狗飼

備忘録とか考えたこととかを垂れ流します

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最近の記事

社会の川に浸かるアキレス

4月1日より、恐るべき社会の川に浸されている 知識、マナー、心構え、マニュアル、早寝早起… 凄まじい「正しさ」の濁流が全身を呑みこむ つい数日前まで、週6でぬくぬく惰眠とバイト先のタダ飯を貪っていた文系学徒には、大変な荒波に感じる それでも、必死にもがき続ければ、いつかは社会が求める「正しい」人材になれるかもしれない ただ、この身体の末端も末端、せめて踵(かかと)くらいには、「正しくなさ」みたいな部分を残しておきたい

    • 冬に在りて夏を想う

      冬に冬の曲を聴くのは言わずもがな素敵なことだが、冬に聴く夏の曲もなかなかどうして魅力的だ 夏になれば、夏の良いところは勿論だが、裏腹に夏の嫌なところをも否応なしに実感させられる 花火、夏祭り、海、汗ばむTシャツ、それらに付随する惚れた腫れた云々… いくら夏の素敵な部分を切り取って、叙情的に歌われたところで、現状の茹だるような暑さは不快だし、汗は臭いし、枕元を飛び回る蚊には、抱いた殺意を行動に移さずにはいられない 曲の中の素敵な夏と、実際の不快さのギャップに違和感が生じて

      • 死神の接吻

        何故だか、僕が気に入ったり関わったりした店は短命に終わることが多い 地元で好きだったラーメン屋は4軒ほど潰れた お好み焼き屋というニッチなジャンルですら、気に入った店が2軒潰れた 高校受験のために通っていた塾は、この前見たら建築事務所になっていた 人生初のアルバイトでは、在籍中に店舗が閉店した 最近まで働いていたカレー屋も、閑古鳥が鳴いていた もう長くは保たないだろう いつか行きたいなーと思っていた、銭湯を改装してカフェにしたという「九条湯カフェ」なる店は、遂に行

        • 死、死、死。 -風竜激辛チャレンジ-

          プロローグ 2月某日 旅先の居酒屋で一人、馬刺しを肴に米焼酎を呷(あお)っていた 直前に温泉に入っており、脱水状態も相まってかなり酔いが回っていた 〆にラーメンでも食べようとゴキゲンにラーメン屋まで街灯の少ない夜道をふらふら歩いていた時のこと、ふとスマホを確認すると、一件の通知が目に留まった 開いてみれば、インスタのDMになにやら画像が送られてきている 激辛チャレンジか〜〜 制限時間内に完食完飲で賞金?! えー行く~~~ 「胃死ぬ笑」だってさ 人間って他人の

        社会の川に浸かるアキレス

          頭上にある星を誰も覚えていない 人はYouTubeばかり見てる

          アルバイトからの帰り路、鼻唄混じりに夜道を流す 暖冬が続いたせいか、2月の本格的な寒さが一層体に堪える さっさと帰って今日上がったYouTube動画を消化したい 目の前で青信号が点滅し、赤色に変わる 嫌がらせのような狙い済ましたタイミングだ うーんもどかしい ペダルから足を下ろし、信号が変わるのを待つ 白い息を吐きながら、ふと天を仰ぐ 明かりの少ない片田舎の冬の空には、星がとっ散らかっていた 「あれがオリオン座か」などと頭の中でのたまうが、 そもそも星座の形

          頭上にある星を誰も覚えていない 人はYouTubeばかり見てる

          ロック・鶏白湯・透明コーラという抵抗の敗北

          「無制限で危険な芸術に理解を示し、あえて居場所を作ってやる。 しかしその目的は、芸術の核である破壊的エネルギーだけを巧妙に取り除くことなのである。芸術に対する社会の詐欺性は、この関係に表れている。」 (品田遊『キリンに雷が落ちてどうする』より) 芸術が生み出されるのに必要不可欠な、 「表現の限界を規定する枠組みを内側から食い破るような破壊的なエネルギー」は、規範を規定する「社会」との相性は本来であれば最悪なハズだ それでも「ロックは危険だ、不良の音楽だ」という言説が過

          ロック・鶏白湯・透明コーラという抵抗の敗北

          CoCo壱サディスティック

          激辛好きは馬鹿? 私は激辛料理が大好きだ この話をすると「『辛さ』は味覚じゃなくて痛覚だから激辛好きなヤツは馬鹿」などと、したり顔で抜かす頓珍ボーイ&ガールがいるが大きな間違いである SMのSにあたる「サディズム」の語源になった、フランスの小説家 マルキ・ド・サドの名言にこんなものがある 「快楽とは苦痛を水で薄めたようなものである」 この言葉、裏を返せば 「苦痛を水で薄めれば快楽のようなものになる」 とも捉えることができるのだ 適量の飲酒は快楽をもたらすが、過度な

          CoCo壱サディスティック

          君たちはそれでも見に行くのか

          はじめに 僕は『天空の城ラピュタ』と『魔女の宅急便』以外のジブリ作品をほぼ見たことがない。 毛嫌いしているわけではないが、ただ何となく見る機会もなくここまで生きてきた。 しかしたまたま『君たちは~』の公開日に片道1時間かかる遠方に10分で終わる野暮用があり、その憂さ晴らしになればと鑑賞を思い立った。 当然ジブリ作品を劇場で鑑賞すること自体初めてだった。 新作予告を眺めながら期待に胸を膨らませていた。 いざ上映である。 …。 …。 「わからん」 …。 「あ、終

          君たちはそれでも見に行くのか