グータラが大好き

僕らは行動力のない二人だ。
僕はそんなだらしない付き合いが好きだよ。
無気力な君は、僕が部屋でだらしなくグータラグータラしてたって何にも言わない、だって君も僕とは別にグータラグータラしてるから。
でも何故か僕は焦ったよ、このだらしなさは僕たちが死んだ時に何が残るんだろうってね。
だから僕は君とピクニックに行きたいんだ。
グータラするのは部屋より外でした方がドラマチックだと思ったから。
僕が提案したんだから僕が準備するよ。
まず、サンドイッチを作るよ、そして二人が寝そべられるようなゴザと、グータラの質を上げられるように、珈琲のセットだって持っていくよ。
僕は追加で本と手帖と鉛筆も持っていく。
彼女も何か準備してる、なかなかでかい物を。
彼女が持っているのはレコードプレーヤーと数枚のレコード。
僕の彼女は洒落てると思った。

次の日の朝、僕たちは身支度を整え、昨日準備したものの確認をして出掛けようとしたけど、このタイミングで雨が勢いよく降り出しちゃって、仕方なく部屋にゴザを敷いて雨だけど窓を開けて僕達は部屋でピクニックをした。

僕は「しんみりしたピクニックになっちゃったね、準備したのも台無しに思えてくるよ」と彼女に言うと彼女は「私たちらしいじゃない、部屋から出るなと言われたんだわ。それに部屋でピクニックなんて初めての事だし、あなたとじゃなかったら出来なかったわ。」と

彼女は考え方まで洒落ていた。

僕たちは冴えないけど、冴えない生活も彼女のお陰で人生を後悔せずに済みそうだ。

サンドイッチとコーヒーがあるから食べよう。 
いつもよりシャキッとした生活を送れたんだ、外でのピクニックは出来なかったけど、僕はなぜだか清々しいよ。

それで、明日はどんな生活を送ろうか

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