シマ子

イタリアに住んで十云年の会社員。某大学の今はなき一文の美術史を氷河期時代に卒業し、日本…

シマ子

イタリアに住んで十云年の会社員。某大学の今はなき一文の美術史を氷河期時代に卒業し、日本で社会人をした後、移住先をフランスかイタリアかで迷い、ミラノに来て今に至る。ヨーロッパ各地の美術館や文化施設訪問、フランス映画、ダンス、北欧の自然が好き。 インスタ:@enaga_shimako

マガジン

最近の記事

夕陽を堪能&連写しに海辺で佇んでいたら、若い女性が2人"Hej"とやってきて、いきなり私の前で脱ぎ始める。えっ、この寒空の下、Tバック?と驚き、暫し動向を観察。どうやらソーシャル用の動画撮影らしい。しかしわざわざこの時期にやらなくても、と思うのは、私がおバンだからでしょうか?

    • 昨日から連休なので、数年ぶりにSwedenを放浪中。4末なのに郊外は雪景色で、ミラノにはない光景。やっぱり、北海道っぽくて好きだな。Lockdown中にレベルアップを断念したSweden語だけれど、耳をそばだてるとたまに何かしらわかって嬉しい。いつか再開する日が来るのだろうか?

      • Fuorisalone-美しい室内装飾-

        先日、年に一度のミラノの一大イベントの一つ、Salone del Mobile (家具の見本市)が行われた。本編の会場とは別に、市内の各地で(ここ2年ほどは市外にも少し移りつつあるが) Fuorisalone というイベントが行われるのだが、早いところでは18時に閉まるので(つまりフルタイムだと平日には行けない場所がたくさんある)、毎日のように会社帰りに1、2件見て回っていた。 週末も、土曜は別の予定があって見られなかったので(去年はちょうど週末にハンガリーへ発ち、平日しか見

        • ウクライナのビジュアルアーティストAljoschaのインスタレーションを鑑賞する

          片頭痛と風邪のひき始めで絶不調のため、薬をしこたま飲んだ金曜の午後、具合が悪いなら即家に帰ればいいものの、芸術鑑賞しないと週末が始まらない、という意地っ張りな性格のシマ子の行く先は、初めて訪れるギャラリーだった。この日のお目当てはウクライナ人のビジュアルアーティストAljoschaのインスタレーション"Mutative Transitions into Organic Utopia"である。 ウクライナ人のアーティストの展示など滅多に見られるものではないし、なんといっても翌週

        夕陽を堪能&連写しに海辺で佇んでいたら、若い女性が2人"Hej"とやってきて、いきなり私の前で脱ぎ始める。えっ、この寒空の下、Tバック?と驚き、暫し動向を観察。どうやらソーシャル用の動画撮影らしい。しかしわざわざこの時期にやらなくても、と思うのは、私がおバンだからでしょうか?

        • 昨日から連休なので、数年ぶりにSwedenを放浪中。4末なのに郊外は雪景色で、ミラノにはない光景。やっぱり、北海道っぽくて好きだな。Lockdown中にレベルアップを断念したSweden語だけれど、耳をそばだてるとたまに何かしらわかって嬉しい。いつか再開する日が来るのだろうか?

        • Fuorisalone-美しい室内装飾-

        • ウクライナのビジュアルアーティストAljoschaのインスタレーションを鑑賞する

        マガジン

        • 学びのある記事
          3本

        記事

          ダンスの先生の話

          先日、ダンスのレッスンが始まる前、久しぶりに先生がおかしな体験談を熱く語っていた。無視しようにも、途中からグフッという笑いを抑えられなくなるくらい、珍妙な話だった。 あまり他人の赤裸々白書をNoteに書きたくはないが、今日の話は、「こんな体験、普通に生きていたらまずしないだろう」という類の、想像をはるかに超えた話だったのと、たまには本気のバカ話もいいかな、ということで、忘れないうちに書き留め(卑猥な表現は避けて)、ある程度時間が経ったので、熱が完全に冷め切らないうちに載せてし

