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伝え方の話【No.2 緊張】

私たちは緊張します。

誰かと向き合うと緊張するし
大勢と向き合ったらもっと緊張する。

ましてや、大勢の前で話すとなったら
早口で喋ってしまうのが私たちの性質。

しかもこの早口、無意識だからタチが悪い。
喋っている本人は早口なんて自覚ナシです。

さて、どうして早口で喋るのかというと…

とにかく、早く!一刻も早く!終わりたい!
この緊張から早く解放されたい、その一心。

学校のクラス替え直後の自己紹介とか
研修のグループワークの自己紹介とか
緊張してめっちゃ早口の人いますよね。
あれです。

でも、あれが普通です。

「緊張したら早口になるのは普通のこと」
まずはこれを認める必要があります。

・・・

いやいや、待ってくれ。
緊張なんかしないでスラスラ話す人もいるぞ!

たしかに、大勢の前であっても
余裕の表情でスラスラと話せる人はいます。

学校の先生なんてその筆頭ですよね。
生徒の前でビシッと堂々と話します。
(おどおどしてる先生もいますけど)

研修の講師もそうだし、芸能人だってそう。
なんなら自分の友達にもそういう人はいる。

でも、彼らは緊張していないワケじゃない。

彼らも緊張はしています。
ただ、緊張を上手く利用しているだけです。

多くの書籍でも書かれていることですけど
緊張は別に悪いものじゃないんです。
むしろ緊張は私たちの成長に必要なもの。

たとえばフィギュアスケート。
失敗したら全てが終わるという緊張だからこそ
観る人の心をゆさぶる感動的な滑りができます。

学校のテストだってそうです。
限られた時間の中、目の前の答案用紙に向かい
冷静に、正確に、できるだけ早く書き込む行為。

積み重ねた練習の成果を遺憾なく発揮できるのは
そこに緊張状態があるからです。

緊張の特性を正しく理解することで
自分のパフォーマンスを上げることができます。

つまり、私が言いたいのは
緊張って悪いものじゃないんだよ
ということです。

・・・

「緊張は悪い!絶対なくそう!」
「緊張しちゃう自分はダメだ!」
「緊張しないようにがんばる!」

どういうわけか
緊張を悪と思い込んでいる人が一定数います。
そして、緊張してしまう自分はダメな奴とも。
さらに、緊張しないように頑張ろうとします。

その考えに囚われている人は残念ですけど
いつまで経っても緊張から力を得れません。

だって緊張しないなんて不可能だから。

緊張はするもの。
緊張して当たり前。
誰だって緊張はする。

まずはここを認めないことには
人前で楽しく話すことなんてできやしません。

「絶対無理!人前で話すなんて緊張する!」

という言い訳を使い続けることになるからです。

・・・

そんなこと言っても緊張するよ!
人前で恥をかくなんていやだよ!

私たちは失敗することに強い恐怖を感じます。
ましてや大勢の前で失態を犯すなんて怖すぎ。

その気持ちは痛いほどわかります。

私も小学生のころは赤面症で人見知りが酷くて
耳まで赤くなる恥ずかしがり屋でしたから。

大勢の前に立つと視線が怖い。
頭が真っ白になって言葉がうまく出ない。
早く言うこと言って終わりたい!の強い気持ち。

これは言うまでもなく悪い緊張状態。
周りの人の顔なんか見る余裕はありません。
だって怖いもの。すごく怖い。

この状態になってしまうと、気になるのは自分。

「自分、うまく声出せているかな」
「自分、変な顔になってないかな」
「自分、みんなに嫌われないかな」

もう、自分、自分、自分。
自分しか見えない状態です。

こんな状態でスピーチをしたところで
一ミリだって伝わるわけがありません。

つまり、私が言いたいのは
悪い緊張状態のままでは辛いということ。
なんとかして良い緊張状態にする必要がある。

ここが一番の難所。

良い緊張状態を狙ってできないからこそ
悪い緊張状態で苦しむ人が大勢いるんです。

・・・

じゃあ、どうやって良い緊張状態にするのか?
と言ったら、強いきっかけが必要になります。

私の場合は「ものすごくウケた」という
強い成功体験がきっかけでした。

小学校のあるイベントで、大勢の前で話したとき
人生最大にウケたんですね。
脊髄から電流が走り続けた興奮を
いまだに覚えているほど、ウケました。

この瞬間、私の意識は変わりました。

「失敗したらどうしよう」よりも
「やばい!ウケるって最高!」と
緊張がもたらすプレゼントに気付いたんです。

こういった強いきっかけがあった人は
緊張を肯定的に捉えることができそうです。
つまり、緊張を自分の力に変えやすくなる。
緊張に対してようやく向き合うことができる。

・・・いろいろな書籍で
緊張は良いもの、だから恐れないでと
書いてはありますが、それを理解するには
自身の成功体験が必要不可欠だと思います。

理屈じゃなく感覚で理解する所だからです。

悪い緊張で悩み、困っている人は沢山います。
安易に解決できないということもわかります。

緊張によるストレスで体調悪化もあるでしょう。
だから緊張から遠ざかる選択肢もあるでしょう。

それを悪いとは思いませんし、言いません。

ただ、私が伝えたいのは
悪い緊張状態のままだとスピーチは苦しい
ということです。

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