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病院を駆け巡る日々 ◇うつ闘病記 その2◇

それまで数年にわたり睡眠不足気味で、めまいや立ちくらみの症状があった。とはいえ、生活に支障が出るほどではなかったし、40代ともなればこれぐらいは普通のことと軽く考え、放置していた。
それが異変の原因なのだろうか?
一刻も早く治りたくて、あちこちの病院に駆け込む日々が始まった。

◆◆◆

更年期の症状が出始めたのかもしれないと思い、まずは婦人科へ。
ベテランの男性医師が言う。
「いやぁ、まだ更年期じゃないでしょう。次回、血液検査をしましょう」
次回の予約をして、それまで待っている余裕はない。
別の科へ行こうと決めた。

数日後、内科へ。その場で血液検査を受け、特に異常なしと診断された。

だが、具合はどんどん悪くなる。次第に頭が働かなくなってきて不安がつのり、脳神経内科でCTスキャンをとってもらったが、やはり問題なし。

途方に暮れていると、女性向け健康雑誌の更年期障害の特集記事で、ホルモン補充療法(HRT)に関する説明を見つけた。まさに私の症状に当てはまる。
これだ!ついに治療法が見つかった!

今度はかかりつけの婦人科へ向かった。助けてほしい一心で、受付で渡された問診票に、これでもかと症状を書き連ねた。
名前を呼ばれて診察室へ入ると、私の問診票から目を上げた女性医師は困惑したような表情ながらも、はっきりと言った。
「あなたの症状は婦人科系の病気ではないと思います。心療内科に行かれたほうがいいですよ」

◆◆◆

心療内科。
結局それが最後に行きついた科となった。自分でも薄々わかっていながら、認めたくなかったのかもしれない。だがもう躊躇している場合ではなかった。もうろうとした頭で電話をかけ、予約した。  

人生で初めて足を踏み入れた心療内科の待合室には、老若男女、たくさんの人がいた。産後うつだろうか、赤ちゃんを抱っこしている若い女性もいた。この人たちもメンタルの不調・疾患に苦しんでいるのだ。
自分だけではないことに、わずかながら気持ちが落ちついた。

診察室に入り、医師に症状を訴えた。
下された診断は・・・「うつ病、不安障害」
病名がついて、かすかな安堵と絶望の入り混じった複雑な心境だった。

これからすべきことを教えてもらい、メモ帳に書きつけた。

①    最低7時間は寝る。就寝時間と起床時間は毎日同じにする。
②    19時以降はパソコンやスマホは見ない。
③    早朝に運動する。
④    タンパク質を積極的に摂る。特に青魚。
⑤    ナッツ、クルミ、バナナを毎日食べる。
⑥    甘い物やジュースは控える。
⑦    禁酒。

抗うつ剤、睡眠導入剤2種、漢方薬、緊急時の頓服薬としての抗不安薬を処方され、2週間に1度通院することになった。


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