られて、一晩寝た。ミワは? 最初に思い浮かんだのはミワの事だった。起き上がって隣のベッドを見る。ミワが居ない。僕は焦った。枕元に昨日僕が着ていた衣類が畳まれて置いてある。柔軟剤の匂いがした。僕はとりあえず、パジャマからその服に着替えることに

          ライトノベルの賞に応募する(21)

          ライトノベルの賞に応募する(20)

          一覧はこちら↓  3人にお風呂に入るように促された。使った食器を洗おうとしたら、それも止められた。「明日から一緒にしましょう。今日はもう夜遅いから、こっちで洗って置く」と言われた。 2階の部屋に戻ると、高梨さんがミワのベットに寄り添うように、床に腰を下ろしていた。 「よく眠ってるよ。」 小さな声でそう言った。 「交代するね。」 パジャマと下着とバスタオルを僕に渡し、荒井さんが言った。 高梨さんが「じゃあ、お風呂に行こう。」と立ち上がって、部屋を出たので、後に続いた。お風呂の

          ライトノベルの賞に応募する(20)

          ライトノベルの賞に応募する(19)

          一覧はこちら↓  食事を用意してくれたのは、高瀬さんという人だった。3人は、僕に何かを聞くということもなく、朗らかに会話をしていた。でも僕の食事のスピードに3人とも合わせてくれている。先に食べ終えるということもなく、かといって全く食べないというわけでもない。僕はスープにだけ視線を落としていたが、その和やかな雰囲気に合わせて、次第に顔を上げられるようになった。 高瀬さんが僕に会話を向ける。 「シュウ君、明日の予定分かる? シュウ君は学校と、ミワちゃんは幼稚園だけかな?」 「…

          ライトノベルの賞に応募する(19)

          ライトノベルの賞に応募する(18)

          一覧はこちら💁‍♀️ 着いたのは不思議な建物だった。普通の人が住む家よりはずっと大きく、ビルというには小さい。表札も、なんの看板も立ってなかった。入口の前に、重そうな引く形の門がある。学校の門を小さくしたみたいだった。車に乗せられてどのくらい走っただろう。一時間は経ったんじゃないかと思う。時間の感覚があまりない。イレギュラーなことが起きると、時間はこんな風に過ぎていくのか…。ミワは僕の膝に頭を乗せて寝てしまっていた。 車が停まって、降りるように促される。僕は一旦先に降りて、

          ライトノベルの賞に応募する(18)

          ライトノベルの賞に応募する(17)

          一覧はこちら↓ 警察署に着くと、前の車の後部座席から、3人降りた。警察官に左右を固められ、中心に父親が居た。すごく久しぶりに、父親の顔を見た気がする。僕の記憶の中の父親とは全く変わっていた。まぶたは垂れ下がり、目はほとんど開かれておらず、眼球に力がない。頬はこけ、口周りがだらりと垂れ下がり、口は半開きのままだ。おまけに、ぼさぼさに伸びた髪と眉毛と、無精ひげ。清潔感がない。身長は低くないはずなのに、両脇の警察官よりずっと小さく見える。肩が下がり猫背になって、顔は下を向いている

          ライトノベルの賞に応募する(17)

          ライトノベルの賞に応募する(16)

          一覧はこちら💁‍♀️ 僕たちは三人そろって階段を降りた。父親と取り囲んでいた警察官は居なくなっていて、二人の警官と祖母がリビングに居るだけだった。 「…シュウ…。」 祖母が僕の名前を呼ぶ。 「おばあちゃん…。僕たち二人も一旦警察に行くみたい。必ず戻るから、また会えるから安心して。」 僕は祖母の手を両手で握って、膝をついて祖母に目線を合わせて言った。いつも焦点が合わない祖母と、しっかり目が合った。いつもはどこか常に曇っている感じの祖母の瞳が、しっかり澄んで、涙ぐんでいた。瞳の

          ライトノベルの賞に応募する(16)

          ライトノベルの賞に応募する(15)

          一覧はこちら💁‍♀️ 玄関の鍵は想像通り開いていた。父親の部屋のドアも、祖母の部屋のドアも開けっ放しだ。玄関には溢れんばかりの靴が脱ぎ捨てられている。僕はリビングのドアを開けた。奥には3人の警察官に取り囲まれた父親が床にへたり込んでいる。リビングの椅子には祖母が女性警官を前に座っていた。二階からミワの泣く声がする。部屋の中は何もかもがぐちゃぐちゃだ。 扉を開けた僕に警官が気が付く。父親を囲んでいた警官の一人が僕に向き直っていた。 「息子さんですか?」 「はい。」 「ちょっと

          ライトノベルの賞に応募する(15)

          ライトノベルの賞に応募する(14)

          一覧はこちら💁‍♀️ https://note.com/clean_cosmos816/m/mbd347da48b60  セレクションのことを、どうやって母親に伝えよう。選ばれた嬉しさより、家族の都合をつけるという現実的なことを考えると、帰るのが気が重かった。もう着いてしまう。考え事をしながら自転車を漕いでいると、あっという間に過ぎてしまう。母親にどんなタイミングで、なんと伝えよう。そう考えながら最後の角に差し掛かる。赤いライトが路地から光ってるような気がする。いつもとは

          ライトノベルの賞に応募する(14)

          ライトノベルの賞に応募する(13)

          一覧はこちら💁‍♀️ 「お前、セレクション初めてだっけ?」 タカシが駐輪場で、帰り際に声を掛けてくる。 「…あっああ。ここに入るときに受けて以来だな…。」 「まぁ、そんな気追うことないよ。」 タカシは冬の県選抜のセレクションも受けて、しっかり通っている。 「俺は、今回、お前とで嬉しいよ。今日のゴールだって、俺がしたというより、お前にさせられたって感じだったもんな。」 「…。そうか? タカシが走ったから…。」 「フォワードだったら、誰だって走るよ。でも欲しいところに必ず配球が

          ライトノベルの賞に応募する(13)