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「キャリア」って?

いきなりですが、「キャリア」という言葉をどのように捉えていますか?

「職業」でしょうか?

それとも「経歴」でしょうか?

はたまた…?

パラレルキャリア?パラレルワーク?


最近だと「パラレルキャリア」という言葉もありますよね。
似た言葉で「パラレルワーク」なんてのもあります。

「パラレルワーク」に関しては、日本語で「複業」と同義として使われることがありますが、似たような用語が多くて困っちゃいますね。

では、「パラレルキャリア」という言葉はどこから生まれたのでしょうか?

一説によれば、経営学者のドラッカーが「明日を支配するもの-21世紀のマネジメント革命」という書籍の中で提示した概念、と言われています。

その書籍では、人間の長寿化に伴い、一生を1つの仕事に従事するという働き方は無理があるとし、第二の人生を設計する必要があることを前提に、それを解決する方法論として3点挙げています。

1点目 「仕事」そのものを変えること。

2点目  篤志家になること。

3点目  パラレルキャリアを築くこと。


具体例てしては、本業はそのまま継続し(雇用形態の変更等を伴い稼働時間を落とすことも含め)、本業の他にもう1つ、非営利組織等で働くことを追加する、といった具合です。

このような人生における「仕事」を踏まえた全体象を「パラレルキャリア」と呼んだようです。

以上を踏まえた上で、「パラレルワーク」という言葉を改めて考えてみれば、「職業はじめ、金銭の有無を問わない広範囲の活動全般のこと」として捉え、「キャリア」を「人間が行う複雑な職業行為を網羅した概念」と捉えると、パラレルワークとして複数の活動に携わることは、「キャリア」という概念に包摂される、とも言えそうだと感じます。


「キャリア」とは?


明確な定義は存在しませんが、少し参考となりそうな「キャリア」の定義をみてみましょう。

「キャリア」とは、一般に「経歴」、「経験」、「発展」、さらには、「関連した職務の連鎖」
等と表現され、時間的持続性ないし継続性を持った概念のこと。

参照:厚生労働省「キャリア形成を支援する労働市場政策研究会-報告書-」


「キャリア」とは、個々人が生涯にわたって遂行する様々な立場や役割の連鎖及びその過程における自己とはたらくこととの関係付けや価値付けの累積のこと。

参照:文部科学省「キャリア教育の推進に関する総合的調査研究協力者会議報告書」


「キャリア」とは、長期的な時間軸の中での個人と仕事の関わりの意味が含まれ、仕事への個人としての関与、表現としての職業及びその他の役割の連続性である。

キャリア理論家 ドナルド・E・スーパー


「キャリア」とは、生涯を通じた人間の生き方、表現である。

エドガー・H・シャイン


「キャリア」をどのように定義するか、という点でいくつか例を挙げましたが、共通している要素を見出せないでしょうか?

それは、つまり、キャリアという概念には、連続した時間軸、職業をはじめとしたあらゆる活動、表現、それらへの個別のセンス・メイキング(意味生成)が包摂されており、日本語一言で代替するのが難しい多様なニュアンスをも含むもの、と言えそうです。

「働く」関連の用語は多く、その定義も概念も、時代の変遷と共に変わってゆくものです。

だから、それと付き合う我々としては、「自分の今働く」は「現在の社会ではたまたまこのような呼称で表現されるらしい」
そのくらいのスタンスでちょうど良いのかもしれません。

「キャリア」とは、そのように広範囲、かつ、時間的な営みをみ含む概念のようですから。


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