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愛着があり過ぎるRITEWAYのシェファード・アイアンBの再生

2012年にポートランドから帰国して、留学費用で持ってかれてほとんどお金が無かったけど、生活必需品としてクロスバイクだけは買った。その時買ったのが、RITEWAYのシェファード・アイアンB。(残念ながらとっくに生産終了しているのでもう新品では手に入らない)

あまりにも酷使し過ぎて廃車寸前までなってしまっていたけど、執念で再生させたという記録を残しておく。

購入のきっかけ

平塚の競輪場で開催されていた湘南バイシクル・フェスで試乗して、クロスバイクでこんなにカジュアルなのにこんなにスピードが出るのかと感動して、その場でではないけど直ぐ買ったモデル。

細身のクロモリフレームで色もカジュアルでいいし、ブルホーンバーのハンドルもとても機能的で良い形。シフトレバーがフレーム側についているのでハンドル周りがスッキリしてて、当時のロードバイクで使っているようなコンポーネントが採用されているのでスピードも出る。

この自転車のおかげで平塚の実家の不便な環境でも自由に動き回れた。

愛着がある理由

そういえば名前までは付けなかったけど、僕はこの自転車といろんな旅をした。

平塚〜仙台の片道450km、片道3日間の自転車ツーリング

東日本大震災が起こった時、僕はまだアメリカにいた。アメリカではなかなかニュースが流れて来ず、日本の家族とも連絡が取れない状況で、ツイッターの断片的な情報を見てものすごく不安になっていたのを覚えている。

震災の翌年に帰国し、仕事も決まってたけど、被災地をこの目でおきたくて、お金が無かったから自転車で行った。途中、後ろタイヤが4回くらいパンクして道中でチューブを変えたり、土砂降りの雨や強烈な向かい風などにあいながら、苦楽を共にして一気にこの自転車への愛着がわいた。けど、自転車にとっては一気にボロボロにされてありがた迷惑だったかも。。。

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興味のある方は、ツーリングの時系列の記録などが載っている以下のブログ記事を読んでみてください。

400kmに及ぶ神奈川県全域サイクリングツアー

仙台の往復自転車ツーリングで既に引いてると思うけど、翌年の2013年のゴールデンウィークには、自分が生まれ育った神奈川県の全市町村を巡る自転車ツーリングをした。(残念ながら三浦市だけ行けなかった)

ルートはこんな感じ。

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旅の目的は、以下のようだった気がする。
* 自転車に乗りながらソーラー発電実験(自転車の荷台に付けたソーラーパネルでiPhoneのバッテリーを充電させながらGPSや音楽再生機能を使いながら目的地に向かう)
* メディア的な実験(各地域を巡り、現地の人たちと触れ合いながらメディア的な価値のある発信が出来るか?)

初日の成果メモ
・走行距離:約105キロ
・訪れた市町村:平塚市、大磯町、二宮町、小田原市、真鶴町、湯河原町、箱根町
・訪れた主な観光地:小田原城、早川港、名勝三ツ石、湯河原町、芦ノ湖
・到達した標高:1011m
2日目の成果メモ
・走行距離:145kmくらい
・訪れた市町村は:小田原市、南足柄市、山北町、松田町、開成町、大井町、中井町、秦野市、伊勢原市、厚木市、清川村、相模原市、愛川町、大和市
・訪れた主な観光地:南足柄のサイクリングコース、山北町の森林セラピーロード+河村城址公園、開成水辺フォレストスプリングス、宮ヶ瀬湖、泳げ鯉のぼり相模川@高田橋
・渋滞中の車300台以上追い抜けた
3日目の成果メモ
・走行距離:150kmくらい
・訪れた市町村:大和市、綾瀬市、座間市、海老名市、相模原市、川崎市、横浜市、横須賀市、葉山町、逗子市、鎌倉市、藤沢市、茅ヶ崎市、寒川町、平塚市
・訪れた主な観光地:引地川ゆとりの森公園、Vina Walk、厚木基地、座間キャンプ、相模原米軍居住区、多摩川サイクリングコース、横浜ランドマークタワー@みなとみらい、海自横須賀基地、逗子海岸、鶴岡八幡宮、江ノ島
3日間共通の成果
・発生させたCO2:呼吸した分だけ
・乗り物の燃料代:0円(人間の燃料代は普通くらい)
・発生させた電力:iPhoneとデジカメと自転車のライト
・発電した電力:不明(荷台につけたソーラーパネルで発電できた分)
・合法的に音楽を聴きながらサイクリングできた(iphoneをハンドルにくくりつけて、ハンズフリー+イヤーフリーで走行)
・車の旅ではなかなか撮れない写真多数

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熊本地震の時に決行したチャリティ自転車ツーリング

2016年4月に発生した熊本地震の時、いてもたってもいられず、ゴールデンウィークを利用してチャリティ自転車ツーリングを決行した。これは、何だかんだ理由を付けて義援金を追加していくプロジェクトで、台湾の何人かの市長が自分の月給と同額を寄付するというニュースを見て、僕もやってみようと思ったのがきっかけ。

この旅では、自転車で走行して浮いた新幹線代をそのまま寄付するのと、危険はないのに風評被害で観光客が激減していた別府温泉でお金を落として来るのが主な目的だった。自転車の方は、2日で到達した小田原〜京都の区間を皮切りに、走行距離542km、20930円を義援金として寄付して、別府温泉など九州で立ち寄ったところでお金を落としてきた。

(ごめんね、更に酷使してボロボロにしてしまって...)

廃車寸前のシェファード・アイアンBの再生

このボロボロだけど愛着のあり過ぎる自転車をまた乗りたいと思い、いくつかの自転車屋に相談しに行ったんだけど、どこも割りに合わないからという理由で廃車にすることを勧められた。チェーンとクランクのチェーンリングは交換必須だけど、パーツがもう生産されてなくて手に入らないとのこと。手に入るパーツで入れ替えるには、ギヤのコンポーネント全体の交換が必要で、それをやるよりは新しいのを買った方が良いということ。今は11速のコンポーネントが出てるくらいで、9速のパーツがかろうじてあるけど、既に8速のパーツは生産終了してるとのこと。(シェファード・アイアンBは8速)

普通の人だったらここで諦めると思うけど、何故か僕は執念で互換性のある中古パーツをかき集めて、再生プロジェクトを開始した。

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このプロジェクトにかかった費用
* クランク:1200円(中古)
* フロントディレイラー:500円(中古)
* リアディレイラー:600円(中古)
* チェーン:1400円(新品)
* ブレーキシュー:650円x2(新品)
* スプロケット:1200円(中古)
* 取り付け工賃:11000円
* 合計:17,200円

まあまあ高かったけど、新しい自転車を買うよりはずっと安く済んだ。

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パーツの取り付けの時に、油などがへばりついていて右側のクランクがどうやっても外れないというトラブルがあり、それだけは交換出来なかったけど、コンポーネントがほぼ一新されて、昔の快適な走りが戻ってきたような気がする。

もうさすがに今後はパーツが手に入らないだろうから、うまく整備しながら大事に乗り続けようと思う。

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