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妻/パートナーからのDVを確実に止める、たった一つの方法

妻や彼女からのDVに悩む方に向けて、被害を確実に止めさせる方法について解説します。「子供への悪影響が気になる」「自分の人生を取り戻したい」と悩んでいる男性は、ぜひお読みください。

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女性加害者のための自助グループCo3(シーオースリー)代表・さりたもです。noteでは、暴力に頼らないコミュニケーションを身につける方法や、DV加害者が日々を生きるヒントについて考えています。

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DVを確実に止める方法は、逃げることです

最初にお伝えします。DV加害を止めるために被害者ができることは「逃げること」しかありません。というのも、加害者が変容するためには、加害者自身が「変わらなければ」と思う必要があるからです。

周囲から「変わってほしい」と口で言われただけで変われる人は、残念ながら、この世に一人も存在しません

強い断定の口調で書くのは、ほとんどの被害者の方は「自分のパートナーだけは、言葉で伝えただけで変わってくれるはず」と考えるであろう、と推測するからです。その状態を維持していると、DV被害が深刻になるかもしれません。お子さんがいらっしゃる場合は特に、速やかに逃げる算段を整えてください。

あなたは、次に被害を受けたそのタイミングで、以下のようなアクションを取ってください。

  • 親や共通の友人から、離婚届の承認欄にサインをもらい、相手に渡して別居する

  • 離婚する(恋人、事実婚の場合は別れる)

  • 連絡を断ち、弁護士を通じてコミュニケーションを取るよう伝える

  • 子供を連れて実家に帰り、そのまま少なくとも半年は戻らない

  • 警察に被害届を出す

DV対策に「ソフトランディング」が悪手な理由

関係性は、破壊してください

上記の対策法を読んだ際、被害者の方々の心には、以下のような思いが生まれるかもしれません。

  • 「そこまでオオゴトにしたくない」

  • 「関係性が完全に壊れてしまうのは嫌だ」

  • 「相手を傷つけたくない」

しかし、この行為の目的はまさに「オオゴトにすること」「関係性を完全に破壊すること」です。

ぜひ、関係性を一度壊すためのアクションを取ってください。

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あなたたちの関係性は、歪んだ形で完成形を迎えてしまいました。基盤が歪んでいるので、ここにどのようなオプションを付け足しても、健全な形に変化することはありません。

もしもあなたが、パートナーの方と健全な関係性を作りたい、と思うなら、今の関係性は破壊し、最初から作り直すほかありません。

相手を完璧に打ちのめし、「今のままのあなたとは一緒にいられない」とか「あなたに変わる意思がないなら、あなたとは一生付き合いたくない」というメッセージを突きつける必要があるのです。

ジジババになっても笑顔でいられる二人がいい

もしかすると、被害者の方の中には「そんな解決策は寂しすぎる」と思われた方がいるかもしれません。

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あなたとパートナーの間にはたくさんの思い出、たくさんの愛がありますよね。

二人が出会ったばかりの頃。初めて喧嘩をして夜も眠れなかった日。一緒に生きていこうと決意したとき。二人で遊んだ日。なんでもない日の、どうでもいい会話。しばらくぶりに実家の人間と喋って「パートナーと喋っているときのほうが気楽かもな」なんて思いながら帰路につく日。

なぜDVに耐えてしまうのでしょう。あなたには仕事もあって、友人もゼロ人ではなく、これから恋人を見つけるのだって不可能ではないはずなのに。

たとえばあなたは、もし会社の上司に殴られたら、躊躇なく警察に駆け込んだのではないでしょうか。

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あなたが殴られることを、怒鳴られるのを、スマートフォンを覗き見られるのを、泣き叫ばれるのを許したのは、あなたがパートナーのことを大好きだからではないかと思います。

他でもない「彼女」だから、多少のことなら目をつぶってでも一緒にいたいと思ったのではないでしょうか。

でも、これが一生続くことを考えると、ときどきあなたは、絶望としかいいようのない気持ちに襲われるはずです。

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その絶望に、できれば(余力があるなら)、向き合ってほしいと思っています。もしかしたら、そうやって誠実に、絶望に対して向き合うことが、あなたとパートナーにとっての「一番幸せな結末」につながるのではないでしょうか。

