『錠剤F』井上 荒野
「乙事百合子の出身地」
「ぴぴぴーズ」
「あたらしい日よけ」
「みみず」
「刺繡の本棚」
「墓」
「スミエ」
「ケータリング」
「フリップ猫」
「錠剤F」
10篇収録の独立短編集。
井上ワールド全開。
物語全体から気怠さが漂い、孤独と闇を感じた。
明るさは微塵もない。
心地良さは皆無だが独特な世界観が癖になる。
240頁の中に10篇の物語が収録。
1篇が僅か20数頁の作品であるというのに、冒頭で読み手の心を捉え結末まで目を逸らす事が出来なくなる。
どの短編も秀逸で甲乙付け難いが、衝撃的だったのは「フリップ猫」と「錠剤F」。
闇の深さに慄く。
拙い記事を読んでくださってありがとうございます(*´▽︎`*)