          ダンスの先生の話

          Hidetoshi Nagasawa(長澤英俊) 1969-2018を鑑賞する

          先日、始まったばかりの長澤英俊という彫刻家の展示を見に行った。 このアーティストのことを知ったのは、会社の近所のお気に入りのギャラリーのオーナーとコロナ禍の中盤に知り合い(確かまだ、美術館や映画館に入るのにグリーンパス-ワクチン証明-が必要だった頃だ)、ギャラリーに置いてあった作品集を見せてもらったのがきっかけだ。20代半ばからずっとミラノ(近郊も含む)に住んで活躍され、ミラノで亡くなった方なので、もしかしたら知名度は、日本よりもイタリアの方が高いのかもしれない。 いずれにせ

          Hidetoshi Nagasawa(長澤英俊) 1969-2018を鑑賞する

          ロシア人のアーティスト父子の展示"Piazza senza nome(訳: 無名広場)"を鑑賞する

          先日、閉鎖から2年ぶりに場所を変えて生まれ変わったというギャラリーを訪れた。大元のギャラリーには、恐らく行ったことはないと思う(私には人名や地名、固有名詞等を忘れる兆候が26歳からあり、当時は老化の始まりだったのかもしれないが、今や完全に老化の一環で、忘れたら最後、思い出せないのだ)が、場所も完全に辺境に移ったため、たとえ行ったことがあったとしても、完全に新しいギャラリーとして見ていたと思う。 さて、新生のギャラリーの初の展示は、AlexanderとSasha Brodsky

          ロシア人のアーティスト父子の展示"Piazza senza nome(訳: 無名広場)"を鑑賞する

          Novara城で「Boldini, De Nittis et les italiens de Paris」を鑑賞する

          先日、Piemonte州でもミラノ寄りのNovaraという町にあるCastello di Novara(Novara城)内で行われている「Boldini, De Nittis et les italiens de Paris」を鑑賞しに行った。展示が始まったのが11月で、間もなく終了、という頃、ちょうどミラノでもDe Nittisの展示が始まり、両方見るかどちらかにするかを悩み(チケットがどちらも然程安くはないのと、その間Cézanneまで始まってしまい、フランス人の友達には

          Novara城で「Boldini, De Nittis et les italiens de Paris」を鑑賞する

          Mark Tobeyの"armonie interiori(意訳: 内なる調和)"を鑑賞する

          とある会社帰り、Mark Tobeyというアメリカ人の画家の展示を観に行った。 名前を聞いたこともない画家だが、展示のお知らせの一面を飾っていた作品が、白い半紙にたっぷりの墨でエイヤっと何かを描いたようなタイプのもので、あれっ、アジアっぽい作風なのかな、と興味を持ったのだった。 思っていた通り、アジアの影響を受けているようだ。 それでは、展示案内へ移ろう。 Jackson Pollock、と聞いて、ははぁ、そうか、と漸く作風がつかめた気がした。とはいえ、墨を使いアジア風に

          Mark Tobeyの"armonie interiori(意訳: 内なる調和)"を鑑賞する

          先日投稿した「新版画-日本版画のニューウェーブ-という題の浮世絵の展示を鑑賞する」が、次の2つのページで紹介されました。 ・絵画 記事まとめ https://note.com/note_art/m/m0df25e97bb76 ・美術展 記事まとめ https://note.com/note_art/m/m2baf692f3090 ありがとうございます!

          先日投稿した「新版画-日本版画のニューウェーブ-という題の浮世絵の展示を鑑賞する」が、次の2つのページで紹介されました。 ・絵画 記事まとめ https://note.com/note_art/m/m0df25e97bb76 ・美術展 記事まとめ https://note.com/note_art/m/m2baf692f3090 ありがとうございます!