というより、つながってほしいと、私は祈っています。

パートナーの苦しみを、あなたは背負ってあげられません

DV加害者には生い立ちなどに同情すべき点がある人も多いものです。

あなたはもしかすると、彼らが苦しみ、傷つき、もがくさまを見てきたのかもしれません。だからこそ、「一緒に乗り越えてあげたい」と思っている人がいるかもしれません。

もしくは、あなた自身が過去、パートナーに強いトラウマを植え付けてしまったことがあるかもしれません。

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しかし、あなたが加害者に対して「同情する」と伝えることは、DV加害者が、自分の加害行為をどこかで肯定してしまうことにつながるのです。

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「暴力や暴言が出てしまうのは仕方のないことだ」と思ってしまった瞬間、DVは加害者のなかで「止める努力をする必要のないこと」になってしまいます

パートナーがきちんとトラウマを乗り越え、もとの彼女らしい「幸せ」を噛み締めながら生きてほしいとあなたが願うなら、あなたができることは、彼女から徹底的に逃げることなのです。

「ここまでしなくても、まだ耐えられる」と思ったら

もちろん、あなたが「相手にいわゆる"DV"に該当するようなことをされても、そこまで気にならない」と思うなら、相手に変わってもらう必要はありません。逃げる必要もありません。

判断のポイントは、あなた自身が「もう限界が近い」「このままでは自分の人生が台無しになる」「どうにかして相手に変わってほしい」と強く思うかどうかです。

もしくは、もしもお子さんがいらっしゃるなら、あなた自身に限界が訪れていなかったとしても、可及的速やかにパートナーと決別してください。それが「愛のある選択肢」だと私は感じます。

よく取りがちな対処法

もしかするとあなたは、以下のような対処をしてみたことや、パートナーから「こんなふうに対処してほしい」とお願いされたことがあるかもしれません。

  • 女性として優しく接してほしい(ハグしてほしいなど)

  • 思いのたけを全て聞いてほしい

  • 加害者でもあるが、過去のトラウマなどから被害者でもあるため、配慮をしてほしい

  • 被害者側に聞くスキルなどが欠如しているので、傾聴講座などを受講してほしい

  • 自分にも悪いところがなかったか反省してほしい

こういった行動は、全て無意味に終わります。というより、あなたが要求に応えれば応えるほど、DV被害が深刻になる可能性すらありますので、できれば避けてください。「やはり無意味だった」と確認するために実施する、程度がよいと私は考えます。

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DV加害者というのはつまり、自分の考えを伝えたいとき、「暴力的な手段」以外の方法を知らない人、と捉えてみてください。

一般的に、自分の考えを伝えたいときに、人々は「言葉で伝える」といった行動をとりますよね。

あなたのパートナーは不運にも、生育環境などが原因で「言葉で伝えるよりも、暴力や暴言で伝えたほうが良い」と学習してしまったタイプの人間なのです。

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たとえば、手持ちの手札に「暴力」しかないカードゲームを考えてみてください。ほかに手札はありません。山札を引いても「暴力」の札しか出てきません。

どのような努力、知恵、ひらめき、工夫があったとしても、「暴力」以外の手札は切れません。こういう状態の人間に「二人で頑張ろう」といくら言っても、残念ながら、無駄なのです。

だからこそ、加害者本人が、自分の意思で、DV加害を止めるための機関などにアクセスし、暴力以外の手札を手にいれなければいけません。そのときにあなたができることは、残念ながら、ありません。

よりよい未来のためにも、一刻も早く逃げてください

結論を言います。DV被害者の方ができることは「DV加害を一切許さない」ことだけです。

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相手にどのような事情(産後鬱、適応障害、犯罪被害など)があっても、けして許してはいけません。

自分に非があるように思っても、もしくは、周囲から「男らしくない」「心が狭い」などと責められても、許す必要はありません。

強い心で「DVを許容することはできない」「私は健全な関係を築きたい」と伝えましょう。

その決断はいつか、回り回って多くの人を笑顔にさせるだろうと、私は思っています。

コミュニティへの参加やnoteのフォロー、支援をお待ちしています

Co3では、DV加害者女性に特化したオンラインコミュニティを運営予定です。

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