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『小さな国王』 作:佐島 りん(2013うまれ)

むかーしむかし、ある東の国でジェームズ という小さな王子様が生まれました。
国王のリチャードと王妃エレノアは大変喜びました 。
ご一家は若い ロイヤルファミリーでした。
国王は『未来の国王はジェームズだ』と毎日言いとても愛しました 。
ですが ジェームズが生まれて3ヶ月の頃 、東の国に北の国がせめてきました。 若くて勇敢だったリチャードは戦争に行くことを決めました。
ですが リチャードはまだジェームス から 『お父さん』と呼ばれたことがありません 。リチャードは『かならず生きて帰ってくる』と エレノアとジェームズに言って戦争に行きました。 ですが リチャードは亡くなり、 最悪なことにショックでショックで何も食べず、王妃エレノアも病気で死んでしまいます。 戦争にやぶれ貧しい国になっていた東の国は、『とりあえず国王を決めよう』と大臣たちの話し合いで決まりました 。
【ミャンマー国のウィン王子 か。いやいや 日本 大国の正義吉様はどうだ? 王子ではないが天皇の弟で頭も良いらしいぞ。いや、 ブラジル 王国のペレ 王子 などは? とてもハンサムですってさ。】

すると、リチャードに一番全力を尽くしていた経済産業大臣、ルミルリエが手をあげました 。
『私の提案 なんですか、ジェームズ王子を国王にするのはどうでしょう?』 『何ですと?ジェームズ王子はまだ1歳2ヶ月半ですぞ?一番年齢小さくても 、フランスのチャールズ 国王 だぞ? 忘れたのか? チャール国王のことを。。。』
『・・・・・』『・・・・・』

数年前、 フランスでは当時11歳だった チャールズ王子はハンヨル王子に変わって国王になりました。まだ幼なかったチャールズ 王子は 経済の事など一切分かりません。適当にあれこれ決めて行ったので、経済はすごいことになりました。 チャールズ国王はあちこちの国からお金を借りなんとかしようと思いましたが、さらに経済は悪くなる一方です。
チャールズ国王はスコットランドのハリー王子に王座を譲りました。 いえ
譲って のではなく、 押しつけたのです。
国民から反感を受けた チャールズは、どこかに消え去ってしまったのです。

『分かっています・・・。 分かっているんですけど 、リチャード様はいつも言っていました!未来の国王はジェイズムだと。私は何としてでもリチャード様のねがいをかなえたいのです。失敗したら責任は私にあります。 どんな処分でも受けましょう。王子様に罪はない ・・・。』
大臣たちはとても悩みました。
1歳に経済ができるだろうか? あの愛くるしい ジェームズ様が、この国の鍵を握っている? いやいや、そんなバカなことはない。
だがしかし・・・、 亡き王リチャード も見込んだお方だ。これは 一度かけてみてはいかが だろう? こう大臣たちの話し合いで決まりました。

『占いにかけてみるぞ』ドゥビルリエは  ジェームズをゆりかごの中で寝かせて、 街で評判が良い、占い師のところに行きました。
占い家の中には、紫色のレースをかぶったおばあさんが 水晶の中をずっと見ていました。
大きく息を吸い 言いました。
『この子を・・・、ジェームス 様を占ってはいかがなものか? ここに1000ダルくありまする。どうか占ってございます 。お願いします 。』
おばあさんは手を前に出して、 首をプルンブルンと振りました。
『私の占いは金じゃないよ。 全く、占いは金って思って欲しくないね 。』
『も、申し訳ありません 。』
ルミルリエは頭を下げました。
『これこれ、 頭を上げてみせろ。赤ん坊を見せておくれ。 どれだい? 未来の国王ってのは?』
『知っておられたのか?』

『知ってるとも。今じゃ 、街中の話題はこれさ。私にもむすめがいてね。 最近は野菜が目が飛び出るほど高い。さっさと国王を決めてくれんかね。
お、可愛い子じゃないか。 さすがエレノア様だね。  美しいや 。
なるほどね。 わかったよ 、あんた。あんたは・・・、 この子は偉大な
国王になる。ちと 甘やかされたせいだろう 。自分勝手なところがあるね。 でもそれは今のうちに直せば大丈夫だろう。 うんうん。 いい子になるね。
おや、まちのむすめに恋することになるってさ 。めでたいね。 
そんで子供も生まれて・・・』

