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毒親は変わらない

今回は毒親について書いていこうと思います。

「毒親」という言葉は、1999年に刊行されたスーザン・フォワード著の「毒になる親」という本から生まれました。その後2012年頃からテレビなどで一気に広まりました。

響きが強い分この言葉を使うこと自体に賛否両論はあるかと思います。親を非難したところで憎しみを表現するだけで事態は変わらない、といった専門家の意見もよく聞かれますが、

個人的には「毒親」という言葉の出現によって、それまでは決して非難されるはずのない親という存在に対して、「毒親って言っていいんだ」「親のせいにしていいんだ」救われた方も少なくないのではないかと思います。

救われるまではいかなくとも、親との関係性がどうにもならず袋小路に入ってしまったような方も、ある種納得というか、腑に落ちた部分も少なからずあるかと思うのです。

そんな毒親についてですが、基本的には毒親自身は何をしても「かわらない」と思っています。

特に今の団塊の世代(60-70代)、もう少し下のバブル世代の親たちは、私の周りや患者さん達を見ていると如実にその傾向があると思っています。

その世代の親たちは、戦後の高度経済成長期、バブル時代、つまり日本が一番勢いのあった時代を過ごしているため(成功しているため)、自分たちの価値観が揺るがないのです。

好景気で働き口も多く今のような就職難もほとんどなかったし、発達障害などという概念もなく、そのため自身の子供が発達障害と伝えられても受け入れられない方も多いです。

また団塊の世代の母親たちは、結婚すると(本人が働きたくても)退職して専業主婦になるのが良しとされていた時代でしたから、自身のできなかったことや価値観を子供に押し付ける傾向があります。その執念たるや実際に毒親を持った人にしかわからないものがあります。

「他人と過去は変えられないが、自分と未来は変えられる」、エリック・バーンというカナダの精神科医の有名な言葉ですが、私も好きな言葉で患者さんによってはよくこの言葉を紹介しています。

他人を変えること、ましてや自分の親を(かつては有無を言わさず従わせていた)子供が変えることは難しいと言わざるを得ません。


最後までお読みいただきありがとうございました。

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