一穂ミチ(2022)『光のとこにいてね』文藝春秋

ある二人の女性の、幼少期、青年期、壮年期それぞれにおける短い出会いと別れを描き出す。記憶に鮮明に残るような、自分にとっての特別な人。そんな存在に巡り合えたことが、日常を華やかに破壊的に変える。

ここまで奇跡的な出会いは無いにしても、現代を生きる私たちにも皆、自分を変える誰かとの物語を持っている。「推し」というものだってそうだろう。個の確立した時代でも、厳かに存在する他者との交わりを大切にしたい。

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