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長谷川貞夫さん「岡崎式紙テープデータタイプライター装置」

このnoteは長谷川貞夫さんがFacebookに投稿された文章ををまとめたものです。

全く全く偶然に入手出来た、岡崎式紙テープデータタイプライター装置。

1.岡山市に岡山県立盲学校がある。盲学校であるから、亜鉛版による足踏み式点字印刷機があった。この亜鉛版製版機が故障すると、近くにあった日本タイプライター株式会社岡山工場の人に修理を依頼した。
この亜鉛版製版機の修理を担当したのは、発明家の岡崎止郎氏であった。
岡崎氏は、この亜鉛版製版機を紙テープで動かす事を考えた。そうすれば、もし点字の間違いがあっても紙テープの修正で済むと考えた。また、足踏み式を電動にする事にした。
岡崎氏は日本タイプライター株式会社を辞めて、独自に株式会社岡崎事務機研究所を設立した。そして、日本タイプライターから10人くらいの職員を引き抜いて社員にした。

2.岡崎氏は昭和47年の春頃、東京都新宿区にある日本点字図書館の本間一夫先生に、この点字亜鉛版製版機とデータタイプライターを販売しようとした。
ある日、日本点字図書館の本間一夫先生からとにかく岡山県から点字の機械の売り込みが来るので、私に見て欲しいと言う要請があった。
私は非常に関心があるので、喜んで日本点字図書館へ行った。

3.ガチャンと一度だけ大きな音をさせてから、全く動かなかった自動亜鉛製版機。
本間先生と私は期待を持ちながら自動亜鉛製版機の動くのを待った。しかし、題名の通り、大きな音をさせてから何も動かなかった。ただ、点字データタイプライターだけは紙テープで動いた。
私はこの紙テープに点字データを打ち込める点字データタイプライターだけに関心があった。そこで、危険を覚悟でこの点字タイプライターを私の家で使うように注文した。
点字タイプライターは数日して家に届けられた。ただし、付属の紙テープ装置は無かった。
私はこの点字タイプライターと同じキーではあるが、電動で点字が打てるこの装置で点字文を具体的に書き始めた。
ところがである。日本点字図書館で、ガチャンと大きな音を立ててから、全く動かなかった点字製版機のように今度は使い始めて約15分で煙臭くなりタイプライターも全く動かなくなった。

4.やはり私はこの点字データタイプライターを二台購入せざるを得なかった。
私が通常の文字と往復に点字を処理するのには、不完全であれどうしても紙テープに穴を開けたり、穴の開いた紙テープで点字を印刷出来る点字テープライターが欲しかった。
そこで、岡崎氏に点字データタイプライターの2セットを注文した。私が注文したのは、岡崎事務機研究所は必ず倒産すると考えたからである。装置は届いたが、その後岡崎事務機研究所は見事に倒産し、岡崎氏と連絡は全く取れなくなった。
それから私は、この装置が使わないで錆びないように、また使い過ぎて故障しないように、おっかなびっくり機械を観察しながら使った。

5.国会図書館の初めての日本語入力と、かな点字への自動点訳は点字データタイプライター(岡崎式)によった。
話は前後するが、国会図書館での紙テープによる『この文章は....』と田中章夫先生のご協力による、日本語の初めての自動点訳は点字データタイプライター(岡崎式)によるのであった。
岡崎止郎氏の隠れた業績であった。

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