見出し画像

嫌いなアイツ

買い物から帰ると玄関が開いてるのが見えた。
そこに子どもの友だちが二人、わたしを見て声をあげた。


末っ子が蜂に刺された!と。


お風呂場からは末っ子の "痛いよ〜" と泣く声がもれている。


あわてて家の中に入りお風呂場に行くと、次男が末っ子の太ももにシャワーでお湯をかけていた。


"ママ〜痛いよ〜" と泣きじゃくる末っ子の背中をさすりながら、大丈夫だよと声をかけ、ピンセットを持っている次男に確認する。

しっかりピンセットで針は抜いたようだ。

「パパが蜂にさされたらピンセットで針を抜いて、お湯をかけるといいよって、前ボクが刺されたときにいってたから!」


夫に電話確認してみたら、その処置で大丈夫ということだったので、軟膏を塗り絆創膏を貼って様子を見ることにした。

次男はドキドキながら、パパのいってたことを冷静に思い出し対処したのだ。


ほんとスゴイ!

兄に対し尊敬の眼差しで感謝する末っ子を見て安心したのか、わたしに抱きついてきた次男。

「本当は怖かったろうに、よくがんばった!偉かったぞ!」の言葉に次男もホッとした笑顔になった。


わたしも高校生のころ蜂にさされて以来、蜂が嫌いになった。

夫以外全員が蜂にさされたことになる。きっと子どもたちもわたしと同じように、アイツのことが嫌いになるに違いない。


でもね、蜂は攻撃したくてしたわけじゃない。きっと蜂が自分のいのちと引き換えに、ささなきゃならない理由があったはずだ。


そんなの頭ではわかっている。わかっていたとしてもわたしはやっぱりアイツが嫌いなのだ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?