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人事コンサルタントのつぶやき#3

「コンサルタントとしての仕事のスタンス」

まだまだ若輩者ではありますが、人事コンサルタントとして仕事に従事してきた私の「仕事のポリシー」について今日は書きたいと思います。


1.”コンサルタントとして会社の永続と発展に貢献すること”


私がコンサルタントを目指すキッカケは私の生い立ちと深く関係していますので、まずはそのあたりを簡単にお話ししたいと思います。

私の父は、会社の経営者でした。そして、私の祖父も地元では有名な企業の役員でした。私の身近に経営者がいる生活をおくってきました。

私が14歳の時、父の会社が倒産しました。そして、父は失踪しました(私が社会人になって再開しましたが、病気ですぐに他界しました。)。また、父の会社の倒産の2年前に、祖父が他界していました。

私は父子家庭であったため、身寄りは祖母のみでした。

父の会社が倒産してからというもの、従業員が未払いの給与を支払ってほしい、借金の取り立て屋が利息と元金を支払えと、毎日のように家に来ていました。

このような来訪者を追い払うのが14歳の私の仕事でした。なんでこんな目に合うのか、そんな思いでいっぱいでした。

この原体験は、私にいろいろなことを教えてくれました。特に思ったのは「会社は潰れる。潰さないのが経営。よい経営をしないと社長も従業員も関係する家族もみな不幸になる。」ということです。

そんなこんなで、私は経営者を支える仕事をしたいという思いで、コンサルタントの道を選びました。

私は経営者ではありませんから、経営者と同じ立場になって考えることはできないと思っています。

ただ、思いは汲み取れると思いますし、孤独に寄り添うことはできると思っています。

会社を潰さないためにも成長、発展は欠くことのできない要件だと思います。それを人事という分野でサポートする。そんな思いで、私は仕事に臨んでいます。

仕事柄、破綻懸念先では従業員の賃金カットをする、退職勧奨のサポートをするということもあります。

ただ、このような仕事は発展的ではないため、あまり好きではありません(コンサルタントとしての緊張感のある仕事の一つではありますが…)。

人事コンサルタントたるもの、社長や従業員を含め幸せになるように、そして会社の業績が上がるように、全力を尽くすことが大切だと思っています。

2.”現場感と数字、科学的な思考をもつこと”

私が会社で師として尊敬するコンサルタントは、必ず現場をみます。「現場を知らずにコンサルするな」とよくこの人には言われました。

クライアントのビジネスモデルを把握し、時系列で財務三表を確認すると、違和感を感じることがあります(このあたりは、複式簿記の知識があることが助けになりました。大学時代、日商簿記2級を取るためにめちゃくちゃ仕分けの問題を解いてました(笑))。

ただ、この違和感が分かること、そして違和感を確かめるには現場経験が欠かせません。

病院お客様を支援する時は、看護師とともに夜勤をしました。
製造業のお客様を支援する時は、製造の現場を体験させてもらいました。
建築業のお客様を支援する時は、建築現場を見学させてもらいました。

こんなことを私はお客様に体験させていただいたのです。ですから、特に入社3年目までは労働時間は週100時間はあったと思います(笑)

ここで「あなたは人事コンサルタントではなのですか?」と質問がされそうですね。私はまごうことなき人事コンサルタントです。

人事というテーマを扱うからこそ、そして人事は数字で判断が難しい分野だからこそ、あえて数字に結び付けられるようになるべきだと思っています。また、そのように上司や先輩に教えてもらいました。

決算書で”人材”に関する項目は給与といった項目でしか、目にすることはありません(最近は人的資本に関する情報開示が進んでいますね。これはイイことだなと思っています)。

また、人事というテーマは感覚的(経験則)だと捉えられがちです。しかしながら、脳科学の分野や組織行動といった分野では統計的な解析もされており、科学的なエビデンスに基づいた話が展開されています。

クライアントの成長、発展に貢献するには、エビデンスに基づいて成功確率の高い提案をすべきだと私は思っています。

だから、この仕事をする限り、勉強はつきものなんだと思います。

3.”クライアントと緊張感のない関係を続けない”


コンサルティングファームに対して、クライアントは必要な時に必要なことをオーダーいただければOKだと私は思っています。

もちろん、継続的な関係を築くことは素晴らしいことだと思っています。私もありがたいことに信頼いただいて、長いお付き合いをしていただいているお客様がいらっしゃいます。

ただ、その関係には緊張感がないといけないと私は思っています。顧問として、継続的なお付き合いをコンサルタントがする場合、どのようなことを目的とし、契約期間中に何を成し遂げることができたのか振り返ることが大切です。

時には経営者に厳しいことを言わねばならないことがありますその時、緊張感のない関係であると、決していい方向にはなりません。

ですから、私は契約更新の日が近づくと今回の仕事の振り返りを社長とひざを突き合わせて話をし、反省するようにしています。

また、毎月の打ち合わせで「今のこの進め方で不安はありませんか?」と社長に聞くようにしています。

以上、3点が私の「仕事のポリシー」です。私は今の会社に入社して、もうすぐ10年目を迎えようとしています。

ちょうどよい節目だと思い、これまでを振り返って、「仕事のポリシー」をまとめさせてもらいました。

私の今があるのは多くの素晴らしい方との出会いがあったからこそなんだなと、この記事を書いていてしみじみと感じました。

#仕事のポリシー

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