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サン・ジョルジョ・マッジョーレ島

ここ数年、日本から来られた方を案内していると、『ジョジョの奇妙な冒険』の聖地巡礼のためにヴェネツィアを訪れた、という方がいらっしゃいます。
サンマルコ広場の南からラグーナを望むと、サン・ジョルジョ・マッジョーレ島があるのですが、ここは特にボスと戦った場所なんだとか。

この島にあるサン・ジョルジョ・マッジョーレ教会の鐘楼は、遠くから見ると、サンマルコの鐘楼と色合いが似ていて見間違えることがありますが、サンマルコの鐘楼の頭頂部は角錐で高さ97m、サンジョルジョのそれは、円錐で高さは63mです。

987年に、聖ジョルジョに捧げられた教会が建てられます。1443年には、コジモ・ディ・メディチ(1389-1464)が、政敵によりフィレンツェから一時追放されていた時、この教会で逗留しました。そのもてなしを感謝して、図書館を建てています。
その後16世紀から17世紀にかけて、パッラーディオやロンゲーナといった当時の一流建築家が、増築や修復を任されています。

鐘楼は、1442年の嵐で崩落し、再建されましたが、1774年に再び倒壊しています。現在のは、1791年に建替えられたもので、鐘付き部屋の部分にはイストリア産の白い大理石がつかわれています。

1951年には、企業家で郵政大臣もつとめたヴィットリオ・チーニが、この島に文化財団を設立しました。飛行機事故で亡くなった息子を記した、ジョルジョ・チーニ財団は、
文化、歴史、芸術、音楽、演劇、ヴェネツィアの歴史など多岐にわたる活動を支援する拠点となっています。

木製の、鉛と銀でメッキされた、鐘楼のてっぺんの天使の風向計は、1994年の落雷で焼け落ち、その後修復されています。

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