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読書感想文:女ふたり、暮らしています/キム・ハナ ファン・ソヌ



私は自他共に認める、食わず嫌い、だとおもいます。
何も知らないくせに、なんとなく、みない・きかない・しない、
自分で自分の感性狭めていると分かっててはいつつも、やっぱりだめ。
食べ物に関してはそうでもないのだけど、
特に流行している…はやっているものについて、はほんとうにだめ。
はやっているからという理由で関わらないことも多々。
馬鹿みたいだけど、私ってそういう人間なようです。素直にはやっているものをいいと言えない。
それはきっと、私という人間の根底に、
「私はみんなとは違う!みんないいと思っているものを簡単にいいって、思わないんだから!!!」
みたいな、意地汚い、死ぬほど恥ずかしくてかっこ悪い感情があるからなんだろうと思います。書いてて恥ずかしくなってきたわ。


だから、
この本もよく本屋さんで見かけていたけど、上に書いたような理由で手に取っていなかった。
そもそも韓国の作品に興味がなく、
というより海外の作品に全く興味がなかったのです。
翻訳された文章に違和感を感じることが多かったからかもしれないです。
「まさに・翻訳された・文章です!」
というような本は、中身が面白くてもなんか読む気になれなかった。

この本を手に取ったのは、高校時代の同級生がTwitterにこれをあげていたからで(その子はほとんど喋ったことないくらい全然仲良くはないのだけど)、なぜかそのツイートが目に留まって、しかも本屋に行った時にそれをたまたま思い出した、からなのです。
本との出会いは、まじで一期一会ですな…


いやあ、やられてしまいました。
読んでびっくり。
めちゃくちゃ好きなエッセイ!
私の「好き」がつまってる、そんな本でした。ほんと、好きすぎて、読んでてだれかにこのきゅーーっとした感情を叫びたくなったし、残りページが少なくなるにつれ、もう終わってしまうのかと悲しくなった。ずっとこの物語を読んでいたかった。


韓国でも日本でも、
「結婚して子供を産んで育てる」
ということが「普通」であると、
そうできない人は「普通」ではないと、
いう価値観で世の中が動いているんだと思った。
結婚することがあたかも幸福であることの象徴で、できない人はかわいそうな人、って思っているみたいです。
みんな言葉に出していないけど。
看護師になって、本当に強く思った。
結婚して、それとともに仕事をやめることにたいしてみんなから羨ましがられる職場。
それにのまれている自分。
自分はそうじゃない!と思っていたのに、いつの間にか結婚することが目標になっていた時期もあった。

だから、こういう本を読むと、
原点に帰るし、
めちゃくちゃ勇気づけられるのです。
「おんな二人で暮らす」
ことが、すごく素敵に描かれている(もちろん日々のいざこざもあるようだけど)わけで、「結婚しない」という選択だって、もちろんあるんだと、改めて思わせられるから。
これを読んで、二人をかわいそうだとおもう人がいるんだろうか?もしいるなら、私はその方達とは仲良くできない。
私は、なんてすてきな生活なんだろう、と思います。

別に、結婚したくないとは全く思っていなくて、いや逆に、大好きな人と生活を共にして、子供を産んで、育ててみたいという感情はめちゃめちゃにあります。

ただ、それだけでない、人間、なにをするか選択できるんだと、思ったわけです。(当たり前なんだけど)
ほんと、世の中の空気に流されそうだけど、この本はお守りみたいに自分の手元に置いといて、流されないように踏ん張って、ちゃんと自分でいいと思ったことを選択したいなあ〜って思いました。


?ページ(写真を撮ったのに手元でページ数が隠れて見えない)
料理というのは、単なる家族のための犠牲ではない。相手への愛情と関心を表現する方法であり、自身の能力を発揮する楽しみであり、台所を切り盛りする高度の経営行為であり、無愛想な子供と対話する媒介でもある。

285ページ
日々溜まっていくストレスや緊張、心配事を解消してくれるのは何かものすごいものではなく、他愛ないいたずらやつまらない冗談、くだらない話だ。誰でも、必要な話だけを交わす間柄ではなく、役に立たない、くだらない話をぶちまけ合える相手をひとりぐらいは持っていたいものだ。


韓国の作品はまってしまいそー。

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