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同じポットのお湯を飲む仲になりたい、ような

4月から入社された新人さんが
今もって打ち解けません。

部内で誰かが雑談していても一向に話に入ろうとしないし、途中で敢えて新人さんに質問を投げかけてみても、一言二言話して、すぐに業務に戻られます。

でも別に無視するわけじゃないし、時々は笑うし、受け答えの感じが悪いわけでもありません。
ただ、必要最低限のコミュニケーション以外、徹底的に執り行わない構えっぽいな、という雰囲気を感じるに過ぎないのです。

アットホームを売りにした会社には入社しない。
バーベキュー大会とかが開催されない部署希望。
可能な限り毎日定時で帰りたい。
コロナ禍、飲み会全撤廃されて楽だったな。
会社の人とカラオケとか行きたくないし。

という方向性で会社勤めをしているわたしすら、こんなにも打ち解けないってアリなのか、なるほど!と新人さんの背中を見て学ぶ思いです。
(実際、ちょっと仕草を真似し始めました)

同じ釜の飯を食う仲、なんて言いますが、新人さんは我が社の出入り業者である仕出し弁当屋のお昼ごはんを注文しないばかりか、部署に置いてある電気ポットのお湯も使いません。

ポットには毎朝、所属長が水を入れてくれます。
しばらくしてお湯が湧いたらそれぞれコーヒーとかお茶とかを淹れたり、お昼になったら同じお湯で即席味噌汁や春雨スープやインスタントラーメンを作ったり、します。

そのお湯を、新人さんは一度も使っていません。
わたしの知る限り。

「千と千尋の神隠し」で、そういうのありましたよね。

主人公の千尋が迷い込んだ不思議な世界で、気が付いたら体が半透明になってきてしまって、この世界のものを食べないと消えてしまうんだ!とハクに言われて、なんか木の実みたいなの食べて復活する、というような描写。

新人さんがお湯を使わないのは
「わたしはこの場所に馴染まないよ」
という意志表示なのか。

はたまた、所属長が入れた水と、部署に長年置いてあるポットの管理状態が信用できないのか。

もしくは、体に摂り込むものに人一倍気を遣っていて、産地とかオーガニックとかミネラルとかがちゃんとしてるやつじゃないと口にしないのか。

文字にしてみたら、意気込み的なことではなく、衛生面の懸念か、もしくは健康への取り組み説が強いような気がしてきました。
(馴染んだりするもんかって思ってるの?なんて聞いたら、キョトンとされそう。)

昭和生まれ、平成育ち、高校生のとき同級生に汚ギャルとかいた世代のわたしからすると、新人さんと多少は打ち解けて、同じポットのお湯を飲む仲になりたい…気もしますが、元来人見知り故、このままの方が居心地がよい、気もします。

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