RoubaixのLa Piscine(ラ・ピシーヌ美術館)を訪れる-その① 常設展-
フランスのリール美術館の記事で、Lilleの冴えない隣町のRoubaixについて少し触れた。
冴えない町ではあるが、1か所だけ見所がある(それ以外にもあれば、住民には申し訳ないが、何しろ住民の半分以上がアラブ・アフリカ系移民のようで、フランス人は道ではほぼ見かけなかった)。
それがこの、La Piscineだ。
La Piscineは、正式名称をLa Piscine - Musée d'art et d'industrie André Diligent de Roubaixといい、元々プールだった場所を改築した芸術産業博物館である。
※La Piscineの歴史
美術館の展示内容をざっと読んでかいつまんで説明すると、もともとはこの土地で盛んだった織物産業にちなんだ展示を行っており、大戦中の閉鎖明けに産業美術館として再開、そして2001年にRoubaixの美術館の遺産と併せて、オルセー美術館、国立近代美術館、国立現代美術基金といった国立美術館に収蔵されていた重要な作品も受け入れ、現在のラ・ピシーヌとして開館されたそうだ。
もっと細かいところまで知りたい方は、HPに英語の説明があるので、読んでいただければ、と思う。
今回の旅用にリスト化した美術館の中でかなり期待度が高かった場所ゆえ、もしかしたら半日では見終わらないかも、と思い、朝一(といっても開館が11時と遅いので、その前に別の場所も訪れた)に着き、開館を待った。やはり、9時からだと冬の行列はあまりないが、11時には行列ができるようだ。
チケットを購入し、どの言語のパンフレットがよいかを問われたので、フランス語版をもらう。そして、常設展はこちらから、特別展はあちらから、という説明を受け、混む前に美しいプールのステンドグラスを見ねば、と常設展の方へと進む。
ちなみに、年末の特別展はシャガールの「LE CRI DE LIBERTÉ. CHAGALL POLITIQUE(訳: 自由への叫び 政治的シャガール)」というタイトルで行われていた。常設展の中にも細々とフォーカスされた展示があり、シャガールは別枠で語りたいので、La Piscineは2回に分けて掲載したいと思う。
では、写真へ移ろう。
※常設展 1階(世にも美しいステンドグラス)
※常設展 1階(小展示① Fanny Bouyagui)
※常設展 1階(陶器・花瓶・絵画)
サイトも素敵なので、是非ご覧いただきたい。
ちなみに、工房は山間部にあり、交通手段がないので、いつか気力があれば、トレッキングの仲間を誘って、寝袋を背負って行ってみたい。
※常設展 1階(小展示② 「CLAUDE SIMON SUR LA ROUTE DES FLANDRES : PEINTRE ET ÉCRIVAIN」
(訳: クロード・シモン、フランダースへの道:画家と作家)」
Claude Simonはノーベル文学賞作家で、1989年に訪日もしているそうだ。札幌にも訪れ、高校生と対話した、とあるが、私は89年は小学生だったので、北海道にいたが叶わない夢だったらしい🥲
ちなみに、11月1日の祝日に訪れたPrada財団の屏風の展示で、ヴァリエーションに富んだ作品を見たが、私はこのLa Piscineを訪れたことで、Prada財団の展示の見学者に比べて1つ多くの作品を見ることができた。
ここで1階の展示は終了し、2階へ移動しよう。
※常設展 2階
2階は織物産業にまつわる展示のみとなっている。
内容は、昔の生地スワッチやスワッチブック、有名デザイナーの過去のコレクション、衣装に関する絵画、という感じだ。
仕事の一部とも関係あり、慣れ親しんでいる内容なので、冬休みにわざわざ深堀りしたくはなく、ささっと鑑賞した。
1階の常設展側にはレストランも併設されている。
昼時には家族連れで混み合っていたので、興味があったものの独り身としては座り難い雰囲気がありやめたが、お腹が空いたら見学の途中に入れる位置にあるので、写真を1枚載せておこう。
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