Mirko Leuzziの漫画風日記と官能的女性の展示を見る
先日、Mirko Leuzziという若いアーティストの展示を見に行った。
会社から割と近くの、アパートの一角にあるギャラリーで行われていた展示で、訪れた夜はちょうどオーナーが不在で、彼女の父親という初老の男性が対応してくれた。そのため、説明らしき説明は得られなかったが、カラフルで笑える文章がたくさんあり、"型破りで挑発的な個性を持つアーティスト"という紹介がされていたので、少し作品をお見せしようと思う。
作品は、自画像をコミック形式というか日記風に仕立てた色鉛筆で描かれたいわば男性的パートと、大きなキャンバスに描かれた色とりどりの服を着た官能的な女性たちの女性的パートの二つに分かれる。
まずは男性的パート(作者本人)からご紹介しよう。
Lockdown中に独りで呟きながら描いていた感が強い作品だと思う。
言葉遣いが若く、くすっと笑えるのと、実際に私の若い男友達の何人かもこういう話し方をするので、彼らを思い描きながら読むと結構笑えた。
次に女性的パート(官能的な女性像)に移ろう。
彼女たちの衣装や寝具が実に色とりどりで、一様に見開かれた目の白目部分が大きく、不穏な雰囲気を醸し出しているけれど実に官能的だ。
ちなみに、ヴィンテージの布地がアーティストのフェチだそうだ。自分がこだわっているものを敢えて女性たちの身にまとわせ、そこにライオンや虎等の強い動物をモチーフに多用しているところを見ると、彼女たちに誘われたい、もしくは襲われたい願望が強くあるでは、と思われた。
作品をご覧になられて気づかれた方も多くいらっしゃるかもしれないが、自画像シリーズにも女性シリーズにも言えるこのアーティストの作品のポイントは白目にある。絵画でもコミックでも、彼のスタイルの特徴として、白目は意図的に鉛筆で残されている。それにより生み出された「目の暗黙的な深みと無表情さとのコントラストは、人間の経験の複雑さと豊かさを強調している」という一文が、この展示が伝えたい裏の意味なのかな、と想像する。
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