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我未だ、伸びしろばかりなれば(F2リーグ第5節・アグレミーナ浜松対ポルセイド浜田)

Honda FCがシーズンオフに突入し、推し活は終了した。だが、私のスポーツ観戦生活は終わらない。そんな訳で、いよいよ浮気という言葉では説明がつかなくなってきたFリーグ・アグレミーナ浜松観戦記第3弾である。第2弾はこちら。

この第2弾で、2点差を追いついての引き分けという結果を見せられた筆者は、いよいよ勝利の美酒を求めて沼へと分け入る決断をしてしまった。判断保留を決め込んでいた12/16(土)に開催されるホーム最終戦を、観戦しに行くと決めてしまったのである。かくて私は、三度浜松アリーナへと足を運んだ。3度目の正直、今度こそ勝利の姿を見届けるために。

ところが。よく考えれば当然の話でもあるのだが。ホーム最終戦というのは、動員や招待も含めて、大いに人が集まるものである。ましてや特定選手――特にアグレミーナ浜松の前身チームからのフランチャイズ・プレイヤーのホーム最終戦ともなれば、そりゃ人の集まりは更に増えるものである。すなわち、筆者もあえなくその流れに飲み込まれてしまった。いや、別に構わないのだけども(沼の淵で深さを確かめてはいるが、地元チームを応援したい気持ちは事実なので)。

そういうわけで、今回の観戦は完全にアグレミーナ浜松サイドでの見届けとなった。いや、別に今までが冷静だったとは言わない。今までもほぼほぼアグレミーナ浜松サイドの人間だった。ただ、今回は3度目の正直を見たいという個人の思いに、場の雰囲気が完全にマッチしてしまった。これについてはガチである。正直な、心根である。ちなみに引退される選手様のお写真がこちら(私のInstagram、失礼します)。

アグレミーナ浜松のファンの皆様方には大変申し訳無いことに、私は当該選手――萩原洪拓選手のことを正直存じ上げていなかった。お許し頂きたい。
だが、それが逆に功を奏したとも、私は自身を弁護したい。なぜなら、今回試合前から特別な動画でアピール等が行われたことにより、顔覚えの悪い傾向がある筆者をもってしても、完全に理解が追いついてしまったからだ。結果、私は試合を追い掛けつつ、萩原選手のお姿も追っ掛けてしまった。
ホームでの最後の戦い――アグレミーナ浜松はアウェイでシーズン最終戦を戦う――で初めてそういうことをやるのもどうかとは思うが、どうか、どうか、観戦3戦目のこの身に免じて、お許し頂きたい限りである。

ともあれ。まずは今回の結果を記そう。3-1の、見事な勝利である。おそらく、アグレミーナ浜松は今回の戦いに燃えていたのだろう。過去一番の気迫を、ひしひしと感じさせられた。試合展開としてはポルセイド浜田のアグレッシブなディフェンスを前に、自軍ゴール前で厳しいオフェンスを強いられることも多かった。得点機会だけを見れば、ポルセイド浜田の方が押していたようにも見えていた。
だが、アグレミーナ浜松は負けなかった。少ない機会を活かし、ゴール前のチャンスボールに、果敢に飛び込んだ。その結果が、見事な3得点である。最終盤こそパワープレーで得点を奪われ、その後もあわやという展開にはなったものの、それ以外は守備の集中力も際立って高く、ゴレイロ――ゴールキーパーを中心によく守っていた。傍目から見る分には、完勝と言っても差し支えないように思えた。3位と最下位の戦いというのを差っ引いても、素晴らしい戦いだったと思う。

そして目で追っ掛けていた萩原選手も随所で試合に出場し、チームに貢献していた。得点こそなかったものの、見る人が見ればきちんと働いていたのだろうと思う。まったくもって、私が素人なのが申し訳ない限りである。ただ、その雄姿だけはこの目に焼き付けたので、それでお許し頂きたい(コイツ、許しばかり乞うてるな)

そんな訳で、試合が終わるとセレモニーが行われた。萩原選手のお言葉もあった。私も今回ばかりはそちらを最後まで見届けた。やはり現実として、プロで何年やっても、フットサルという競技は難しい。そのことを、観ている側としても改めて実感した。
サッカーでもそうなのだが、我々見る側は、文句を言うことが簡単である。シュートにせよパスにせよ、傍目から見ていれば簡単に見えてしまうのだから。
ただ、その「簡単そう」は、積み上げてきた練習の先にあるものなのだ。だから、そのことに対する尊敬を忘れてはならない。改めて、痛感した。

さて、セレモニーが終われば後は終局である。私は今回、恥ずかしながら初めてお見送りの列に並んだ(だって実際おこがましいし……)。すると、真っ先にいらっしゃったのが萩原選手だった。私は素直に観戦歴が短いことを伝えつつ、「お疲れ様でした」と思いを伝えた。そして握手(うん、多分握手だった……と思う)もした。他の選手の方々とも手の平でタッチして、満たされた気分で帰路についた。今回は総じて、満足度の高い試合だった。そんな、率直な感想である。

ともあれ。これによってアグレミーナ浜松の勝利を追う観戦活動は、一応の完結をみたわけである。ただ。私の試合の見方には、追いかけ方には、全般的にまだまだ伸びしろがあることも改めて痛感させられた。フットサルの展開の速さや足技の多さ、サッカーとの違いについても、まだまだ理解不足の点が多過ぎると理解した(そもそも、サッカーについても右に同じだけど。素人の悲しさである)。
そんな訳で、あくまでもHonda FCのにわかファンである事実を遵守しながら、来年も追える範囲でアグレミーナ浜松を追うことができたら良いなと、ささやかながらに思うのでした。

Honda FCのにわかファンがFリーグに浮気してみた話・(ひとまず)

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