『待て 今言ったことはまことか』
『大きな声で言った あんた、 声が大きいよ。もうちょっと静かにしてくれんかね。ここら辺の人たち、騒音にはうるさくて ・・・。まあ、 私もなんだけどさ。』

『まずはまずは何をすればいいのだ?字か? 文化か?礼儀作法か?』
占い おばあさんがピシッと言った 。
『この子まだ1歳 だろう?そんな子に文を教えるな。 腹立たしい。 まずはイエスとノーだ。言えるように書けるように練習しろ。 それも 世界各国のな。じゃあ おかえり。1000ダルクはもらっていくよ!』

王宮に帰ると、すぐさまダヴェルニェが駆け寄ってきた。
『どうだった? 占いばばあさんの結果はいかがなものか? そんなことより
釣りを返せ 。』

ダヴェルニェとは、ジェームズのおじい様までリチャード様のお兄様と当たる方だ。このことは命よりも大切に考えている。おいが王になるかもと
焦っているのだ。そう 。今後の王はダヴェルニェになるはずだった 。父からお誘いを受けたが 、国王 なんてめんどくさいと お誘いを 断ったのだ。
そして弟のリチャードが王になると国民から ちやほやされるし、美人のエレノアさんとも恋仲になって、なんと腹立たしいやつなんだと 、憎んでいた。 当然 、ジェイムズのことも嫌いでした。
ルミルリエがジェームズが王になればいい という提案をしたので、  ダヴェルニェはただのおじさんになりつつありました。王宮からも追い出されそうです 。
『分かっているのか? 経済大臣。 ジェイムズはまだ1歳なんだ。
リチャードの事もまだ呼んでいなかった。そんなやつに王ができると?
バカバカしい。』
『ガッ!』
「苦しっ・・・』
ルミルリエがダヴェルニェの首をしめました。
『ジェームス様のことを「やつ」よばわりするであるまい・・・。死にあたいするぞ。』
『分かりましたから。首をはなしていただきませんか。ガボッガボッ苦しくて』
『分かった。許してやろう。今からこの王宮をでろ。二度と顔を見せるな。一生』
『分かりました・・・・』ダヴェルニェは去っていった。

『ふぅ。じゃまものが消えたわい。 56歳にとって力仕事は疲れるのぉ。本当にあいつは誰じゃ。関係者以外を入れるなんて、おどろきじゃの。ええと、、、ダヴェルニェは・・・ああ、あった。ニコラス・ダヴェルニェ?・・・まちがいない。住所まで王宮と同じだ。。。。しかもこれ、ロイヤルファミリーリストじゃないか!』

ルミルリエはゆりかごからジェイムズを優しく取り出し、 高い高いをしながら焦った。
『あーどうしよう、ジェイムズ様 〜あなたのおじいさまの首をしめちゃいました 。私はきっと もう無理です。 死刑されます 。 首吊り?
今になって 公開処刑の者たちの気持ちがわかるなんて・・・、
じぃは安楽死がいいです 。お薬飲むだけのやつ。ああ、リチャード様の 身代わり、 天からの贈り物、どうすればいいですか・・・・?』

ルミルリエはわぁわぁと泣いた。すると、ジェイムズが太陽のように笑いながらルミルリエをやさしく見た。
「キャハハ  キャハハ・・・じい。ルミじぃ。キャハハ』

ルミルリエは泣いた。
感激のあまりでが自分の名前を言ってくれて、嬉しくて。 なんて良い子なんだろうと思った 。それを見ていて大臣達もそう思ったのだろう。

『東の国、期待ある国王にかんぱい』というチラシを国にばらまいて、一瞬で国をお祭り騒ぎにさせた。

『ジェイムズ様 、きっとハンサムな方になれるわよね』
『頭も良いらしいぞ 。大臣の名前を覚えるとか。』
『わあ。すごいな あ。今少ししか パンを食べられないから、 ジェームス様が経済を直してくれるといいなあ。 』
『だね、ジェイムズ様は立派な国王に絶対なるよね 。』
『うんうん、なれるなれる』

こうして、ジェイムズは国民の期待を大きく 背負って、明日から 勉強に励むのだった。これが、 エチオピア王国を統一する偉大な国王になるのだった。
これが世界で一番「小さな国王」ジェイムズのお話。

〜終わり〜

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