          花の季節

          春になると決まって、花に囲まれた生活がしたくなる。 数年前まで住んでいた町の中心部の狭い家では、切り花を買って小さなテーブルに飾り、枯れ行くまでの数日間を朝晩眺めていたものだったが、一人で住むには割と広々とした郊外の今の家では、主に多年草の植物を鉢植えで買い、バルコニーで育てるようになった。ただ、大地ではないと育てるのが大変な花は、切り花を買うこともある。 晩秋に生まれた私は、秋冬にはすこぶる体調が良いのだが、春になるとしばしば、本当に微かに、他人に気づかれない程度に、うっ

          花の季節

          本"Émeline nel villaggio dei Giusti"のプレゼンを拝聴する

          先日、私が通うフランス語の学校で、Daniela Palumboというジャーナリストの最新作の小説、「Émeline nel villaggio dei Giusti("正義の村のエメリーヌ"とでも訳そう)のプレゼンがあった。 Daniela Palumboはフランス語は話せないようだが、この小説の舞台となった場所が、Le Chambon-sur-Lignonという、第二次世界大戦の頃にナチスから逃げたユダヤ人のための避難所があったフランスの村で、彼女が執筆するにあたり世話に

          本"Émeline nel villaggio dei Giusti"のプレゼンを拝聴する

          新版画-日本版画のニューウェーブ-という題の浮世絵の展示を鑑賞する

          先日、久しぶりにトリノを訪れた。 真の目的は、年末にLouvre Lensで観て興味を抱いたミイラの棺、及び古代エジプトへの知識を深めるためのエジプト博物館訪問だった。しかし幸か不幸かその10日ほど前に、偶然にもトリノへ行く前日に浮世絵の展示が始まることを知ってしまい、どうしてもそちらに心を奪われ、何とか時間を工面し、巨大なエジプト博物館との梯子に成功した。 真実を語るろうか。。。 エジプト博物館は、海外からの多くの旅行者と小中学生の社会科見学が複数あり、寧ろイタリア人の方

          新版画-日本版画のニューウェーブ-という題の浮世絵の展示を鑑賞する

          欧州最大の美容の展示会へ行った。全体的に韓国の勢いが凄かった。皆一様に艶々の肌をし、同じ顔に見えた。あれはどういう化粧か、と同僚と話し「2-3年ファンデがなくならない私達にはわかるわけない」。。終了。どうも「水光肌」というやつらしい。分かったけど、私は一昨年のファンデで十分だな😂

          欧州最大の美容の展示会へ行った。全体的に韓国の勢いが凄かった。皆一様に艶々の肌をし、同じ顔に見えた。あれはどういう化粧か、と同僚と話し「2-3年ファンデがなくならない私達にはわかるわけない」。。終了。どうも「水光肌」というやつらしい。分かったけど、私は一昨年のファンデで十分だな😂

          Adrian PiperのRace Traitorを鑑賞する

          とある木曜の会社帰り、PAC(Padiglione d'Arte Contemporanea: 現代美術館)で始まって間もないAdrian PiperのRace Traitorを鑑賞した。 Pacの展示は以前1つご紹介しているので、興味のある方は下の記事も参照いただければ、と思う。 イタリアでは基本的には木曜に営業時間を延長している美術館が多い。ただ去年の6月まではずっと、コロナ禍を除いても多分5年以上、木曜の夜にダンスのレッスンがあり、美術館へ行くのは専ら週末で、自分の中

          Adrian PiperのRace Traitorを鑑賞する

          弥生、疼く憂い

          何日にもわたって雨の降りやまない肌寒い日が続いた後、数日、冴えわたるような青空の広がる日が続いたある日のことだった。 昨夏に仕事の食事会で会話をした人と、別件で打ち合わせをする機会があった。関連会社に出入りする人なので、お互いに何年も前から知ってはいるが、特に深く話したことはなかった。 食事会で、その人がかつて私に興味があったことを知った。 私以外、皆お酒が入っていたのと、30~40代が中心で男性の割合が高かったこともあり、夜が更けるに従って女の話になったのだ。ただ、その

          弥生、疼く憂い