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会食恐怖症に怯える…

子供のとき、会食恐怖症だったと思う
飲食店をやっていた両親は
日曜日の夜は外食をするということで合意していたらしい

そういうわけで、小学生のときはよく外食をした
わたしにはそれが恐怖だった
物心ついたときから食が細かった
妹はふくよかであったから
互いに痩せていると太めを強調しあっていたのか
母はときおり、無理にでもわたしにご飯を食べさせようとした
それでも朝はなにも喉を通らず、食べなければ
学校に行かせないと言われて
困り果てて、母が食卓から席を外し
一人になったときに
ご飯を炊飯器に戻したことは今でも覚えている

それでも妹と一緒にお家で食べるご飯はたくさん食べた
食べすぎてお腹いっぱいで、二人で寝転ぶくらい食べた

でもお外でご飯を食べるのは苦手だった
苦しかった
たぶん病弱で、乗り物酔いもするわたしは
すごく生きづらかったんだと思う

それで外でご飯を食べて
気持ち悪くなったり
どうにかなるのではと心配ばかりしていたんだと思う

このご飯が喉を通らないのは
大学生のときもあった

通学のときにどうしてもバスを必要として
電車も普通に使用する日常についていけなくて
わたしは日々、心労が絶えず、ご飯が食べれなくなった

あまり食べないとふらふらするので
いつもウィダーインゼリーを持っていて
食べなさすぎて具合がわるくなりそうなときは
それを口に含んだ

そんなわたしが、最近、雪国にしては暑すぎて
なんだか体調がおかしくなる日々が続いていて
寒気と汗がでて、胃腸がおかしくなったりしていた

GWは休みつつ、外にでて
身体を慣らそうと思った

そんなとき
最近読んだ小説や漫画に会食恐怖症が載っていた
あぁ、あの感覚がする、と前述の記憶がよぎった

それでも負けないと思って
ポップアップのカレー屋さんに行った
店主さんはわたしの顔を覚えていてくれた

わたしが入ったあと、お店は急激に混んだ
雪国、田舎なのにすごくおしゃれで素敵なお店で開かれるポップアップのカレー屋さん

みんな知り合いのようで、なんだかDJブースもできていて、気づくと周りは男性だけになっていた

ん、、と思った
手にしたスプーンがグンニャリする気持ち
あぁ、わたしの心が暑くなった日々と
人が増えた店内と
残したら、いけない、と思う心に負けそうになってる

というか大体負けそうだ
というか、もう負けそう

なんとか、ルーは、ルーとルーのかかったご飯は食べると決めた
手を止めたらダメだと知っていた
何度かグンニャリしそうな気持ちにカツをいれて
食べすすめた

がんばれ、たべれる、ここで負けたら、だめだ、とにかく、お米はなんとか言い訳がたつ、なんとか
そうして、わたしは2種類のカレーを食べ終えた

ご飯もこだわったジャスミンライス、食べ終わって残ったのをみて、店主さんがびっくりしているのが伝わった

慌てて残してしまったことや、ご飯を先に少なめと伝えなかったことを謝った

店主さんは優しかった

とぼとぼ帰り道、公園に寄った

桜が終わった公園は桜よりボリュームのある花が咲いていて、花びらが散っていた

残した罪悪感に苛まれるわたしのそばに
何度もすずめちゃんが近づいてきた

あげるものがないのが申し訳なかった
目の前には水飲み場があって
少し水が残っていた
一羽だけのカラスが、ゆっくり近づいてきて
残った水を飲んだ
少し飲んでから身体を横にして、もう少し飲んだ

負けないと思った
なににかはわからないし、負けないと思うということは
勝ち負けがあって、たぶんそういうことではなくて
人生には正面からぶつかるんじゃなくて
回避したり
過ぎ去るのをまったり
そういう時間が大事というか
やり過ごすのに必要なんだと過去から学んだわたしが言っていた

とりあえず行きつけのカフェに向かった

つまづいても
日々は続いていくから


お力添えありがとうございます。