堂場瞬一(2022)『小さき王たち 第二部:泥流』早川書房

早熟の少し浮かれた様相だった日本社会の雰囲気をよく表した描写のなかで、第一部に続いて政治と報道の関係をモチーフに物語は進む。少し創作味が濃いが、断っても断ち切れない人間関係の存在を読者に伝えるには分かりやすい描写でもある。

今作でもパートナーの存在の大きさが際立つ。仕事の展開と並行して、主人公たちのプライベートも進行していく。どんな人間にも公私の両面がある。そんな当たり前の現実が微笑ましくもあり羨ましくもある。

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