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中国のサイバーセキュリティ事情 - 企業紹介(4)

これまで3回ほど中国サイバーセキュリティ業界の企業紹介をしてきましたが、先日紹介したイベントでスポンサーに名を連ねていた企業の中で、奇安信、深信服、启明星辰などは紹介していましたが、紹介していなかった企業もあるので、今回はそのうちの3社を紹介したいと思います。

安天集团(正式名称:安天科技集团股份有限公司)
同社の本社は中国黒竜江省のハルビン市で、その他北京、武漢、広州にそれぞれ子会社があり、深センと成都には研究センターを持っています。

安天実験室というのがあり、もともとは2000年にこちらからスタートし、法人化したのは2004年で、現在の持ち株会社の形式にしたのは2007年のようです。

同社のビジネスの中心は自社開発した脅威検出のエンジンを100あまりのパートナーに提供するモデルです。

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一方でエンドユーザー向け製品もエンドポイントセキュリティ製品をはじめ手広く提供しています。

また、提供しているのは製品だけでなく、監視サービスや応急対応サービス、運用サービスなども提供しており、中国共産党の全国大会、北京オリンピック、上海万博などでも情報セキュリティに関する運用を担っていたそうです。

天融信科技(正式名称:北京天融信科技有限公司)
同社は1995年に設立され、ファイアーウォールの提供から始まったが、現在は次世代ファイアーウォール、DDoS防御、URLフィルタリング、侵入検知(IDS)など手広く提供している企業です。

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同社はチャネルセールスを基本としており、エンドユーザー(最终客户)への直接的な製品・サービス提供は行っていないようです。

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同社も「阿尔法研究室」という研究室を有しており、セキュリティホールや悪意あるコードなどの研究をしており、CTF(Capture The Flag)への積極関与なども行っているようです。
※ちなみに研究室の名前「阿尔法」はアルファ(α)という意味です。

绿盟科技(正式名称:绿盟科技集团股份有限公司)
同社は2000年4月に設立され、IDS/IPS/ADS、SIES、DLPやIoTセキュリティの製品、サービスを提供しており、上海サミット、APECサミット、世界インターネット大会などに同社のセキュリティ製品やサービスを提供していたようです。

同社も実験室は持っており、「星云」、「格物」「伏影」、「天机」、「天枢」、「天元」、「平行」、「脅威情報」と名付けられた8つの実験室を有しています。

同社は视频中心(日本語訳:動画センター)にて複数の会社、製品・サービス紹介動画を提供しています。

※こちらは同社チームの紹介動画です。

同社はグローバル向けのホームページも用意しているのですが、そちらの情報によると日本にもオフィスがあるようです。

さて、今回も3社ほど紹介し、次回もしくは次々回も3社ずつほど、中国サイバーセキュリティ関連企業の紹介をしようと思っていますが、その次は少し中国を離れ、シンガポールのサイバーセキュリティ事情についても説明したいと思っています。

※中国を中心としたSDGsや再生可能エネルギーについて綴っている姉妹ブログの方もぜひ!

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