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野草たちへ寄せる想い

冒頭の写真は、線路端の砂利敷の間からキクイモが一斉に咲いて揺れている様子です。

こんなふうに、コンクリート、砂利敷、石畳などの隙間から、素敵な野草が花を咲かせているのを、あちこちで見つけることができます。

アカバナユウゲショウ

ご近所さんの玄関先の階段のタイルの隙間から芽を出してちょこんと咲いているアカバナユウゲショウには、心を動かされました。

こちらもご近所さんの玄関先です。名前は分かりませんが、キュンとする花です。

スミレの仲間?

都心部でも、麹町の海事ビルの脇道で白いスミレの仲間らしき花が咲いているのを見つけました。

どれも、ほんとうにこんな隙間に…と、思うとなんだかほっこりします。まさにニッチビジネスで花を咲かせるフリーランスのように思えてきます。

ハルジオン

ほかにも、防草シートが被せられているその留め具の隙間から、実に見事な立派なハルジオンの株が出てきて咲き乱れていた場所もありました(笑)…こんな見事なハルジオンは見たことがないくらいです(笑)

いずれも帰化植物で野生化したものなのでしょうが、その生命力には感動すら覚えます。

こういった生命力旺盛な植物のなかには、侵略的外来種に分類されているものもありますけれども、繁殖して何十年か経過すると…実に不思議なんですが自然に減っていくのです。

それに、野草を観察していると、同じ地面を一定期間ずつレンタルしているかのようです。

線路のすぐ脇から頭を出しているツクシ、見えますかー?

春先の線路端では、冬の枯れ野からツクシが頭を出していることに、誰も気づかないうちに、

ツクシが見えなくなるほど、スギナが伸びています

あっという間にスギナの緑の絨毯に、入れ替わり、

スギナの間で、場所を分け合って咲くヒメジョオン

次に気づいたときには、スギナの隙間から、もうヒメジョオンがあちらこちらに首を伸ばしています。

踏切の脇で咲くナガミヒナゲシ

踏切の脇では、ナガミヒナゲシが咲き乱れ、その全盛期を過ぎた頃にはドクダミの花に入れ替わっています。(ドクダミの写真は撮ってないですが…)

そして、一面のスギナの緑は、いつのまにかエノコログサの穂先が揺れる野原に変わっています。

それに、思いのほか早く場所移動をします。

野山を再現した公園の植え込みなどに草花の名前の札がありますが、その名の植物は少しズレたところにあったり、他のところにあったはずの植物にとってかわられていることって、ありませんか?

それは、植物が移動するからなんです。

まるで、大きな組織の職場みたいではないでしょうか?

群落する植物たちがシフト勤務みたいに入れ替わり、配置転換みたいに移動していくさまは、職場の人材の交替勤務や集団異動に見えてきます。

いろいろな植物/人があって、それぞれの植物/人に適した環境があって、それぞれの植物/人によって持っている能力発揮の方法が異なるのですよね〜

同一種だけで構成される土地/職場は、いつの間にか風変わりな能力発揮をする個体/人が出てきたりします。

また、同一種だけで頑張って隆盛を誇っていても、いつかは自然衰退のリズムに入っていきます。

それを、人間社会に当てはめてみてみると、どうでしょうか?

ちょっと、想像してみてください。何か感じることや、何か思い当たるふしが、あるかもしれません…