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社会科授業を変える!〜45分に縛られない単元デザイン〜

小学校の授業の多くは、45分で区切られています。そのため、45分という枠の中で、学びを完結させようとする傾向があります。

以前の記事で「変わらない社会科授業」を以下のように示しました。

教師の説明を聞きながら、黒板に書かれたことをノートに写す。提示された資料から、みんなが同じ情報を読み、そこから分かったことや考えたことを発表し合う。発表を聞き、先生がうまく黒板にまとめる。

なぜ、社会科授業は変わらないのか?

教師から与えられたテーマをもとに、教科書やネットから自由に調べる。調べたことをノートにまとめ、発表し合う。発表を聞き、先生が黒板にまとめる。

なぜ、社会科授業は変わらないのか?

いずれも45分の中で学びを完結させようとする授業です。しかし、大事なのは45分で学びを完結させることではありません。短い時間の中に詰め込もうとすると、学びの幅は狭まります。

たとえば、社会科の授業だと、「つかむ7分→調べる15分→話し合う15分→まとめる8分」といった時間配分をよく見ます。(それぞれに前後があります)私は子どもたちの姿から、このような時間配分は窮屈だと感じるようになりました。


単元を構想していくと、単元導入の授業では「つかむ」にかける時間が多いですし、単元終末は「まとめる」にかける時間が増えます。調べ始める段階になると、15分程度の短い時間で調べたり話し合ったりするため、じっくり学ぶことができませんでした。

そのため、私の学級では「もっと調べたい」「もっと話し合いたい」という声がいつも上がっていました。であれば、別に45分の中に窮屈に押し込めなくてもいいのではないかと思います。

実際、ほとんどの時間を調べる(追究する)活動にあてても、単元の見通しをもち、問いやアウトプットを意識していたら平気でやり切ります。むしろ、手際よく調べるという意識から、じっくり考えながら調べようとする意識の子が増えます。

そして、前の時間に十分に調べられていたら、話し合い中心の時間は単なる発表のし合いから、やりとりや質問が生まれる対話、議論へと発展します。私たち教員も同じで、教材研究や授業づくりなど個々で学ぶ際は、じっくり調べるし、考えます。指導案の検討など他者と学びを広げ深める際は、予想以上に時間を要します。

ポイントは単元という括りで授業をつくっているかです。45分の授業しか見えていなかったら、当たり前ですが、バランスを求めた時間配分になってしまいます。そうではなく、単元という大きな括りで考えるからこそ、大胆に振り切ることもできるのです。

次の時間にじっくり話し合うから、今回はじっくり調べる時間にしようというように。そんな悠長にやっていて時間は足りるのかと思われる方もいるかもしれません。

だからこそ、前回の記事にも書いた全部を学ばせなくてはいけないという固定観念を捨てるのです。概念的知識の獲得に向かって、複数のルートから選ばせるのです。ゴールが同じであればルートは多様で構わないし、多様だからこそ学び合う必然性が生まれると考えています。


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