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伝え方の話【No.3 スピード】

私には会話をしていて心地の良い人がいます。

その人は
表情やしぐさ、声のトーンなど
好感を持てる要素はたくさんありますが
特に大事なところはスピード。喋る速さです。

早口の人と会話をしたことがあるでしょうか。

私は早口の人が苦手です。
なんだか急かされた気になってしまい
会話を楽しむどころではなくなります。
ようやく会話が終わるとヘトヘトです。

私たちは誰でも「心地よい」と感じる
会話のスピードがあります。

たとえるならテニスのラリーのように
絶妙なテンポで行う会話。

このスピードが自分とドンピシャな人は
自分にとって心地の良い会話ができる人。
とってもかけがえのない人とも言えます。


私たちには、ミラーニューロンと呼ばれる
相手の行動に共感して、真似をしたくなる
特殊な神経細胞が備わっています。

美味しそうな食べ物の映像を見て飯テロだ!
と空腹ではないハズなのに食欲が湧いたり

泣いている人を見ると、なんだか自分まで
悲しい気分になってしまい、涙が流れ出る。

こういった共感もミラーニューロンが深く
関わっていると言われています。

何が言いたいのかというと
自分の気持ちを相手に向けていると
おのずと相手のしぐさを真似してしまう。
会話のスピードだって、近いものになります。

それはとても人間味あふれる共感行動。

私たちは、表情やしぐさ、声のトーンなど
自分と似た性質を持つ人を好ましく思います。

好かれる人というのは知らず知らずのうちに
相手のことを真似している傾向があるんです。

・・・

そしてこれはスピーチでも当てはまります。

スピーチというのは話し手が一方的に話すので
聴き手の望むスピードは一見して分かりません。

ましてや、聴き手は単体ではなく複数。
では一体どうやって「合わせる」のかというと…

じつは、スピーチの最適な速度というのは
研究機関によりある程度実証されています。

それは一分間に300文字。
十秒間で50文字くらいです。
下記の文章を十秒で読めば丁度くらい。

嫁と一緒にランチを食べたんだよ
イタリアンの店なんだけどさあ
全部スマホのアプリから注文するんだよね
(約50文字)

身も蓋も無い言い方をしてしまうと
迷ったらこのスピードで話すようにすれば
多くの人が聞き取りやすい速さで話せます。

私は自分で録音して、喋って、失敗して、
また録音して、喋って…と練習しました。

そしてある程度できるようになってから
本番で試してみて、また修正して、試す。
そんなことをひたすら繰り返してました。

この自主練、やってみてとても良かったです。
単純に自信がつきました。

喋るスピードに信頼できる背景があると
気分が落ち着きます。言葉に自信が現れます。
悪い緊張状態にも陥らなくなるので
周りを見ながら喋る余裕も生まれるのです。

そして周りを見れる余裕が生まれることで
聴き手へ言葉を届けやすくなるんです。

スピーチが苦手な人は沢山いると思いますが
最適なスピードの自主練、オススメです。

一分間で300文字を狙って喋れたときには
“成長した感”が味わえること請け合いです。


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