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料理の鉄人な嫁様が作る食欲

朝起きるとスパイシーな香りが。
ウキウキして階段を降りると
嫁がフライパンでジュワジュワしていた。

「おはよう。めっちゃいい匂い。何それ?」

「ひっひっひ。当ててごらんよ」

「んー?スパイシーなカレーの匂い?」

「そうそう。昨日買ったひき肉入ってるよ」

「ああ!これはアレだ。ドライカレー?」

「そうだね。キーマカレーのほうが近いかな」

「えっ、キーマカレーって自宅で作れるの?」

「いやあ、もどきだよ。っぽいやつね」

「それにしてもいい匂い・・・何入れたの?」

「ナスと玉ねぎとひき肉とコーンと・・・
それにサテトムとかカレー粉とか色々ね」

「サテトムってなんだっけ?」

「アジアンな調味料?みたいなやつよ」

「すっごい美味そう・・・ごくり」

「まだ味が決まらないんだよねぇ。ぱくり」

「どんな味が足りないの?」

「うーん・・・ニンニクかな。今無いけど」

「じゃあマギーブイヨンは?」

「それはもう入ってる」

「むむ、じゃあ塩コショウ?」

「いや、中濃ソースかな。入れてみる」

「・・・てゆーかさぁ」

「うん?」

「レシピとかないの?今作ってるやつの」

「ないよ。なんか作りたくなってね」

「勘で作ってる?」

「勘で作ってる」

「さすが鉄人・・・」

「ぱくり。うん、うん。いいね。これだよ」

「よく味が分かるなあ。すごいよね」

「いやあ、ちょくちょく味見してるからね」

「ぼくは味見してもさっぱり分からないよ」

「ふむ。ふむ。いい出来だ。完成」

「ところで、なんで朝からキーマカレー?」

「ん?だから作りたくなったから」

「ぼくが今日健康診断の日で
朝食抜きと分かっての狼藉(ろうぜき)かね?」

「ひっひっひ」

「まあ、昼には帰るから。楽しみにしてるよ」

「しばらく置いたほうが美味しくなるから」

「それも期待してる」

その後無事健康診断を終え、即刻戻って食べた
キーマカレーの美味しいこと・・・!
ガパオとキーマが手を取り合ったような神味。
また必殺レシピを作りやがって!

必殺レシピとは私が死ぬほど美味しいと唸る
レシピのことである。

「夜は何食べよっか?」

「ぼくはパスタ系がいいなぁ。パスタ」

「・・・ごはん系にしない?」

「え?いいけど、どうして?」

「実はブリ大根を作りたくなって・・・」

「決定!ブリ大根にしよう!」

「買っておいたブリをそろそろ使いたくて」

「ブリ大根絶対美味いじゃん!決まりだよ!」

「でも大根がないんだよねぇ」

「買いに行こう!そら、出かけるよ!」

「じゃ、しまむら寄ってもいい?」

「もちろんいいよ!ちいかわだろ?」

食欲の秋は素晴らしい。
私たちに行動力を与えてくれる季節だ。
そして嫁ちゃん
いつも美味しい料理をありがとう。


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